ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

邦画 ドラマ『東京物語』「いやぁね……世の中って……」

引用元:https://rd.listing.yahoo.co.jp

ストーリー

上京した両親を厄介者扱いする子供たち。気落ちする老親を、
一人温かくもてなす義理の娘。家族でも心の距離が遠くなる切なさと、
血の繋がりを超えた純粋な真心…人間関係の奥深さに魂が震える世界映画史上に残る大傑作。

引用元:https://filmarks.com/movies/35498

 

名匠・小津安二郎の代表作で、東京で暮らす子どもたちを訪ねた老夫婦の姿を通し、戦後日本における家族関係の変化を描いた不朽の名作。ローポジションやカメラの固定といった“小津調”と形容される独自の技法で、親子の関係を丁寧に描き出す。尾道で暮らす老夫婦・周吉ととみは、東京で暮らす子どもたちを訪ねるため久々に上京する。しかし医者の長男・幸一も美容院を営む長女・志げもそれぞれの生活に忙しく、両親を構ってばかりいられない。唯一、戦死した次男の妻・紀子だけが彼らに優しい心遣いを見せるのだった。

1953年製作/135分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年11月3日

引用元:https://eiga.com/movie/38069/

登場人物・キャスト

平山周吉
演 - 笠智衆
尾道に妻と次女と共に暮らしている。
とみ
演 - 東山千栄子俳優座
周吉の妻。
紀子
演 - 原節子
戦死した次男の妻。BG[注 4]として働き、アパートで暮らしている。
金子志げ
演 - 杉村春子文学座
周吉の長女。美容院を営む。
平山幸一
演 - 山村聡
周吉の長男。内科・小児科の医院を営む。
文子
演 - 三宅邦子
幸一の妻。
京子
演 - 香川京子
周吉の次女。小学校教員
沼田三平
演 - 東野英治郎俳優座
周吉の旧友。
金子庫造
演 - 中村伸郎文学座
志げの夫。
平山敬三
演 - 大坂志郎
周吉の三男。国鉄に勤務している。
服部修
演 - 十朱久雄
周吉の旧友。
よね
演 - 長岡輝子文学座
服部の妻。
おでん屋の女
演 - 桜むつ子
隣家の細君
演 - 高橋豊子
周吉の家の隣人。
鉄道職員
演 - 安部徹
敬三の同僚。
アパートの女
演 - 三谷幸子
紀子の隣室に住んでいる。
平山實
演 - 村瀬襌(劇団ちどり)
幸一の長男。
演 - 毛利充宏(劇団若草
幸一の次男。
美容院の助手
演 - 阿南純子
美容院の客
演 - 水木涼子、戸川美子
下宿の青年
演 - 糸川和廣
患家の男
演 - 遠山文雄
巡査
演 - 諸角啓二郎
会社の課長
演 - 新島勉
事務員
演 - 鈴木彰三
旅館の女中
演 - 田代芳子、秩父晴子
艶歌師
演 - 三木隆
尾道の医者
演 - 長尾敏之助
          平山周吉   平山とみ
(妻)
                           
   
                                                                         
                                                                 
  平山幸一
(長男)
  平山文子
(嫁)
  金子庫造
(婿)
  金子志げ
(長女)
  平山昌二
(次男)
戦死
  平山紀子
(嫁)
未亡人
  平山敬三
(三男 )
  平山京子
(次女)
       
                                                       
           
  平山實
(孫)
  平山勇
(孫)
                             
   
括弧内は周吉との続柄
色の凡例:   男       女

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/東京物語

感想

上京した両親を厄介者あつかいする子供たち。

気落ちする老親を、一人温かく迎える義理の娘。

家族でも心の距離が遠くなる切なさと、血のつながりを超えた純粋な真心を描き、世界映画史上に遺る傑作となった『東京物語』。

例えるなら山田洋次監督の『家族はつらいよ』や『サザエさん』ような雰囲気があります。

でも『家族はつらいよ』や『サザエさん』がロマン主義だとしたら、本作『東京物語』は現実主義です。

 

ローポジション、カメラ固定で切り取られる平山一家の関係に温かみはなく、徹底して冷徹なんですね(;^ω^)

「これがリアルか……」とちょっと暗い気持ちになります……。

子供たちに逢うために上京してきた両親ですが、子供たちは仕事や付き合いで忙しく、訪ねてきたばかりの両親を厄介払いをするために熱海に送り出すのです。

多くの人に見に覚えがあるのではないか?と思うんですね。

ありませんか? 友達と遊びたくて、自分の時間が欲しくて、仕事や忙しさにかこつけて、家族などの近しい人と過ごす時間をおざなりにした経験?

 

たぶんですが、多くの人に身に覚えがあると思うんですよ(^▽^;)

バニラも身に覚えがあり過ぎて「ドキ……」っとしてしまいました。

そうした理由で熱海に送り出された両親ですが……両親は熱海からすぐに帰ってきてしまうのです……。

ですが、子供たちが迷惑がっていることを感じとったらしい両親は、広島県尾道市にある家に帰ることを決め、その帰り道でとみさんが体調を崩し、回復する見込みもなくそのまま亡くなってしまうという「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」状態です(^▽^;)

 

そして、とみさんの葬式を済ませますが、子供たちは「お父さんが先に死んでくれた方がよかった」という話をしながら、形見分けや遺産相続について語り合い、すぐに東京に帰ってしまうのです。

ですが、戦死した次男の嫁の平山紀子だけは、最後まで残された義父のことを心配して、義父の周平も紀子には息子のことは気にせず幸せになって欲しいと東京に送り返すところで物語は終わります。

 

