ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

アニメ バトル/アクション『文豪ストレイドッグス 3期』「真実など、1セントにもならん。己の利益、金こそ全てだ」

引用元:TELASA

 文豪たちの異能力バトルアニメの第3期! 第2期のラスボス『華麗なるギャツビー』の異能力者フィッツジェラルドを倒し、続いて現れたのは世界最高の文学として名の上がることもある『貧しき人々』『悪霊』『白痴』『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』などで知られる、ロシアの大文豪フョードル・ドストエフスキーです(≧▽≦)

 

 熱い、名前を聞いただけでワクワクすっぞ! 3期は中原中也太宰治の過去篇に始まり、日常回を挟みながら、フョードル・ドストエフスキーが送り込む刺客との戦闘が描かれます。ドストエフスキーの底の知れなささが不気味で恐ろしく描かれていますね。

引用元:『文豪ストレイドッグス』シーズン3

 作中でも言われていますが、ドストエフスキー太宰治と同類の雰囲気をまとっているそうです。彼は異能力者のいない世界を作るために、何でも願いを叶えることのできる力を持つ「白紙の本」を探しているようですね(*´▽`*)

 

 白紙の本はヨコハマのどこかに存在するらしく、ヨコハマで活動するには二大勢力が邪魔になる訳です。そのためにドストエフスキー武装探偵社のボス福沢諭吉とポートマフィアのボス森鷗外に共食いのウイルスをかけて、どちらか一方の勢力を潰そうと画策します。

 

 武装探偵社のメンバーとポートマフィアはウイルスをかけた異能力者を探すのですが、ドストエフスキーは二手三手先を読んで翻弄します。で、色々あって、ウイルスの異能力者、ロシアの大詩人として知られるアレクサンドル・プーシキンを見つけて、二大勢力の抗争を何とか食い止めたところで終わりました( ̄▽ ̄)

 

 ドストエフスキーとの戦いも面白かったですが、やっぱり3期は日常回が良かったと思います。特に第32話「フィッツジェラルドライジング」はお気に入りです。第2期のボスであったフィッツジェラルド視点で物語が展開される話なんですね。

 

 フィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』の能力は、財産と引き換えに肉体強化できる強化系の能力で、第2期ラストで全財産と引き換えに中島敦芥川龍之介と戦って破れ行方知れずになっていたのですが、「フィッツジェラルドライジング」で早くも再登場したのです。

 

 全財産を失い貧民街でささくれているところを『若草物語』の異能力者ルイーザに発見されて、再び一からやり直す決意をする、という話でした。成り上がり方がダークヒーローって感じで、文豪ストレイドッグスの主人公はフィッツジェラルドじゃないかと錯覚するほどに魅力的なキャラでした(*´▽`*)

 

 そりゃあ、あれだけ強い部下たちが従ったはずです。そして3期の最後でフィッツジェラルドが敵対していた探偵社と組んでドストエフスキーを追い詰めるのは胸熱展開でした。

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アニメ バトル/アクション『文豪ストレイドッグス 2期』「自分を憐れむな自分を憐れめば人生は終わりなき悪夢だよ」

引用元:GYAO!-yahoo! JAPAN

 第4期が始まったので、そのおさらいとして、もう一度2期から観てみました! いや~、文ストはやっぱり良いね( ̄▽ ̄) 何がいいって、良いね(≧▽≦) とにかく良きね。と、語彙が消失してしまっていますが、文スト面白いですよね。

 

 知らない人もいると思うので、どんな話かざっくり説明すると、文豪たちが異能力で戦うバトル・アクション漫画です。言ってしまえばよくある異能力バトル物です(^▽^;) それも仕方ありませんよね。

 

 異能力バトル物はすでにアイデアが出尽くされている感が否めませんからね。ドラゴンボールに始まり、幽遊白書とかジョジョとかハンターハンター、ワンピース。異能力の分類はハンターハンター念能力のグラフで説明できます。

 

 オリジナリティーを出そうと思ったら、能力以外のところで出すしかないでしょう。で、目を付けたのが「文豪」です。文ストが嫌いな人の意見でたまに目にするのが、「過去の偉人の名前を付けただけの異能バトル物」というものがありますが、それいっちゃあどの異能力バトル物も五十歩百歩だって思います(。´・ω・)?

