ストーリー
“イエスタデイ<昨日>”まで、地球上の誰もがザ・ビートルズを知っていた。
しかし今日、彼らの名曲を覚えているのは世界で一人、ジャックだけ・・・
ジャックは突然、信じられない不思議な世界に身を置くこととなってしまった!
ジャックは、イギリスの小さな海辺の町に住む、悩めるシンガーソングライター。
幼なじみで親友のエリーから献身的に支えられているもののまったく売れず、音楽で有名になりたいという夢に限界を感じていた。そんな時、世界規模で瞬間的な停電が起こり、彼は交通事故に遭う。昏睡状態から目を覚ますと、この世には史上最も有名なバンド、ザ・ビートルズが存在していなかったことになっていることに気づくが・・・。
引用元:https://filmarks.com/movies/82978
「トレインスポッティング」「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督と「ラブ・アクチュアリー」の脚本家リチャード・カーティスがタッグを組み、「ザ・ビートルズ」の名曲の数々に乗せて描くコメディドラマ。イギリスの小さな海辺の町で暮らすシンガーソングライターのジャックは、幼なじみの親友エリーから献身的に支えられているものの全く売れず、音楽で有名になる夢を諦めかけていた。そんなある日、世界規模の瞬間的な停電が発生し、ジャックは交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。目を覚ますとそこは、史上最も有名なはずのバンド「ザ・ビートルズ」が存在しない世界になっていた。彼らの名曲を覚えているのは世界でただひとり、ジャックだけで……。イギリスの人気テレビドラマ「イーストエンダーズ」のヒメーシュ・パテルが主演を務め、「マンマ・ミーア! ヒア・ウィ・ゴー」のリリー・ジェームズ、「ゴーストバスターズ」のケイト・マッキノンが共演。シンガーソングライターのエド・シーランが本人役で出演する。
2019年製作/117分/G/イギリス
原題:Yesterday
配給:東宝東和
劇場公開日:2019年10月11日
引用元:https://eiga.com/movie/90371/
登場人物・キャスト
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/イエスタデイ_(2019年の映画)
感想
学問の世界では『歴史にもしもははい』とされているそうです。
これは物語性を排除するスタンスを表したもので、もしもの選択肢を選んだ架空の歴史はもはや歴史ではなく「物語」であるとされるからです。
しかし、信憑性を重視する学問ではご法度でも、エンターテインメントである創作作品などでは「もしも」の選択肢をした歴史=物語を考えることは自由です。
例えば『ドラえもん』最強の秘密道具の呼び声も高い、「もしもボックス」という秘密道具があります。
その秘密道具は「もしもの世界」を体験できるというロマン溢れる道具なのですが、もしも「もしもボックス」があって、もしも「『ビートルズ』が存在しない世界になったら」とお願いしたらどのような世界になると思いますか?
本作『イエスタデイ』はそんな「もしも『ビートルズ』がいない世界になったら」というシミュレーションを見せてくれる面白い作品なんですよ(≧▽≦)
イギリスの小さな海辺の町に暮らす主人公のジャック・マリックは販売店員をしながら、シンガーソングライターとして歌手活動を長い間続けていました。
ですが、ジャックは鳴かず飛ばず……引退を考えていたある日、世界中が停電し、再び復旧した瞬間から、ビートルズが存在しなかった世界に変わってしまったのです!
最初の内は何が起きているのかわからなかったジャックですが、自分だけがビートルズの名曲を知っていることに目をつけ、ビートルズの名曲を自分の曲として発表することにするが……という物語。
どうです、みんなの妄想を代弁するかのような物語ではないですか(≧▽≦)
誰でも一度は考えたことないでしょうか?
ヒットした小説なり、歌なり、漫画なりが存在しなかった世界になって、自分だけがその存在を知っている世界になったとして、自分の作品だと偽って発表すれば有名になれるのではないか……と!