なんでしょう……鬱映画ではないのでしょうが、視聴後は鬱っぽくなってしまいますね……(^▽^;)

いったい家族とは何なのか? と考えさせられます(´・ω・`)

現代は核家族化などと言われ、家族関係が希薄になっていると言われていますが、昔からある普遍的な問題なんですね。

作中で紀子さんが平山家の次女・京子さんと葬式が済んで語り合うシーンがあります。

 

京子「でも、よかった。今日までお義姉さんにいていただいて。兄さんも姉さんも、もう少しおってくれてもよかったわ」

紀子「でも皆さんお忙しいのよ」

京子「でも、ずいぶん勝手よ。言いたいことだけゆって、さっさと帰ってしまうんですもの」

紀子「それは、しょうがいないのよ。みんなお仕事があるんだから」

京子「だったら、お義姉さんでもあるじゃありませんか。自分勝手なんよ」

紀子「でもね京子さん……」

京子「うんん。お母さんが亡くなるとすぐ、お形見欲しいだなんて。あたし、お母さんの気持ち考えたら、とても悲しなったわ。他人同士でも、もっと温かいわ。親子ってそんなもんじゃないと思う」

紀子「だけどね、京子さん。あたしもあなたくらいのころはそう思ってたのよ。でも、子供って大きくなると、段々、親から離れて行くものじゃないかしら。お義姉様ぐらいになると、もうお義母様やお義父様とは別の、お義姉様だけの生活っていうものがあるのよ。お義姉様だって、けっして悪気であんなことなさったんじゃないと思うの。誰だってみんな、自分の生活が一番大事になって来るのよ」

京子「そうかしら……。でもあたし、そんな風になりたくない。それじゃあ親子なんてずいぶんつまらない」

紀子「そうね。でも、みんなそうなってくんじゃないかしら。段々、そうなるのよ」

京子「じゃあ、お義姉さんも?」

紀子「ええ、なりたかないけど……やっぱり、そうなってくわよ」

京子「いやね……。世の中って……」

紀子「そう、いやなことばっかり」

 

紀子さんが言う通り、子供は段々と親から離れて、子供だけの生活というものを持つようになります。

それが当然とわかっていても、そんな世の中のつまらなさを京子さんは嘆いているんですね。

例えば野生動物の世界では、巣立った動物はもう親のもとに戻って来ることはありません。

例え野垂れ死にしようとそれまでですし、子供からしても親が年老いたからと面倒を見ることはありませんよね。

 

ジョジョの奇妙な冒険』の我らがディオ様はこんなことをおっしゃっています。

人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる。

名声を手に入れたり、人を支配したり、金もうけをするのも安心するためだ。結婚したり、友人をつくったりするのも安心するためだ。人のために役立つだとか、愛と平和のためだとか、すべては自分を安心させるためだ。安心を求める事こそ、人間の目的だ。

引用元:『ジョジョの奇妙な冒険

 

さすがディオ! 俺たちが気づかないことに気付いている! そこに痺れる、憧れる!

というのはおふざけですが、確かに、ディオ様のおっしゃる通り、結婚して子供をつくるのは安心のためでもあると思うんですよね。

老後は子供に面倒を見てもらおうとか、思ったりしている親も少数ですがいると思うのです(^▽^;)

 

何が言いたいかというと、本作の映画の子供たちは冷たいように感じますが、それが当然で、子供には子供の人生があり、親は見返りを求めるべきではないのかもしれません。

そのつもりなら、子供は面倒をみてくれるでしょうし……みてくれなければそれまでと達観するべきなのかもしれません……。

でも、人間は野生動物ではないので、それでいいのか? とも思います。

バニラもまだ紀子さんのように達観できていないので、京子さんの「親子ってそんなもんじゃないと思う」の意見なんですよね(^▽^;)

そんな世の中の理が、リアリズムたっぷりに描かれた名作であることは間違いありません( ̄▽ ̄)ゝ

予告

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映画 ミュージカル\コメディー『雨に唄えば』「すんばらしい、すんばらしい映画だ(*≧▽≦ノノ゙☆.+゚」

引用元:xn--gck6bvin20tkin.com

ストーリー

無声映画からトーキーに移行し始めた頃のハリウッド。人気スターのドンとリナは何度も共演し結婚を噂される間柄だが、ドンはつけ上がった態度のリナに愛想を尽かしている。そんなある夜、ドンは歌も踊りも上手い新進女優キャシーと恋に落ちる。その後、ドンとリナの新作がトーキーで製作されることになるが、リナの致命的な悪声のために不評を買ってしまう。そこでドンはリナの声をキャシーに吹き替えて製作することを思い立つ。「踊る大紐育」のジーン・ケリースタンリー・ドーネン監督によるミュージカル映画の傑作。

1952年製作/102分/G/アメリ
原題:Singin' in the Rain
劇場公開日:1953年

引用元:https://eiga.com/movie/42142/

登場人物・キャスト

役名 俳優 日本語吹替
NHK フジテレビ PDDVD
ドン・ロックウッド ジーン・ケリー 愛川欽也 井上孝雄 堀川りょう
コズモ・ブラウン ドナルド・オコナー 八代駿 広川太一郎 大塚智則
キャシー・セルダン デビー・レイノルズ 池田昌子 岡本茉莉 加納千秋
リナ・ラモント ジーン・ヘイゲン 桜京美 向井真理子 安藤麻吹
R・F・シンプソン社長 ミラード・ミッチェル 河村弘二 中村正 仲野裕
ドンのダンスパートナー シド・チャリシー ※発言無し
デクスター監督 ダグラス・フォーリー英語版 近石真介 勝田久 田坂浩樹
ゼルダ・ザンダース リタ・モレノ   中川まり子 小林美穂
不明
その他
N/A   市川千恵子
加藤正之
石森達幸
小倉勝保
上田敏也
石丸博也
清川元夢
若本規夫
麻上洋子
半田晶子
塚田恵美子
中川まり子
中神亜紀
丸山壮史
七瀬みーな
安芸此葉
志摩淳

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/雨に唄えば

感想

素晴らしい、あまりに素晴らしい!