 

 確かに間違っちゃあいないと思いますよ。過去の偉人の名前を利用したら、中には不快に感じる人もいると思います。だけど、バニラは好きなんですよね。偉人から名前を取ることで、ちょっと親近感が湧きますよね。

 

 例えば神話の神様の名前を多用する風潮を作った人と言えば、恐らく『聖闘士星矢』の作者車田正美(くるまだ まさみ)さんだと思いますが、バトル物だと神様の名前を付けるだけで強キャラ感が出せて熱くなる効果があると思います。

 

 その発見から、こぞって創作作品に神の名前を使う文化が出来上がりました。神の名前を付けるなんて当たり前のように思えますが、これ信仰心の希薄な日本人だからできることですからね( ̄▽ ̄) 

 

 以来、神や歴史上の偉人の名前を付けて、ヴィジュアル化した作品が次々現れたのではないでしょうか。例えば代表例で『Fate』シリーズなんかは、文ストに近いと思います。

 

 Fateも歴史上の偉人たちを美男美女、かわいくかっこよくしたことでヒットしました。恐らく文ストはFateの系譜を汲んで作られているのでしょう。文豪の名前を使わないただのバトル漫画だったら、ここまでヒットすることはなかったと思います。

 

 つまりです、本作を面白くしている要因はキャラクターであると思います(もちろんストーリーも面白いですよ)。バニラは本を読むのも好きなので、それなりに名作と呼ばれる作品は読んでいますが小説でも漫画でも作品に触れていると作者の顔って気になりませんか? どんな人が書いたのか気になりますよね。

 

 ようはそれと同じで「あの文豪のビジュアルはどんななんだろう」ってキャラデザを見たくなるんです。例えば、太宰がどのようなデザインに描かれるのか? 中島敦はどのようなデザインになるのか? 芥川龍之介は? 宮沢賢治は? 夏目漱石は? 森鷗外は? 谷崎潤一郎は? フィッツジェラルドは? 

 

 異能力やキャラクターの性格なども実在の文豪から取られたところもあって、例えば『人間失格』がどのような能力として登場するのか? 『羅生門』はどんな能力なのか? などなどストーリーは二の次でキャラデザや性格を観るのが楽しいんです。

 

 今まで小説を読んだことがなかった人が、推しの小説を読んでみるきっかけになることもあると思います。知っている人も多いと思いますけど、角川と文ストがコラボした文豪の描き下ろしイラスト表紙の文庫本なども出ていて、本を手に取るきっかけにもなりますよね( ̄▽ ̄)

 

 バニラも太宰治芥川龍之介中原中也の表紙の文庫本を買いましたもの。中原中也は文ストを知るまでは、名前を知っているだけでそれほど気に留めたことない作家だったんですが、文ストきっかけで『汚れつちまつた悲しみに』の詩集を読みました。

 

 小説と違って詩の良し悪しはわからないのですが、力強い詩ばかりで、実際の中也の性格は知りませんが、文ストの中原中也の性格と被るところもありました。と、そんなわけで、文豪たちのビジュアルが素晴らしいという話でした('◇')ゞ

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アニメ バトル/ファンタジー『BLEACH 千年血戦篇』「残火の太刀 東西南北!」

引用元:テレビ東京アニメ公式

 原作マンガの発行部数は全世界累計1臆越え。競争の激しい週刊少年ジャンプで15年間連載を続け、2016年に堂々完結した『BLEACH』の最終章”千年血戦篇”です! 最終章とあって『BLEACH』世界の全ての謎が明かされます。

 

 やっと始まりましたね( ̄▽ ̄) 以前のアニメ作画もすごかったですが、わずか数年でさらに作画がすごくなっています。説明するまでもないと思いますが、本作は続きものなのでここから観てもちょっとストーリーがわからないかも知れません。

 

BLEACH 千年血戦篇』観たいけど、前作観てないし……観るにしても長いし時間がないしという人はYouTubeの解説などを観てください。30分ほどでバニラなんかより巧くまとめてくれています。それさへ見れば、まだ遅くない!