バニラは、考えたことあります( ̄▽ ̄)
ですが、ヒット作が生まれる要因って、色々な要素が複雑に絡まり合っているんですよね……(^▽^;)
例えば、大ヒット漫画『鬼滅の刃』も、時代が違えばここまでヒットしなかったと言われています。
いや、確かに『鬼滅の刃』は面白いですよ……! 面白いですが、不思議なことに面白いだけではヒットしないんですよ。
様々な要因が複雑に絡まり合っているので、どうすればヒットするのかはわかりませんが、かなり運の要素が大きいとバニラは考えています。
芥川龍之介の短編『野呂松人形』でアナトール・フランスの『時代と場所との制限を離れた美は、どこにもない。自分が、ある芸術の作品を悦ぶのは、その作品の生活に対する関係を、自分が発見した時に限るのである』という一節を引用しています。
誤解しないでもらいたいですが、確かにビートルズは凄いです、あまり洋曲を聴かないバニラでもビートルズの曲は聴いてるくらい凄いですが、ビートルズの曲がヒットしたのは、その時代と場所の価値観にハマったからだとも思うんですね(^▽^;)
だから、現実的に考えると本作の主人公ジャックが、『ビートルズ』の歌を発表したとしてもヒットしない、あるいは、ヒットしても『ビートルズ』くらいのヒットはしないと思います。
ですが、『歴史にもしもはない』というのは学問的な話しということで、本作はエンターテインメントです。
ジャックは『ビートルズ』の歌を歌ったことで時の人になるのですよ!
ですが、ジャックやっぱり大物の器ではないので、有名になったことで、多くのものを手に入れたと同時に、多くのものを失ったことに気付くのです。
『進撃の巨人』のアルミンは言っていました。
何かを変えることのできる人間がいるとすれば、その人は、きっと……大事なものを捨てることができる人だ
ジャックには売れない時代からずっと支え続けてくれたエリー・アップルトンという幼馴染のマネージャーがいたのですが、エリーはジャックに好意を持ってくれていたのです。
ですが、ジャックが有名になり過ぎてしまったために、「自分がいたら邪魔になる」とエリーは身を引いてしまうんですね。
ジャックはアルミンがいうように、何かを変えるために、大事なものを捨てることはできない人でした。
エリーがいなくなったことでジャックは「こんなはずではなかった……」と落ち込んでいるところに、ある人物がやって来て、ある住所を教えてくれるのです。
そして、その場所に向かったジャックは、ジョン・レノンと逢うことになるんですよ!
そうです、『ビートルズ』が存在しなかったことで、ジョン・レノンは暗殺されることもなく、船員として働き家族と幸せに暮らし歳をとることができていたのです!
泣きそうになりました(T△T)
ジョン・レノンは「有名にならなくても幸せに暮らせる」みたいなことをいうんですよ。
結局、ジャックは自分の作品が認められたかったのではなく、有名になりたかっただけということに気付くんですね。
バニラも諭される思いでした(^▽^;)
もしもの世界を考えて、「自分が先に作品を発表していれば有名になれたのに!」と考えた自分が恥ずかしい(/△\)
そして、ジャックは『ビートルズ』の楽曲をすべて手放し、エリーと暮らすことを選ぶのです(T▽T)
賛否は分かれる話だと思いますが、バニラは名作だと思いました。
これだけでも、素晴らしいのですが、オチもよくて、最後にジャックが『ハリーポッター』の話をするんですよ。
ですが、みんな『ハリーポッター』のことを知らないのです。
バニラなら今すぐに『ハリーポッター』を書いて、公募にでも出すところですが、本当に大切なことを学んだジャックは何事もなかったようにして、エリーとの日常を選ぶんですね。
これは綺麗事かもしれません。
ですが、ジョン・レノンも『イマジン』で歌っているでしょう。
君は思うかも 僕が夢想家だって
でもそれは僕だけじゃないんだ
君もいつか仲間になってくれたら
そして世界は一つになるんだ
引用元:https://www.worldfolksong.com/popular/beatles/imagine.html¥
みんな地位や名誉やお金よりも、愛が大切だと思えたら世界は一つになるのでしょう( ̄▽ ̄)b