ミュージカル映画の傑作と名高い『雨に唄えば』という映画の存在は知っていましたが、以前観た『ローマの休日』と同様、昔の映画ということで避けていました。

ですが、実際に観てみると、本当に素晴らしい映画でした(T▽T)

無声映画からトーキー映画に移行し始めたハリウッド。

人気スターのドンとリナは何度も共演し、結婚を噂される間柄でしたが、ドンは天狗になっているリナに愛想を尽かしていたのです。

 

そんなある夜、ドンは歌も踊りも上手い新進女優のキャシーと知り合い、次第に恋に落ちてゆき……その後、ドンとリナは『決闘の騎士』というトーキー映画を撮ることになりますが、リナの悪声のために真面目なはずの映画はコメディー映画になってしまい、観客から爆笑されてしまうのでした。

どうしたものか考えたドンたちは、映画をミュージカルにすることを提案し、リナの声をキャシーに吹き替えてもらうことにして、映画は見事成功を治めます。

が……その成功に味を占めたリナはキャシーにある提案を持ち掛け……。

 

という、大まかな流れです。

ストーリーの面白さは当然ですが、本作を名作たらしめているのは、合間合間に挟まれるミュージカル演出です。

雨に唄えば』のミュージカル演出といえば、題名にもなっている「雨に唄えば」が一番有名ですが、それ以外にも「奴らを笑わせろ」や「グッド・モーニング」などを始め題名がわからないミュージカルが沢山繰り広げられて、観て楽しい、聴いて楽しい、エンターテインメント映画になっています。

構図は芸術的で、ダンスはキレッキレ(特にタップダンスは凄い)、コメディー演出もディズニー映画のようにユーモアに溢れているのに、不思議と哲学的な深みが感じられるんです。

 

バニラもそれなりに映画を観ている自覚がありますが、本作はバニラの観た映画の中でも、ベスト100に入れるほど、素晴らしいとしか言いようのない映画です。

もし、一本だけ映画を薦めるなら、今なら『雨に唄えば』を薦めるでしょう。

それほど素晴らしい映画なので、もし古い映画だからと敬遠している人がいたら、一度観てほしいです、ほんと(≧▽≦)ゝ

予告

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映画 スリラー『鳥』「動物系パニック映画の原点」

引用元:amass.jp|

ストーリー

突如として凶暴化した鳥の大群に襲われる人々の恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督による名作パニックスリラー。ダフネ・デュ・モーリアの短編小説を原作に、推理小説作家エバン・ハンターが脚色を手がけた。新聞社の社長令嬢メラニーは、ペットショップで知り合った弁護士ミッチに興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。その町で、メラニーは突然舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれてしまう。翌日、ミッチの妹キャシーの誕生日パーティで、カモメの大群が子どもたちを襲う事件が発生。夜には無数のスズメがミッチの家に侵入し、その後も町のあちこちで鳥の大群が人間たちに襲いかかる。

1963年製作/120分/アメリ
原題:The Birds
配給:ユニヴァーサル
劇場公開日:1963年7月5日

引用元:https://eiga.com/movie/62576/

登場人物・キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え
TBS フジテレビ ソフト版
ミッチ・ブレナー ロッド・テイラー 井上孝雄 小林昭二 堀内賢雄
リディア・ブレナー ジェシカ・タンディ 河村久子 京田尚子 沢田敏子
アニー・ヘイワース スザンヌ・プレシェット 武藤礼子 深見梨加
メラニー・ダニエルズ ティッピ・ヘドレン 二階堂有希子 田中敦子
キャシー・ブレナー ヴェロニカ・カートライト 山本嘉子 清水マリ 中村千絵
バンディ夫人 エセル・グリフィス   沼波輝枝 宮沢きよこ
セバスチャン・ショールズ チャールズ・マッグロー   寺島幹夫  
マクグルーダー夫人 ルース・マクデヴィット   高村章子  
ディーク・カーター ロニー・チャップマン 今西正男 嶋俊介 西村太佑
セールスマン ジョー・マンテル   峰恵研  
貸しボート屋 ドゥードゥルス・ウィーヴァー   槐柳二  
アル・マローン副保安官 マルコム・アターバリー   北村弘一  
郵便局員 ジョン・マクガヴァン   辻村真人  
ダイナーの酔っ払い カール・スウェンソン      
ミッチの近所の住民 リチャード・ディーコン      
ヘレン・カーター エリザベス・ウィルソン   白川澄子  
サム ビル・クイン      
ダイナーの母 ドリーン・ラング      
不明
その他
N/A 杉田俊也
荘司美代子
堀越節子
京千英子
嶋俊介
村越伊知郎
西尾徳
加藤修
渡辺典子
及川ナオキ
真矢野靖人
川島悠美
 
演出 高木譲 山田悦司 市来満
翻訳 広瀬順弘 山田実 高師たまみ
調整   栗林秀年 天野龍洋
効果 赤塚不二夫
PAG
N/A
制作 グロービジョン 映画公論社

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/鳥_(1963年の映画)

感想

新聞社の社長令嬢メラニーはペットショップで知り合った弁護士ミッチに興味を抱き、ミッチが欲しがっていたラブバードを手土産にして、ミッチの家があるボデガ湾沿いの港町を訪れるが……メラニーがその町を訪れたことを皮切りにして、鳥たちが突如狂暴化し、町の人々にかぎ爪を剥く!