 

 詳しくはご自身で調べてもらうことにして、どんな話か簡単に説明すると、主人公黒崎一護(くろさき いちご)という高校生が、ある日(ホロウ)という人の魂を喰らう悪霊から朽木ルキア(くちき るきあ)という死神を助けたことで死神代行となり、死神たちの様々な事件に巻き込まれて行くという話です。

 

 長い作品なので、一言での説明は難しいのですがソール・ソサエティ篇、破面篇、死神代行消失篇を通して、藍染惣右介(あいぜん そうすけ)という敵に立ち向かう話になっていました。

 

 この藍染さんはBLEACHの名言量産機と評されるほど名言を量産する敵キャラなんですよね( ̄▽ ̄) そして、一護は死神の力を失うことと引き換えに量産機を倒して終わり、となると思っていたんですが、その後も間を挟みながら、最終章千年血戦篇ではクインシーの始祖という存在が現れて、ラスボスとして君臨することになったんですね( ̄▽ ̄)

 

 最初は蛇足だとバニラも思っていたんですが、この千年血戦篇を通して一護の出生の秘密や、明かされなかった謎、今まで深堀されなかった登場人物たちが脚光を浴びるので、蛇足なのではありませんでした(*´▽`*)

 

 アニメも終始シリアスで怒涛の展開が続き以前あったようなコメディー色がほとんどなくなりました。多くの強キャラが次々に倒され、作中最強クラスの山本元柳斎重國(やまもと げんりゅうさい しげくに)という長い名前のおじいちゃんがやっと卍解を発動させたと思ったら、すぐにやられてしまったときの圧倒的な絶望感はたまりませんね(≧▽≦)

 

 そして、盛り上がりが冷めやらぬまま主人公の覚醒と、親友の裏切り、これぞ最終章って展開が熱いんですよ(≧▽≦) BLEACHの何が凄いって、圧倒的なファッションと造語のセンスだと思うんです。

 

 前回の『惑星のさみだれ』でも言っていますが、厨二的台詞やファッションは世界観と画力が伴ってはじめて表現できるのだと思います。BLEACHの漫画は連載初期から画力が高く、ファッションのセンスと厨二的セリフ回しが群を抜いて上手かったからジャンプで生き残ることができたのだと思います。

 

 キャラクターたちがみんなおしゃれでかっこよくてかわいく、必殺技などの造語のセンスにシビれる、あこがれるぅ! ジョジョが美術的芸術だとしたら、BLEACHはカジュアルなグラフィティアート的な芸術だと思うのです('◇')ゞ

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アニメ ファンタジー/日常『惑星のさみだれ』「掌握空域。天の庭(バビロン)!」

引用元:BS11

 以前『少ない巻数で完結するオススメ漫画』と調べたときに、あるサイトで本作を挙げていたので「読みたい」と思っていた矢先のアニメ化報告に運命のようなものを感じたんですよ。

 

 作者の水上悟志(みずかみ さとし)さんもアニメ化を常々望んでいたらしく、作品完結後12年の月日を経て待望のアニメ化です。ですが喜びも束の間、アニメ化に喜んでいたファンからは、出来上がったアニメを観て作画崩壊や動きの乏しさに結構厳しい声が上がっていたらしいですね(^▽^;)

 

 確かに、予算の都合上なのか近年の美麗で動きのある作画と比べてしまうと、落差が大きいのは否めないと思います(;^ω^) 背景のパースがおかしかったり、キャラクターのデッサンが狂っていたり、描き損じがあったりですね……。

