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映画 ドラマ 『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』「アタリ編集者とハズレ編集者」

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引用元:Amazon

誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』『老人と海』などで知られるヘミングウェイや、アメリカ文学最高傑作との呼び声も高い『グレート・ギャツビー』でしられるフィッツジェラルドを発掘した名編集者パーキンズと『天使よ故郷を見よ』で文壇に鮮烈なデビューを果たしたトーマス・ウルフの交友を描いた物語になっています。

 

 ヘミングウェイフィッツジェラルドは知っていましたが、トーマス・ウルフという人物は知りませんでしたね(´-ω-`)日本では割とマイナーな作家なのでしょうか? トーマスは言動がいちいち劇的で、周囲からは変人、狂人と思われていたそうです。芸術家は変人、狂人と言われる人が多いのは世界共通ですね~。凡人には理解できないからこそ、最大多数の凡人たちは、少数の天才を変人や狂人と評してしまうのです( ̄▽ ̄)

 

 そんなトーマスは、何年も構想を練って書き上げた『天使よ故郷を見よ』を出版社に持ち込み、パーキンズの眼に止まることに――。パーキンズは全編読み終えてから、訂正する箇所を何か所も挙げ訂正させます。そんなに訂正させて、書いた作家本来の持ち味を殺してしまわないか心配になるほどです。ですが、パーキンズの言う通りに訂正したトーマスの小説は、ベストセラーに――。

 

 さすが、ヘミングウェイフィッツジェラルドを発掘した名編集者だと舌をレロレロ巻きました。『バクマン。』という、漫画家たちの友情・努力・勝利を描いた漫画(アニメ化あり)があるのですが、『バクマン。』の中でも、編集者にはアタリ編集者と、ハズレ編集者がいて、編集者という存在がどれだけ大切かということが語られていたように思います。

 

 アイデアなど、作者だけが一人で出しているものではなく、周りの編集者や色々な人から、「ここは、こういうふうに訂正した方がいい」「ここは、こう変えた方が面白くなるんじゃない」などなど、編集者から色々なアドバイスや訂正を指示してもらっているのです。

 

 作者のあとがきとか、作成秘話などを聞くと、初期のストーリーとかなり違っていたとか、キャラクターの性格などが違っていたりなどの話をよく聞きますからね。小説や漫画がヒットして取り上げられるのは作者ですが、作者・芸術家が作品を世に出すまでには色々な人たちが、作品の良さをくみ取って宣伝活動、編集などを頑張ってくれているからで、色々な要素が重なって作品は世に送り出されているんですよね(*'ω'*)

 

 あの社会現象を現在も巻き起こしている『鬼滅の刃』が社会的ヒットに至ったのも、作者の吾峠呼世晴さんの努力と才能もあったからですが、何より、周りの編集者さんや、ヒット要因を作ったアニメの制作者さんたち、そして色々な幸運が重なったおかげでもあるのです。もし編集者の人たちがいなければ、世界中にある小説、漫画、芸術は今の形で存在しなかったでしょう。

 

 何が言いたいって、作品が作品として世に送り出されるまでには色々な人の力を借りているのだということを、この映画を観て改めて感じました(*'ω'*)それがプロとアマチュアの違いでもあるのでしょうね。

 

 アマチュアならある程度の自己満足という妥協は許されますが、作品として人からお金をもらうことになれば妥協は許されないからこそ、多くの人の力によって作品を磨いていかなければならない。編集者という裏方の人も、もう少し取り上げられて然るべきだと思いました('◇')ゞ