ダフニ・デュ・モーリエの同名小説を原作に、ヒッチコック監督が制作した動物系パニック映画の原点『鳥(THE BIRDS)』。

 

今でこそ、パニック系というジャンルがあるほど、動物が人間を襲う作品は一大ジャンルですが、本作が公開された1963年の時点では衝撃だったでしょうね。

狩る者と狩られる者の立場が逆転する恐怖。

原作小説では鳥たちが人間を襲う理由は厳寒によるエサの激減によるものと科学的な説明がされているようですが、ヒッチコック監督の『鳥』は徹底して不条理で、それらの説明がされることはありません。

このボデガ湾沿いの港町だけで起こっている現象なのか?

それとも、広範囲で起こっている現象なのか?

どうして、鳥たちが襲って来るのかの説明がなければ、防ぎようがありませんよね(^▽^;)

 

一縷の望みを託し、鳥たちの攻撃を潜り抜けたメラニーとミッチたちは、車に飛び乗り町を脱出しようとしますが、カーラジオから鳥たちの攻撃が近隣拡大しているというニュースを聞いたところで、唐突に物語が終わってしまうんですよ。

「え……?」と思いました。

言うなれば「起承転結」の「転」の当たりで物語が終わってしまうんですよ。

「結」はどうしたの? 続編があるの? と思って調べてみたら、知恵袋に詳しい話が書いてあるのを見つけました。

 

実際にはあの後のシーンがあったそうなのですが、そのシーンは鳥たちの狂暴化は世界中に拡大しており、鳥によって世界は壊滅状態にあるという救いようのないラストになっていたようです。

その救いのなさにヒッチコック監督は、そのシーンをカットして、まだ助かっている町があるかもしれないという希望を持たせたそうなんですね。

そのラストの演出が『サイコ』同様、映画に深みを持たせているように感じられました(≧▽≦)ゝ

予告

www.youtube.co

映画 サスペンス/スリラー『サイコ』「それなら私という人間を見せてあげましょう」

引用元:blogspot.com

ストーリー

アルフレッド・ヒッチコック監督によるサイコサスペンスの古典的名作。不動産会社に勤める女性マリオンは恋人サムとの結婚を望んでいたが、サムは元妻への慰謝料の支払いに追われ再婚を渋っていた。そんな中、会社の金4万ドルを銀行へ運ぶことになった彼女は、出来心からその金を持ち逃げしてしまう。サムの元を目指して車を走らせるマリオンだったが、大雨で視界が悪くなり、偶然見つけた寂れた宿「ベイツ・モーテル」でひと晩を過ごすことに。そこで彼女は、宿を1人で切り盛りする青年ノーマンと出会うが……。アンソニー・パーキンスがノーマン役を怪演。

1960年製作/109分/アメリ
原題:Psycho
配給:パラマウント
劇場公開日:1960年9月17日

引用元:https://eiga.com/movie/44665/

登場人物・キャスト

役名 俳優 日本語吹替
東京12ch フジテレビ TBS ソフト版
ノーマン・ベイツ英語版 アンソニー・パーキンス 西沢利明 辻谷耕史
マリオン・クレイン英語版 ジャネット・リー 山東昭子 武藤礼子 佐々木優子
ライラ・クレイン英語版(マリオンの妹) ヴェラ・マイルズ 幸田弘子 鈴木弘子 相沢恵子
サム・ルーミス(マリオンの恋人) ジョン・ギャヴィン 広川太一郎 川合伸旺 神谷和夫 小山力也
ミルトン・アーボガスト(私立探偵) マーティン・バルサム   島宇志夫 渡部猛 有本欽隆
アル・チェンバース(保安官) ジョン・マッキンタイア   雨森雅司 八奈見乗児 飯塚昭三
フレッド・リッチモンド精神科医 サイモン・オークランド英語版   岡部政明 加藤正之 稲葉実
トム・キャシディ(金持ちの経営者) フランク・アルバートソン英語版   雨森雅司  
チェンバース(保安官)夫人 ルリーン・タトル   鈴木れい子    
キャロライン(マリオンの同僚) パット・ヒッチコック英語版   吉田理保子 榊原良子  
ジョージ・ロウリー(不動産会社の社長) ヴォーン・テイラー英語版   北村弘一    
チャーリー(中古車店の店主) ジョン・アンダーソン英語版   村松康雄   掛川裕彦
ハイウェイパトロールの警官 モート・ミルズ英語版   木原正二郎 郷里大輔  
ノーマ・ベイツ英語版(ノーマンの母親)の声 バージニア・グレッグ英語版
ポール・ジャスミン英語版
ジャネット・ノーラン
  京田尚子   磯辺万沙子
その他       西川幾雄
屋良有作
好村俊子
大方斐紗子
伊藤和晃
吉沢希梨
火野カチコ
長克巳
倉持良子
佐藤晴男
斉藤次郎
 
演出   山田悦司 岩浪美和
翻訳   榎あきら 森みさ 前田美由紀
効果   赤塚不二夫    
調整   栗林秀年    
制作   グロービジョン 東北新社  
解説        
初回放送 1968年5月9日
木曜洋画劇場
1975年9月5日
ゴールデン洋画劇場[5]
1983年6月16日
『名作洋画ノーカット10週』

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/サイコ_(1960年の映画)