 

 YouTubeにアップされている『作画崩壊アニメランキング』にもランクインしていました。でも、逆に貴重ですよね( ̄▽ ̄) 作画が酷いんじゃなくて、近年のアニメのレベルが高くなりすぎているんですよ、たぶん。

 

 セル画時代のアニメなんて、担当の描き手が変わったら作画崩壊なんてざらに起きていたらしいですからね。でも、近年は少ない予算でも高レベルの作画を要求されるのは酷な話だと思うんですよ……(-_-;)

 

 予算の厳しいアニメ会社は生き残ることができず淘汰され、新しい会社ができないジレンマに陥っているように思います。どうあろうと、バニラはよく頑張ったと評価してあげたい(T_T) 

 

 ストーリーは主人公の朝比奈さみだれ(あさひな さみだれ)という病弱だった少女が、アニマという未来人と契約したことで惑星をも砕くことのできるパワーを手に入れ、12人の獣の騎士たちと共に、ビスケット・ハンマーで地球を破壊しようとするアニムスとの戦いに巻き込まれて行く、というものです。

 

 前半は12人の獣の騎士たちを集める『里見八犬伝』のような構成で進行し、後半からはアニムスが送り込む泥人形とアニムスとの最終決戦に向けて展開されます。地球の存亡をかけた規模の物語が展開されるのですが、登場人物たちの作画と危機感の乏しさにどうしても最後まで違和感があった印象です(^▽^;)

 

 登場人物たちの台詞の厨二感に観ていると赤面してしまうかもしれません。厨二的な台詞って使うの難しいですよね( ̄▽ ̄) 世界観の雰囲気とキャラクターのヴィジュアルが合っていないと滑ってしまうのだとつくづく感じました。

 

 まるでご当地ヒーローのような、中学校の文化祭で披露される演劇のような感じとでもいいましょうか……。と、批評のようになってしまっていますが、面白くないわけではなく、これはこれで味があっていいというか、ツッコミながら観るのが面白いというか、逆に『惑星さみだれ』感が引き立っていて唯一無二の作品になっているんですよ(≧▽≦) 

 

 この日常だけど非日常な日常というか、伝われ~( ;´Д`) 今までにない不思議な雰囲気なんです。最後はハッピーエンドで綺麗にまとまっているので、「観た~」と満足感のある作品でした――。

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アニメ ファンタジー『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』「常しえ瞬く光を追って――三浦健太郎先生へ感謝を込めて」

引用元:スターチャンネル

剣風伝奇ベルセルク』と『ベルセルク 黄金時代篇 三部作』とすでに度々映像化、リメイクされていますが、本作は劇場版ベルセルク三部作をアニメ版にリメイクした作品になります。バニラは以前『剣風伝奇ベルセルク』のアニメを観たので、そちらとの差異などを比べながら本作を観ていました。

 

 剣風伝奇の方と何が違うかを一番に挙げるとしたら、作画でしょうね。剣風伝奇が放送されていた1998年当時のアニメ業界の人々が目指していた作画の到達点が本作なんだと思いました。美麗で滑らかな動き、手描きでは表現できなかった映像を現代技術を駆使することによって描いています。

 

 特に戦争描写は1998年のセル画時代だと描き込みが大変で、キャラクターのアップを多用していましたが、本作は俯瞰で戦場を真上から見渡す場面も多く、一人一人人物が動いていて、それだけで圧巻でした(≧▽≦)

 

 ですが、映像が綺麗になった反面、魂を表現したような作画の荒削り感と言いますか癖がなくなって、画面が整理されて見やすくなっています。これは良し悪しでしょうね(^▽^;) 荒削り感がなくなったことで、1998年代にあった迫力がなくなってしまった感は否めません。

 

 けれど改悪なのではなく、向こうは向こう、こっちはこっちの良さがあります。人間は先に観た方に美化バイアスがかかりますから、どちらを先に観るかで好みは分かれると思います。

