ストーリー
学歴もコネもなく、仕事にあぶれたルー(ジェイク・ギレンホール)は、ある日事故現場を通りかかり、テレビ局に悲惨な映像を売って稼ぐ<ナイトクローラー>と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知る。さっそくビデオカメラを手に入れたルーは、警察無線を傍受しながら事件や事故の発生を待ち、猛スピードで車を走らせ、現場に駆け付ける。良心の呵責など1秒たりとも感じない彼の過激な映像は高く売れるが、局の要求はさらにエスカレートしていく。そして、遂にルーは一線を越える─。
引用元:https://filmarks.com/movies/60216
「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホールが主演し、刺激的な映像を求めて夜のロサンゼルスを駆けめぐる報道パパラッチの姿を通し、視聴率至上主義のテレビ業界の裏側を浮き彫りにしたサスペンススリラー。まともな仕事にありつけず軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイスは、偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、自分もやってみようと思い立つ。早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していく。過激な映像で高額な報酬を得るようになったルイスは、さらなるスクープ映像を求めて行動をエスカレートさせていき、ついに一線を越えてしまう。共演に「マイティ・ソー」シリーズのレネ・ルッソ。「ボーン・レガシー」などの脚本家として知られるダン・ギルロイがメガホンをとり、長編監督デビューを果たした。
2014年製作/118分/G/アメリカ
原題:Nightcrawler
配給:ギャガ
劇場公開日:2015年8月22日
引用元:https://eiga.com/movie/81238/
登場人物・キャスト
- ルイス・ブルーム - ジェイク・ジレンホール(高橋広樹)
- ニーナ・ロミナ - レネ・ルッソ(深見梨加)
- リック - リズ・アーメッド(金城大和)
- ジョー・ロダー - ビル・パクストン(西村太佑)
- リンダ - アン・キューザック(小林さとみ)
- フランク・クルース - ケヴィン・ラーム
- ジャッキー - キャスリーン・ヨーク
- カメラマン - エリック・ランジ
- 編集者 - キッフ・ヴァンデンヒューヴェル
- 質屋のオーナー - ジョニー・コイン
- フロンティエリ刑事 - マイケル・ハイアット
- 警備員 - マイケル・パパジョン
- その他の日本語吹き替え‐前田一世/山賀晴代/各務立基/下山田綾華/増元拓也/山田浩貫/本多新也/小林達也
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイトクローラー_(映画)
感想
主人公ルイス・ブルームは学歴がないために、どこにも雇ってもらえず、ロサンゼルスの町で、ぼろぼろのトヨタ・ターセルに乗りながら、工事現場のフェンスやマンホールを盗み生計を立てていた。
そんなある日、事故現場を目の当たりにし、事故現場の悲惨な映像をテレビ局に売ることを生業とする、パパラッチ「ナイトクローラー」の存在を知る。
ルイスはさっそくカメラを手に入れ、事故現場を撮影してテレビ局に売りに行くと、その映像が想像以上に高く売れ、味を占めたルイスはナイトクローラーになることを決めるが……次第にルイスの行動は過激になり……一線を越えてしまうのだった――。
痛烈な社会風刺を扱いながらも、エンターテインメント映画として最高に面白い(´艸`*)
視聴率至上主義が招く狂気。
これは、視聴率至上主義にだけ言える話ではなく、人間は馴化してしまう生き物ですから「もっともっと!もっと!!」とすべての物事で、さらに強い刺激を求め続けてしまうのです。
例えばニュースでも問題になっている、動画投稿サイトに投稿される過激な動画やふざけた動画がその例でしょう。
再生回数が稼げるからと、馬鹿なことをやる人が後を絶たないのです。
やった本人が悪いのは当然ですが、果たして本人だけが悪いと済ませられるのか?
我々視聴者にも問題があるのではないか?
我々がそのようなコンテンツに興味を示さなければ、煽ることがなければ、そのようなことが起こることもないのですから。
主人公ルイスも、テレビ局の視聴率至上主義のために次第に行動がエスカレートして、最後は一線を越えてしまうのですが、それはルイスだけが悪いと思えないのですよ。
当然、ルイスの行動はやりすぎだと思うのですが、そもそもテレビ局がモラルを守ってその手の映像を買わなければルイスもあそこまではしなかったでしょう。
この手の問題は、様々な事柄が複雑に絡み合い、当事者だけを罰することはできないと思うんですね。
だからモラルを育て、それでも駄目だから規制し法律を作る必要があるのでしょう。
アダム・スミスは『国富論』の中で「神の見えざる手」の概念を提唱したそうです。
経済は市場に任せていれば、神の見えざる手によって最適化するという主張らしいですが、経済は市場に任せっきりではカオスに陥りました。
だから、政府が介入して秩序を保たなければならない。
何が言いたいかというと、人間のモラルは当てにしてはいけないということですね。
そうなると法律を作る必要があるのですが、表現の自由の侵害に当たってしまうので、難しい(´-ω-`)
今、ネットでの誹謗中傷の問題で、コメント投稿を難しくするとか、誹謗中傷の罰を重くするなど、誹謗中傷の取り締まりを厳しくしていますが、それも表現の自由の侵害に当たるという意見もあります。
本作『ナイトクローラー』は、そのような暴走する人間の恐ろしさが描かれており、とても面白い映画です( *´艸`)