感想

サスペンス映画の神様と評されるヒッチコック監督によるサイコ・ホラー映画の金字塔『サイコ』。

いや~、ヒッチコック監督の偉大さがよくわかる映画でした( ̄▽ ̄)

ストーリーは王道というか、シンプルなのですが、現在のサイコ・ホラーの基礎が詰め込まれている、サイコ・ホラーの教科書のような作品です。

 

不動産会社に勤めるマリオンという女性は、恋人サムとの結婚を望んでいましたが、サムは別れた妻への養育費の支払いなどもあり、結婚を渋っていました。

そんなある日、マリオンは会社の金4万ドルを銀行に預ける仕事を請け負いますが、出来心から4万ドルを持ち逃げしてしまうのです。

そしてマリオンはサムのもとに向かうために車を走らせますが、酷い雨に見舞われ、道中見つけたノーマン・ベイツという男と、ノーマンの母親ノーマが営んでいる宿屋「ベイツ・モーテル」で一夜を明かすことに決めるのです。

が……その「ベイツ・モーテル」で有名なシャワーシーンの悲劇に見舞われるのでした……。

引用元:映画『サイコ』

驚いたのは、ここでマリオンが死んでしまったことですΣ(・ω・ノ)ノ!

物語はマリオンを中心に展開されていたので、てっきりマリオンが主人公だと思っていたのですが、マリオンは物語の三分の一あたりで退場してしまうんですね。

どうやら犯人はノーマンの母親ノーマのようで、ノーマは精神病を患っているようなのです。

ここからどのように物語を展開するつもりなんだ? 

と思っていたら、物語はマリオン視点からノーマン視点に移り、ノーマンは慣れた手つきでマリオンの遺体を沼に捨てて、母親をかばうために隠ぺいするんですね。

 

そして、マリオンが会社の金を持ち逃げしたことで、私立探偵のミルトン・アーボガストという男が、マリオンの後を追って「ベイツ・モーテル」を訪れるのですが、またもミルトンはノーマに襲われて殺されてしまうのです(^▽^;)

ノーマがミルトンに襲い掛かる瞬間が、突然でめっちゃビックリしました:;(∩´﹏`∩);:

ですがミルトンは殺される前に、マリオンの妹ライラと連絡を取っており、急に連絡が取れなくなったミルトンの後を辿り、ライラはマリオンの恋人のサムと「ベイツ・モーテル」に訪れるのですが……。

 

現代のサイコ・サスペンスを見慣れていると、トリックというかオチは予想できるのですが、当時としては本当に画期的だったと思うんですね。

そして、本作を名作たらしめているのは、最後のノーマの台詞なんですよ。

『それなら私という人間を見せてあげましょう。私がハエ一匹たけない人間だってことを』

このセリフを言ったノーマの表情がなんともいえなくて、まるで『ダークナイト 』のヒース・レジャー演じるジョーカーのような凄味あるのです(≧▽≦)

もし、最後のこのシーンがなければ、本作はここまで語り継がれる名作になり得なかったでしょう( ̄▽ ̄)ゝ

予告

www.youtube.com

映画 ロマンス/戦争『カサブランカ』「『君の瞳に乾杯』の元ネタってこの映画だったのΣ(・ω・ノ)ノ!」

引用元:pinterest.com|

ストーリー

麗しのサブリナ』のハンフリー・ボガート主演のラブストーリー。アメリカ人のリックはカサブランカで亡命者たちが集まるナイト・クラブを経営。そこに昔の恋人だったイルザとその夫で反ナチ運動の指導者・ラズロが現れる。

引用元:https://filmarks.com/movies/8726

 

第16回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞の3部門を受賞し、主演ハンフリー・ボガートによる名セリフ「君の瞳に乾杯」でも広く知られる名作ラブロマンス。第2次世界大戦下の1941年、アメリカへ行くためには必ず通らなければならない寄港地だったフランス領モロッコカサブランカ。そこで酒場を営むアメリカ人リックのもとに、かつてパリで恋に落ちたものの、突然目の前から姿を消した恋人のイルザが、夫で反ナチス活動家のラズロを伴って現れるが……。共演にイングリッド・バーグマン。監督はマイケル・カーティス。2021年5月、人気声優による名画吹き替えプロジェクト「NEW ERA MOVIES」で新たに制作された吹き替え版(リック役=池田秀一/イルザ役=潘恵子/ラズロ役=古屋徹)で公開。