 

 1998年のアニメは全25話ありましたが、本作は全13話にまとめられていて、スッキリしている印象でしたね。そのため削られたシーンも多く『剣風伝奇ベルセルク』を先に観ていたバニラとしては、テンポが速いことで鷹の団との関係性の深堀が乏しくちょっと物足りない印象も強いです。

 

 築き上げてきた関係性があってからのあの、すべてをぶち壊す蝕ですからね(^▽^;) あの衝撃はやはり『剣風伝奇ベルセルク』の方が強かったです。その他にも改変されたり、付けたされたりしたシーンも多々あり、後の重要人物になる髑髏の騎士と呼ばれるキャラクターが早い段階から登場し、蝕のときガッツを救い出すシーンまで描かれていました。

 

 1998年版の方ではどうやってガッツが蝕を生き延びることができたのかが描かれないまま終わっていたんですよね。それが謎を呼んで伏線としての面白さを感じさせられましたが、スッキリはしなかったので本作を始めて観る人にとってはスッキリして良かったのではないでしょうか。この辺りは好みが分れるでしょうけど(*´ω`)

 

 あと、OPの歌も平沢進さんの楽曲を使用していたのも好印象でした。ベルセルクのあの世界観と、平沢進さんの終末的・魔王的、壮大で重厚感のある楽曲の相性が抜群過ぎますね( ̄▽ ̄) 本当に平沢進さんの歌はすごいと思います。

 

 と旧新の比較をしてきて常々思いますが、産業革命以降、技術の進歩ってとんでもなく速いですよね。産業革命以前の中世とかは、様々な高度な技術があったにしろキリスト教の影響もあり進歩がゆっくりでしたが、産業革命で機関車が発明され、電気が実用化し、電話で遠くの人とでも会話できるようになり、飛行機が空を飛び、インターネットで今こうして世界中と繋がれるんですからね(´▽`*)

 

 いったい誰が想像できたでしょう。バニラは現代に生きていても、電話がどうしてつながるのか、テレビの画面にどうして映像が映るのか、飛行機が空を飛ぶのか、インターネットで世界中と繋がれるのか知らないまま文明の利器を享受させてもらっています。

 

 アニメも昔の白黒の時代の映像を経て、セル画を経て、現代に繋がっています。当時の絵と比べてみてください、進歩がヤバすぎます。いったいアニメはどこまですごくなるのでしょう(^▽^;) 

 

 凡人のバニラからすればすでにアニメの映像技術は頂点に達しているとしか思えませんが、まだまだすごい技術が登場して今のアニメが古臭く感じる時代が来るのでしょうね。悲しいような……嬉しいような……気持ちになりました( ̄▽ ̄) 

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アニメ 日常/コメディー『ぼっち・ざ・ろっく!』「陰キャならロックをやれ!」

引用元:ABEMA

 まさかここまで話題になるとは思っていませんでした(。-`ω-) ですが、バニラは人気が出ると見抜いていましたよ! というのは真っ赤な大嘘で、それどころか今期観るアニメにすら入っていなかったのです。

 

 以前の『リコリス・リコイル』の時もそうでしたが、どうやらバニラには見る目がないようです(;^ω^) てなわけで話題になっていたので慌てて観ましたよ(にわかでごめんなさい(>_<))。とんでもないダークホースでしたね。

 

 本作『ぼっち・ざ・ろっく!』は「まんがタイムきららMAX」で連載している4コマ漫画らしく、言い方が悪いですが原作勢でない限り、それほど注目していなかったでしょう。

 

 だって今期も『チェンソーマン』『BLEACH 千年血戦篇』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『SPY×FAMILY』『ブルーロック』『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』などなど原作コミックの発行部数が多い注目作が沢山あったのに、それらを抑えて『ぼっち・ざ・ろっく!』が覇権争いにくい込むなど誰が予想できたでしょう!

