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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 スリラー/ドラマ『DOGMANドッグマン』「生来の悪人はいない。環境が人を追い詰める」

引用元:eiga.com|

ストーリー

ある夜、警察に止められた一台のトラック。運転席には負傷し、女装をした男。荷台には十数匹の犬。“ドッグマン”と呼ばれるその男は、半生を語り始めた―。犬小屋で育てられ暴力が全てだった少年時代。トラウマを抱えながらも、犬たちに救われ成長していく中で恋をし、世間に馴染もうとするが、人に裏切られ、苦しめられ、深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた男は、絶望的な人生を受け入れ、生きていくため、犬たちと共に犯罪に手を染めてゆくが、“死刑執行人”と呼ばれるギャングに目を付けられ― 映画史に刻まれる愛と暴力の切なくも壮絶な人生に圧倒される!

引用元:https://filmarks.com/movies/111442

 

「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。

ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。

アンチヴァイラル」「ゲット・アウト」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演を務め、圧倒的な存在感でドッグマンを演じきった。共演は「フレッシュ」のジョージョー・T・ギッブス、「ザ・ベイ」のクリストファー・デナム。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/114分/PG12/フランス
原題:Dogman
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年3月8日

引用元:https://eiga.com/movie/99902/

登場人物・キャスト

ダグラス
エヴリン・デッカー
演 - ジョージョー・T・ギッブス
アッカーマン
マイク
ダグラスの母
演 - イリス・ブリー
貴婦人

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/DOGMAN_ドッグマン

感想

物語の新たな可能性を見せてくれる、なんともトリッキーな映画です( ̄▽ ̄)

まるで、ランダムで出題されたテーマを縫い合わせて作られたキメラのような映画という印象。

絶妙なバランスで物語として成立していて、少し間違えただけで崩壊してしまいそうなほど危うい印象を受けました。

連想したのは、ジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』という映画ですね。

説明すると長くなるので説明しませんが『ピアノ・レッスン』も、トリッキー過ぎる映画なのです(^▽^;)

 

そんな『DOGMAN ドッグマン』とは、どのような物語なのかというと――――ある夜、警察に止められた一台のドラックがいました。

警察がトラックの荷台を確認すると、そこには十数匹の犬が乗っており、トラックの運転手を調べると、負傷し、女装した、足の不自由な男だったのです。

男の名前はダグラス。

警察はダグラスを捕らえ、勾留所のようなところに勾留することになり、話を聞きにやって来た弁護士のエヴリン・デッカーに自分の半生を語り始めるのです。

引用元:映画『DOGMAN ドッグマン』

闘犬のブリーダーをしている父親から激しい虐待を受けた幼少時代、犬小屋に閉じ込められ、兄からもいじめを受け、母親は逃げ出し、犬だけがダグラスの心の支えだった。

引用元:映画『DOGMAN ドッグマン』

犬小屋での暮らしがどれだけ続いたのか、ダグラスの人生に大きな転機が訪れる。

ある日、犬小屋で新たに誕生した子犬の存在を兄に知られ、父に密告されショットガンで子犬が殺されそうになる。

ダグラスは子犬を護ろうと檻の前で威嚇するが、頭に血が上り冷静な判断力を失った父はショットガンでダグラスを撃ってしまう。

父と兄は倒れたダグラスをほったらかして家の中に引っ込み、その隙にダグラスはショットガンを受け失った指を犬に持たせ、警察を連れて来るように頼むのだった。

 

犬は見事にダグラスの指を警察に届け、警察を連れてくることに成功し、父親と兄は捕まり、ダグラスを保護することに成功するが……その代償は大きくショットガンの弾丸は、脊椎を損傷させダグラスは自由に歩くことができなくなった。

それから、施設に入れられたダグラスだったが周囲の子供たちと馴染むことができず、一人で過ごしていると、サルマという女性が話しかけてくれる。

サルマは演劇クラスの指導員で、ダグラスに演劇を教えることになった。

サルマと共に演劇を始めたダグラスは、次第にサルマに恋心を抱くが……サルマはボストン郊外の劇団に入ることになりダグラスの元を去ってしまう。

ダグラスの元を去ったサルマは苦戦しながらも、大きな劇団に移り、その数年後には、ブロードウェイのスターにまで登りつめた。

映画『DOGMAN ドッグマン』

成長したダグラスは、今まで集め続けた新聞のスクラップで作ったアルバムを手土産にサルマに逢いにブロードウェイに赴き、感動の再会を果たすも、彼女はすでに他の男性と結婚し、近々子供が生まれる予定だった。

サルマに恋心を抱いていたダグラスは強いショックを受け、悲しみに沈むが、そこでも最後まで共に寄り添ってくれるのは犬たちだった。

ダグラスは保護犬関係の仕事をしていたが、近隣から苦情が入ったという理由で市から退去命令を受ける。

ダグラスは快く了承したように見えたが、市の依頼を受けた業者が犬たちを回収しにやって来たときには、すでにダグラスと数十匹の犬の姿は跡形もなく消えていた。

 

それからダグラスは、廃墟に犬たちと移り住み、犬たちと共に生活するために仕事を探すが、足の不自由なダグラスを雇ってくれる場所はなかった。

そんなとき偶然立ち寄ったニューハーフのショーパブを観て感銘を受けたダグラスは、自分は演劇をやっていたことを告げ、一度だけステージに上がらせてもらうことに。

そしてダグラスはステージでエディット・ピアフの曲を歌い、その完成度の高さに週に一度だけステージに立つチャンスを得る。

ダグラスは週に一度のその日を楽しみに過ごすようになったが、それだけでは犬たちを食べさせていくことができず……他にも犬たちを使った用心棒の仕事と、犬たちを使った泥棒を陰で始めるが……という物語なんですね。

 

リュック・ベッソン監督が実際の事件に着想を得て書いたというだけあって、最初の犬小屋に閉じ込められるという事件はなくはなさそうな話ですが、後半からはファンタジーに感じられたと思います。

確かに、よくよく考えると凄く突っ込みどころは多いんですよ(^▽^;)

「いくら賢いっていっても、犬がそこまで人間のいうことを理解して、行動できるわけないだろ!」とか「そこまで言うことを聞かせられるんだったら、犯罪方面ではなく、違う方面に使えるのではないか?」とか、色々思うところはあるのですが、不思議なことに観ているときはそんなこと全く気にならないのです。

なぜかというと、この映画の雰囲気と、俳優さんたちの演技力!

とくに、ダグラスを演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技力がすごい。

例えるなら映画史上最高の悪役と評される『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒースレジャーのような凄味があります。

 

ダグラスには不思議なオーラがあるんですね。

仕草やしゃべり方、雰囲気が演劇的で上品でオネェなのに、危うさもあって、ポスターに「規格外のダークヒーロー爆誕」とありますが、本作はまるでジョーカーやバットマン誕生の物語のような感じなんですよ。

本当にゴッサムシティにいそうなダークヒーロー感があるのです。

そんな、様々な要素を盛り込んだキメラのような作品ですが、哲学的な問いかけも感じられ、ラストの演出は言葉を失うほど素晴らしいと思いました( ̄▽ ̄)ゝ

予告

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