1942年製作/102分/G/アメリ
原題:Casablanca
配給:モービー・ディック
劇場公開日:2021年5月7日

その他の公開日:1946年(日本初公開)、1975年

引用元:https://eiga.com/movie/43303/

登場人物・キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え
NETテレビ テレビ東京 PDDVD スターチャンネル N.E.M.版[3]
リック・ブレイン ハンフリー・ボガート 久米明 津嘉山正種 有本欽隆 東地宏樹 池田秀一
イルザ・ラント イングリッド・バーグマン 水城蘭子 塩田朋子 日野由利加 甲斐田裕子 潘恵子
ヴィクター・ラズロ ポール・ヘンリード 仁内建之 土師孝也 諸角憲一 森田順平 古谷徹
ルノー署長 クロード・レインズ 和田文夫 青野武 中博史 後藤哲夫 野坂尚也
シュトラッサー少佐 コンラート・ファイト 杉田俊也 加藤精三 丸山壮史 金尾哲夫 露崎亘
フェラーリ シドニー・グリーンストリート英語版   藤本譲 原田晃 楠見尚己 真木駿一
ウーガーテ ピーター・ローレ 永井一郎 牛山茂 鈴木貴征 ふくまつ進紗 佐久間元輝
カール S・K・サコール英語版 神山卓三 緒方賢一 中村浩太郎 茶風林 平林剛
イヴォンヌ マデリーン・ルボー 北浜晴子 日野由利加 小林美穂 うえだ星子 柳原かなこ
サム ドーリー・ウィルソン 松村彦次郎 稲葉実 奈良徹 竹田雅則 佐々木義人
アニーナ・ブランデル ジョイ・ペイジ   渡辺美佐 恒松あゆみ 坂井恭子 高岡千紘
バーガー ジョン・クォーレン英語版 上田敏也 小室正幸      
サッシャ レオニード・キンスキー英語版   斎藤志郎 飯島肇   中村和正
すり クルト・ボウワ       多田野曜平  
以下はノンクレジット
エミール マルセル・ダリオ     田中一永    
ヤン・ブランデル ヘルムート・ダンテイン英語版         三瓶雄樹
ハインツ大佐 リチャード・ライエン英語版   星野充昭      
ライヒタグ夫人 イルカ・グリューニング英語版         渡谷美帆
ドイツ人バンカー グレゴリー・ゲイ英語版   手塚秀彰      
冒頭ナレーション ルー・マーセル 大木民夫 津嘉山正種   木村雅史  
その他 N/A 寺田彦右
吉沢久嘉
堀勝之祐
緒方文興
浜田賢二
佐藤ゆうこ
彩木香里
  藤井啓輔
村治学
志賀麻登佳
駒谷昌男
高岡瓶々
土門敬子
板取政明
山本格
うさみともこ
夏目あり沙

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/カサブランカ_(映画)

感想

第二次世界大戦中のフランス領モロッコの都市・カサブランカを舞台に、酒場を営むアメリカ人のリックと、カサブランカで偶然再会した昔の恋人イルザ、そしてイルザの夫ラズロとの三角関係を描き、第16回アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚色賞の3部門を受賞した、名作『カサブランカ』。

派手な演出やドンパチ騒ぎのないとても静かな会話劇で展開されて、まさに大人のラブストーリーという映画でした( ̄▽ ̄)

 

ストーリーはとても単純なのですが、複雑な人間ドラマがこの映画を難しくしているように思います。

リックというカサブランカで酒場を営む男は、パリでイルザという女性と出会い恋に落ちるのですが、ある日イルザは何も告げずにリックのもとをさってしまうのです。

裏切られたと思ったリックはその後、カサブランカに移り住み酒場を開きますが、運命のいたずらが再び2人をめぐり合わせるのです。

再会したイルザはなんと反ナチス活動家のラズロという男と結婚しているではありませんかΣ(・ω・ノ)ノ!

 

実は、ここが複雑なところなのですが、イルザはリックと出会ったときにはすでにラズロと結婚していたらしいんですね。

つまりリックの方が不倫ということになるのですが、これもまた複雑でイルザはリックと出会った時点では、ラズロが死んでいると思っていたのです。

この経緯が明かされるのが物語の後半なので、物語が複雑に見えてしまう原因になっていると思います。

あらかじめ、あらすじを読んで予備知識はあったのですが、リックとイルザとラズロの関係性がいまいちわからずに、流れだけを追っていた状態でした(^▽^;)

 

そして、難しくしている要因のもう一つは、当時の軍事情勢ですね。

この映画の時代だと、ヒトラー率いるナチスポーランドに侵攻して、ヨーロッパの多くの国々を占領していた時代で、フランスが敗れたことで、フランス領だったモロッコナチス・ドイツ支配下に一時的になっていた時期にあたると思います。

この時代背景を知らないと、ちょっとわかりずらい物語だと思います。

バニラも調べるまでは、何故ナチスが幅を利かせているのかわからずに、ストーリーがわかりませんでした(^▽^;)

ですが、それさえ押さえておけば、基本はリックとイルザとラズロの三角関係を軸に展開される王道のラブストーリーです。

一人の女性を二人の男が好きになり、一人の女性が二人の男を好きになってしまった、この複雑な葛藤が、戦時下のカサブランカという舞台でとても素晴らしく描かれています。

本作が後の恋愛映画に大きな影響を与えていると思いますが、原点にして頂点と思えるほど、基礎が詰め込まれた今まで観て来た三角関係を扱った作品の中でも、上位に入る作品だと思いました(`・ω・´)b

予告

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映画 ドラマ『最強のふたり』「これは実話らしいですΣ(・ω・ノ)ノ!」

引用元:wessongeri.hateblo.jp

ストーリー

パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育んでいく。2011年・第24回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ(最優秀作品賞)と最優秀男優賞をダブル受賞した。