 

 そうです多くの人が予想できなかったのです! なら、にわかなバニラを誰が責められましょう(≧◇≦) と、言い訳はこのくらいにして、確かに完成度の高い作品で、音楽といい、ストーリーといい、一クールという短い期間に起承転結が綺麗にまとめられていて、この手の原作ありきの続き物にしてはスッキリしていてよかったです。

 

 タイトルを見ればわかりますが、本作はガールズ・バンドをテーマにした作品で、ガールズ・バンドアニメの先駆けと言えば恐らく『けいおん!』でしょうけれど、『けいおん!』が部活動を軸に主な舞台が学校あるのに対し、『ぼっち・ざ・ろっく!』はライブハウスを舞台に物語が展開されています。

 

 バニラは『けいおん!』を観たことがないので対比はできませんが、普通、音楽やろうって人は陽キャ(明るいキャラ)ですよね(゚Д゚) キラキラ輝いてますよね。リア充ってやつですよね(おまえは陽キャに恨みでもあるんか( `ー´)ノ)。

 

 ですが、主人公の後藤ひとりちゃんは根っからの陰キャ(暗いキャラ)であり、何をやってもネガティブ思考、人付き合いが苦手なコミュ症です。では、そんな彼女がどうして、音楽(ロック)などという陽キャ属性の趣味を始めてしまったのか(。´・ω・)?

 

 そりゃもちろん音楽が好きだったから! ではなく「ギターが上手くなってみんなからちやほやされたいから」です。潔くていいですね~( ̄▽ ̄) 自己顕示欲求を誰が不純だと非難できましょう! 全然不純じゃありません。

 

 アーティストはみんな有名になり、お金持ちになり、みんなからちやほやされ自己顕示欲を満たすために活動しているようなものです(※バニラの偏見)。アーティストだけではありません。みんなそうです。バニラもそうです。自己顕示欲(名誉欲)があるから頑張れるのです! 潔くていいですね~( ̄▽ ̄)

 

 ぼっちちゃんは中学生一年のときに、学生時代は目立たなかったといういうアーティストの話をテレビで知り、ロックをやれば友達ができるかも知れない! 思い立ったが吉日、父からギターを借りて猛練習に明け暮れました。

 

 時は流れ、いつしか大手動画投稿サイトで登録者数8万人以上を抱えるギターヒーローとしてプロレベルの演奏をすることで話題になるほどに上手くなるのです! ギターはプロレベルで上手くなった。だが! 友達ができない! なぜだ! 

 

 ぼっちちゃんは「こんなはずじゃなかった!」と崩れ落ちます。結局、中学時代は駄目でしたが、高校デビューで今度こそギターで注目を集めて友達を作ると意気込みます。

 

 だが! 高校デビューも失敗し友達ができないまま時間だけが過ぎて行く……。「こんなはずじゃなかった!」とまたもぼっちちゃんは崩れ落ちたでしょう。このままではもう立ち上がれないかも知れません!

 

 そんなとき、ぼっちちゃんはギターを持っていたことで伊地知虹夏(いじち にじか)という違う高校の女子から声をかけられ、代理でギター担当としてバンドに誘われるのです。コミュ症は断ることができないので流されるがまま、ぼっちちゃんはライブハウスに連れていかれ、結束バンドというバンドのメンバーになるのでした( ̄▽ ̄)

 

 この出会いがぼっちちゃんの運命を変え、最初は人前で演奏することに抵抗を感じていましたが、紆余曲折ありながらもライブハウスでのライブを成功させ、少ないながらもファンを得て、最後は青春の代名詞である文化祭で演奏し拍手喝采を浴びて物語は幕を閉じるのでした(T_T)

 

 ぼっちちゃんは常にネガティブ思考で”三歩進んで二歩下がる”ような感じですが、確実に少しずつ未来を切り開いているぼっちちゃんの姿に好感が持てるんですよね( ̄▽ ̄) ネガティブって悪いふうに囚われがちですが、種の存続には必要不可欠な因子ですからね。

