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映画 ミステリー『特捜部Q ーカルテ番号64ー』「エゴだよそれは!」

引用元:Amazon

 大々的に書かれていたんですがデンマーク制作映画史上ナンバー1の興行収入を記録したのが本作『特捜部Q ーカルテ番号64ー』なんですって。勘のいい読者の皆様はサブタイトルを観て薄々勘づいていると思いますが、本作はシリーズもので『特捜部Q』シリーズの第4作目になるそうです。

 

 原作は世界累計発行部数が1000万部を突破している人気作。バニラは第4作目を観ましたが、一部完結ものなので問題なくストーリーはわかります。ですが、登場人物たちのシリーズを通して築いてきた関係性を第四作目からだと理解することができないのは大きいですかね(-_-;)

 

 過去の未解決事件を扱う特捜部Qは80年代に起こったナイトクラブのマダム失踪事件を追っていました。捜査を進めていくと、あるアパートに隠された部屋に拘束され男性器や女性器を取り除かれ拘束された状態で食卓に座らされた三人の死体が発見されます。

 

 死体を調べると80年代に失踪した人々であることがわかり、特捜部Qの名コンビカールアサドは80年代に起こった少女失踪事件との関連に気付き、捜査を開始することに。調査を更に進めていくと、ある産婦人科病院と新進政党との関連が見えてくるのです(。-`ω-)

 

 ここからはかなり核心に迫ってしまうネタバレになりますが、本作を語る上では取り上げざるを得ないのでネタバレNGの方はブラウザバックお願いします。ではでは、すべての悲劇は、ある女性が強制的に不妊手術を施されてしまったことからはじまります(´-ω-`)

 

 ナチスは優生思想のもとユダヤ人を始め、障がいのある人、遺伝子に問題のある人に強制的に不妊手術を施していました。日本でも戦後、旧優生保護法により強制的に不妊手術をされた人が沢山いますからね(´・ω・`)

 

 この問題はセンシティブな問題なので、議論を避けられがちですがネットなどの匿名のつぶやきなどを見てもわかる通り、現代でも優生思想は深く根付いているでしょう……。

 

 でも、優生思想を突き進んだ先にあるのは破滅だとバニラは思います(´-ω-`) ダーウィンは「生き残る種は、もっとも強い者ではない。もっとも知的なものでもない。それは、変化にもっともよく適応したものである」といっています。

 

 優性思想のもと多様性を否定してしまえば、変化できなくなって必ず破滅すると思うのです。18世紀イギリスの経済学者のトマス・ロバート・マルサスは『人口論』という著書の中で”道徳的抑制”という概念を提唱しています。

 

 道徳的抑制とは自身の道徳心によって子供を作るか作らないかを判断させようとするものです。出生は自分の道徳心によって決めるもので、ガヤがとやかくいうのは『エゴだよそれは!(≧◇≦)』なんですよ。

 

 そんな優性思想による不妊手術を施された女性は、不妊手術を施した医者と看護師、そして自分を裏切った人を殺してしまったというわけです……(~_~;) 性器を切除した狂気的な行為は強制不妊手術によって子供を産むことができなくなった恨みによるものだったのでしょう……。

 

 ミステリーとしては捻りの弱い作品という印象でしたが、社会ドラマ性はとっても高い作品で一見の価値は十分にあります('◇')ゞ

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