2011年製作/113分/PG12/フランス
原題:Intouchables
配給:ギャガ
劇場公開日:2012年9月1日

引用元:https://eiga.com/movie/57365/

登場人物・キャスト

フィリップ
演 - フランソワ・クリュゼ、日本語吹替 - 小川真司
頸髄損傷の富豪。普段の移動では電動車いすを利用している。ドリスが邸宅内の別室にいる時は、“赤ちゃんモニター”と呼ばれる機器で会話のやり取りをしている。堅物な性格なためこれまでに介護人を何人か雇ってきたが全員1週間ほどで逃げ出している。しばしば夜中に幻痛症と呼ばれる発作に苦しむ。趣味は、クラシック音楽や絵画などの芸術を鑑賞すること。怪我を負う前は、スポーツ競技としてパラグライダーを時々楽しんでいた。
ドリス
演 - オマール・シー、日本語吹替 - 菅原正志
スラム街出身の黒人青年。冒頭で意図せずフィリップの介護人となる。日常の介助の他フィリップの外出時の車の運転手も務めるが実は無免許。基本的には雑な言動をしていて不真面目な性格だが、根は悪くなく陽気でくだらない冗談を時々言っている。相手が誰であろうといつもタメ口で話し、自分が思った正直な気持ちをぶつけている。ノリの良い洋楽が好きで「踊れない音楽は音楽じゃない」という持論を持つ。
イヴォンヌ
演 - アンヌ・ル・ニフランス語版、日本語吹替 - 野村須磨子
フィリップの助手。60歳前後の女性。当初ドリスを「乱暴な人」と評し、不真面目な彼によく口頭で注意していたが徐々に打ち解け始める。規律に厳しい性格だが実は他人の恋愛話が好き。
ガリ
演 - オドレイ・フルーロ、日本語吹替 - 佐古真弓
フィリップの秘書、口述筆記などを担当しており、フィリップが言った内容をエレノア宛の手紙を代筆している。才色兼備で色気があり、ドリスから異性として気に入られている。
マルセル
演 - クロティルド・モレフランス語版、日本語吹替 - 白川万紗子
フィリップの使用人。介護士。毎朝7時頃に邸宅に訪れてフィリップの体のケアや運動機能を衰えさせないリハビリのようなことを2時間ほどしている。フィリップの世話をするようになったドリスに日常の介助の仕方などを教える。
エリザ
演 - アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージフランス語版
フィリップの娘。16歳。実は養子でフィリップとは血縁関係はない。お嬢様扱いされて裕福な生活を送ってきたため、気が強く小生意気な性格でフィリップ以外の人から指図を受けることを嫌う。ドリスのことを見下している。
バスティア
演 - トマ・ソリヴェレフランス語版
エリザのボーイフレンド。毛量の多い髪型をしており、ドリスから陰で“モップみたいな頭の男”と呼ばれている。
アルベール
演 - クリスティアン・アメリフランス語版
フィリップ邸の庭師。薄毛のおじさん。仕事は、フィリップの家の庭の手入れやちょっとした農作物を育てている。ドリスによるとイヴォンヌに気があるとのこと。
アントニー
演 - グレゴリー・オースターマンフランス語版
フィリップの友人。ドリスが過去に半年間服役していたことを法務省の知り合いから聞き、フィリップに知らせて用心するよう助言する。
ミナ
演 - アブサ・ダイヤトーン・トゥーレ
ドリスの妹。年は日本で言う高校生ぐらい。自身の学校が終わってから母親が仕事から帰宅するまでの間、8人ぐらいいる幼い弟妹たちの面倒を見ている。ドリスが半年も実家に連絡をしないでぶらぶらしていることに不満を感じている。
アダマ
演 - シリル・マンディフランス語版
ドリスの弟。年は日本で言う中学生ぐらい。年上の不良仲間がおり、詳細は不明だが何か悪いことをやって留置場に入れられるなど素行が悪い。ドリスから心配されているが、反抗期らしく素直になれず反発している。
エレノア
演 - ドロテ・ブリエール・メリット
フィリップの文通相手。半年間フィリップと手紙のやり取りをしているがお互いに顔を見たことはない。フィリップ宛の手紙はいつも青い封筒に入れており、フィリップからは詩のような言葉で綴られた手紙を受け取っている。
アリス
フィリップの妻。故人。フィリップとは大恋愛の末に結婚し妊娠するが流産し、その後不治の病により亡くなっている。生前、25年間毎年ファベルジェの卵をフィリップにプレゼントしており、彼にとって宝物となる。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/最強のふたり

感想

パラグライダーの事故により顔より下が動かなくなってしまったフィリップと、そんな彼の介護人となったドリスの交流を描く『最強のふたり』。

多くの映画紹介サイトや、動画などで、色々な方がオススメ映画として紹介しているので観てみたら、めちゃくちゃ既視感があるんですよね。

恐らく、昔に観ているのだと思います。

 

フィリップが新しい介護人を探す面接をしていたとき、ドリスが失業手当をもらう目的で面接室に現れます。

引用元:映画『最強のふたり

ドリスは面接官の女性を口説いたり、差別的ともとれる無礼な言動をしたり、挙句の果てにはイースターエッグのオブジェを盗み出すのです。

が、フィリップはドリスを何故か気に入り介護人として雇うことにするんです。

どうして、フィリップはこんな無礼な人を気に入ったのか? と思うでしょうが、こういう話ってよくありますよね。

バニラも何故だかはわかりませんが、自分を障害のある人として特別に扱わないのが理由ではないかと思うのです。

 

ちょっといい方は悪いですが、普通の人々は障害のある人をまるで腫れ物に触るように扱ってしまうと思うんです(´-ω-`)

決して悪気があってやっているわけではなく、それどころか親切心による場合がほとんどでしょうが、その態度に傷つく人もいるのですよ……。

例えるなら、子供が子供扱いされたくないように、障害なんて気にせずに普通に接してほしいんですよね。

引用元:『最強のふたり

ドリスは特別扱いするのではなく普通に接してくれたから、フィリップはドリスを選んだのだと思うのです。

ですが、普通に接してくれるということは裏を返せば、配慮がないということでもあります。

ドリスも悪気はありませんが、ことあるごとに差別的な言動を行っていたり、介護の仕方を知らないので、フィリップの足に熱湯をわざとかけたり、乱暴にフィリップを移動させたり、など現代の日本では考えられない介護をしているんですね(^▽^;)

 