 

 確かに常にネガティブだと厭世主義、悲観主義になって生き辛いですが、ネガティブ思考とは未来を見据える能力であり、その能力があったから食料を蓄えたり、災害に備えたりできるようになり人間は繁栄できたのに、ネガティブ思考を否定するということは人間を否定するのと同義だとバニラは思っています。

 

 ぼっちちゃんのような主人公を活躍させることで、陰キャの悪いイメージが少しは払拭されることを願います('◇')ゞ

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映画 ミステリー『特捜部Q ーカルテ番号64ー』「エゴだよそれは!」

引用元:Amazon

 大々的に書かれていたんですがデンマーク制作映画史上ナンバー1の興行収入を記録したのが本作『特捜部Q ーカルテ番号64ー』なんですって。勘のいい読者の皆様はサブタイトルを観て薄々勘づいていると思いますが、本作はシリーズもので『特捜部Q』シリーズの第4作目になるそうです。

 

 原作は世界累計発行部数が1000万部を突破している人気作。バニラは第4作目を観ましたが、一部完結ものなので問題なくストーリーはわかります。ですが、登場人物たちのシリーズを通して築いてきた関係性を第四作目からだと理解することができないのは大きいですかね(-_-;)

 

 過去の未解決事件を扱う特捜部Qは80年代に起こったナイトクラブのマダム失踪事件を追っていました。捜査を進めていくと、あるアパートに隠された部屋に拘束され男性器や女性器を取り除かれ拘束された状態で食卓に座らされた三人の死体が発見されます。

 

 死体を調べると80年代に失踪した人々であることがわかり、特捜部Qの名コンビカールアサドは80年代に起こった少女失踪事件との関連に気付き、捜査を開始することに。調査を更に進めていくと、ある産婦人科病院と新進政党との関連が見えてくるのです(。-`ω-)

 

 ここからはかなり核心に迫ってしまうネタバレになりますが、本作を語る上では取り上げざるを得ないのでネタバレNGの方はブラウザバックお願いします。ではでは、すべての悲劇は、ある女性が強制的に不妊手術を施されてしまったことからはじまります(´-ω-`)

 

 ナチスは優生思想のもとユダヤ人を始め、障がいのある人、遺伝子に問題のある人に強制的に不妊手術を施していました。日本でも戦後、旧優生保護法により強制的に不妊手術をされた人が沢山いますからね(´・ω・`)

 

 この問題はセンシティブな問題なので、議論を避けられがちですがネットなどの匿名のつぶやきなどを見てもわかる通り、現代でも優生思想は深く根付いているでしょう……。

 

 でも、優生思想を突き進んだ先にあるのは破滅だとバニラは思います(´-ω-`) ダーウィンは「生き残る種は、もっとも強い者ではない。もっとも知的なものでもない。それは、変化にもっともよく適応したものである」といっています。

 

 優性思想のもと多様性を否定してしまえば、変化できなくなって必ず破滅すると思うのです。18世紀イギリスの経済学者のトマス・ロバート・マルサスは『人口論』という著書の中で”道徳的抑制”という概念を提唱しています。

 

 道徳的抑制とは自身の道徳心によって子供を作るか作らないかを判断させようとするものです。出生は自分の道徳心によって決めるもので、ガヤがとやかくいうのは『エゴだよそれは!(≧◇≦)』なんですよ。

 

 そんな優性思想による不妊手術を施された女性は、不妊手術を施した医者と看護師、そして自分を裏切った人を殺してしまったというわけです……(~_~;) 性器を切除した狂気的な行為は強制不妊手術によって子供を産むことができなくなった恨みによるものだったのでしょう……。

 

 ミステリーとしては捻りの弱い作品という印象でしたが、社会ドラマ性はとっても高い作品で一見の価値は十分にあります('◇')ゞ

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