人によっては不快に感じるかも知れません。

中でも、ドリスとフィリップが絵画を見に行った時、現代抽象画のような絵をフィリップが数千万ドルで買うエピソードがあるのですが、そのときドリスがチョコレートか何かを食べていて、フィリップがそれを食べさせてくれと言うのですが、ドリスは意地悪して食べさせずに、かなり酷いことをいうのです。

そこだけはバニラも少し不快になりました(^▽^;)

『親しき中にも礼儀あり』だとは思いますが、そのようなドリスをフィリップが気に入った理由もわかる気がするんですよ。

 

もしバニラがフィリップのような立場になったら、余りにうやうやしく接せられるよりも、ドリスのような人に友人のように接して欲しいと思いますからね。

フィリップの障害が原因でみんなフィリップに無茶な要求をしませんが、ドリスだけは無茶なこと、馬鹿なことを一緒にしてくれるのです。

一緒に馬鹿をやってくれる友人なんて、そうそういるものではありませんよね(≧▽≦)

その関係が素敵だなって思うんですよ。

正にタイトル通り『最強のふたり』だと思う映画です。

予告

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映画 サスペンス/スリラー『ナイトクローラー』「他人の〈破滅〉の瞬間に、カメラを持って現れる――」

引用元:eiga.com|

ストーリー

学歴もコネもなく、仕事にあぶれたルー(ジェイク・ギレンホール)は、ある日事故現場を通りかかり、テレビ局に悲惨な映像を売って稼ぐ<ナイトクローラー>と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知る。さっそくビデオカメラを手に入れたルーは、警察無線を傍受しながら事件や事故の発生を待ち、猛スピードで車を走らせ、現場に駆け付ける。良心の呵責など1秒たりとも感じない彼の過激な映像は高く売れるが、局の要求はさらにエスカレートしていく。そして、遂にルーは一線を越える─。

引用元:https://filmarks.com/movies/60216

 

ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホールが主演し、刺激的な映像を求めて夜のロサンゼルスを駆けめぐる報道パパラッチの姿を通し、視聴率至上主義のテレビ業界の裏側を浮き彫りにしたサスペンススリラー。まともな仕事にありつけず軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイスは、偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、自分もやってみようと思い立つ。早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していく。過激な映像で高額な報酬を得るようになったルイスは、さらなるスクープ映像を求めて行動をエスカレートさせていき、ついに一線を越えてしまう。共演に「マイティ・ソー」シリーズのレネ・ルッソ。「ボーン・レガシー」などの脚本家として知られるダン・ギルロイがメガホンをとり、長編監督デビューを果たした。

2014年製作/118分/G/アメリ
原題:Nightcrawler
配給:ギャガ
劇場公開日:2015年8月22日

引用元:https://eiga.com/movie/81238/

登場人物・キャスト

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイトクローラー_(映画)

感想

主人公ルイス・ブルームは学歴がないために、どこにも雇ってもらえず、ロサンゼルスの町で、ぼろぼろのトヨタターセルに乗りながら、工事現場のフェンスやマンホールを盗み生計を立てていた。

そんなある日、事故現場を目の当たりにし、事故現場の悲惨な映像をテレビ局に売ることを生業とする、パパラッチ「ナイトクローラー」の存在を知る。

ルイスはさっそくカメラを手に入れ、事故現場を撮影してテレビ局に売りに行くと、その映像が想像以上に高く売れ、味を占めたルイスはナイトクローラーになることを決めるが……次第にルイスの行動は過激になり……一線を越えてしまうのだった――。

 

痛烈な社会風刺を扱いながらも、エンターテインメント映画として最高に面白い(´艸`*)

視聴率至上主義が招く狂気。

これは、視聴率至上主義にだけ言える話ではなく、人間は馴化してしまう生き物ですから「もっともっと!もっと!!」とすべての物事で、さらに強い刺激を求め続けてしまうのです。

例えばニュースでも問題になっている、動画投稿サイトに投稿される過激な動画やふざけた動画がその例でしょう。

再生回数が稼げるからと、馬鹿なことをやる人が後を絶たないのです。

やった本人が悪いのは当然ですが、果たして本人だけが悪いと済ませられるのか? 

我々視聴者にも問題があるのではないか?

 

我々がそのようなコンテンツに興味を示さなければ、煽ることがなければ、そのようなことが起こることもないのですから。

主人公ルイスも、テレビ局の視聴率至上主義のために次第に行動がエスカレートして、最後は一線を越えてしまうのですが、それはルイスだけが悪いと思えないのですよ。

当然、ルイスの行動はやりすぎだと思うのですが、そもそもテレビ局がモラルを守ってその手の映像を買わなければルイスもあそこまではしなかったでしょう。

この手の問題は、様々な事柄が複雑に絡み合い、当事者だけを罰することはできないと思うんですね。

 

だからモラルを育て、それでも駄目だから規制し法律を作る必要があるのでしょう。

アダム・スミスは『国富論』の中で「神の見えざる手」の概念を提唱したそうです。

経済は市場に任せていれば、神の見えざる手によって最適化するという主張らしいですが、経済は市場に任せっきりではカオスに陥りました。

だから、政府が介入して秩序を保たなければならない。

何が言いたいかというと、人間のモラルは当てにしてはいけないということですね。

 

そうなると法律を作る必要があるのですが、表現の自由の侵害に当たってしまうので、難しい(´-ω-`)

今、ネットでの誹謗中傷の問題で、コメント投稿を難しくするとか、誹謗中傷の罰を重くするなど、誹謗中傷の取り締まりを厳しくしていますが、それも表現の自由の侵害に当たるという意見もあります。

本作『ナイトクローラー』は、そのような暴走する人間の恐ろしさが描かれており、とても面白い映画です( *´艸`)

予告

www.youtube.com