ストーリー
建設会社の社長令嬢のスジンは、天真爛漫なお嬢様。建築家志望のチョルスとコンビニで運命的な出会いをし、二人はすぐに恋におちてしまった。温かい家族に囲まれて育ったスジンと違い、チョルスは孤独に生きてきた男だったが、スジンの献身的な愛に結婚することを決意。二人は晴れて新婚生活を迎える。建築士の試験にも受かり、幸せいっぱいの二人だった。しかし、スジンはある時から、物忘れがひどくなり、自分の家への道順すら忘れてしまうようになった。病院で、スジンは若年性アルツハイマー症だと診断される。
引用元:https://filmarks.com/movies/10859
「ラブストーリー」「四月の雪」の人気女優ソン・イェジンと「MUSA/武士」のチョン・ウソン共演で描く純愛ストーリー。建設会社の社長の娘スジンは、建築家志望のチョルスと出会って恋に落ちて結婚、幸せな新婚生活を迎える。だが、しばらくするとスジンは物忘れがひどくなり、自分の家への道順も忘れてしまうようになる。病院で診察を受けたスジンは、若年性アルツハイマー症だと診断される。監督はこれがデビューとなるイ・ジェファン。
2004年製作/117分/韓国
原題:A Moment to Remember
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2005年10月22日
引用元:https://eiga.com/movie/1473/
登場人物・キャスト
- チェ・チョルス - チョン・ウソン
- キム・スジン - ソン・イェジン
- ソ・ヨンミン室長 - ペク・チョンハク: スジンの元不倫相手
- アンナ・チョン - イ・ソンジン: ヨンミン妻の同級生
- キム社長 - パク・サンギュ: スジン父
- スジン母 - キム・ヒリョン
- チョンウン - ソン・ジヒョン: スジン妹
- オ・マダム - キム・ブソン: チョルス母
- ファン会長 - イ・ハン: チョルスに家の設計を依頼
- 寺大工 - チャン・イナン: チョルスの師匠
- イ医学博士 - クォン・ビョンギル
- 看護婦 - チョン・ウネ
- ユナ - ヒョン・ヨン: スジン友人
- ミョンジュ - パク・ユニョン: スジン友人
- ジヒョン - パク・ミスク: スジン友人
- チョルスを慕う建築作業員 - チン・ヨンオク
- チョルスを慕う建築作業員 - ソ・ジノン
- チョルスを慕う建築作業員 - シン・ヒョンタク
- 終身ケア施設の看護婦 - イ・ジョンイン
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/私の頭の中の消しゴム
感想
韓国映画のおすすめを調べたら、高確率でその名前を目にする『私の頭の中の消しゴム』。
それほどオススメするなら、観るっきゃないでしょ( ・`д・´)
と意気込んで、視聴しました。
まず、観終わった印象を言うと、王道ラブストーリーだと思いました。
例えるなら、韓流ブームを巻き起こした『冬のソナタ』や『天国の階段』などの、悲しいラブストーリーです。
この前から続けて感想を書いた『悪魔を見た』や『チェイサー』に比べたら、万人受けのする誰にでもおすすめできる作品ですね。
ですが、言ってしまえばよくあるテンプレートに沿った作品で、感動する人としらけてしまう人に分かれそうです(^▽^;)
バニラは楽しく観ましたが、涙を流すまではいきませんでした。
これがドラマで、ゆっくりとチェ・チョルスとキム・スジンの関係が描かれたら、視聴者も感情移入しているだろうから感動するのでしょうけど……2時間程度の映画で視聴者の心を登場人物に投影させるのは難しいですね。
と、批評のようなことを書いていますが、それはただバニラがひねくれているだけなので、多くの人は涙なしでは観られないストーリーですよ。
家族関係で心に傷を負うチェ・チョルスと、妻のいる上司と不倫して駆け落ちしようとするも裏切られた建築会社の社長令嬢のキム・スジン。
そんな、2人はコンビニで印象の良くない出会いを経て、次第に惹かれ合うことになるのです。
そして、2人は結婚しますが、キム・スジンは病魔に蝕まれていることが判明します。
スジンは物忘れが酷くなり……病院で診察を受けると、若年性アルツハイマーであることがわかるんですね。
アルツハイマーによって、愛していたチョルスや家族を忘れてしまう場面は辛いんですよ(´-ω-`)
アルツハイマーとは肉体的な死よりも、精神的な死が先に訪れるのです。
このような話に繋がるのは「人間は二度死ぬ」という話があります。
一度目の死は肉体が滅んだとき、二度目の死は人々の記憶から忘れ去られたときだと。
アルツハイマーは順序が逆ですし、内容が少し違いますが、バニラがこの話で言いたいことは、記憶がなくなればその人は死んでしまうということです。
例えば『スワンプマン』という思考実験があります。
ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然雷に打たれて死んでしまう。その時、もうひとつ別の雷が、すぐそばの沼へと落ちた。なんという偶然か、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こし、死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。
この落雷によって生まれた新しい存在のことを、スワンプマン(沼男)と言う。スワンプマンは原子レベルで、死ぬ直前の男と全く同一の構造を呈しており、見かけも全く同一である。もちろん脳の状態(落雷によって死んだ男の生前の脳の状態)も完全なるコピーであることから、記憶も知識も全く同一であるように見える[3]。沼を後にしたスワンプマンは、死ぬ直前の男の姿でスタスタと街に帰っていく。そして死んだ男がかつて住んでいた部屋のドアを開け、死んだ男の家族に電話をし、死んだ男が読んでいた本の続きを読みふけりながら、眠りにつく。そして翌朝、死んだ男が通っていた職場へと出勤していく。
この思考実験では、記憶も知識も全く同一であるとされていますが、果たしてスワンプマンは落雷で打たれて死んだ人と同じ人だと言えるでしょうか?
人によって考え方は違いますが、バニラは説明することはできませんが、感情論では別人だと思うんですね。
それと同じで、記憶を失ってしまったら、その人がその人ではなくなってしまう。
アルツハイマーとは、その人がその人でなくなってしまう、愛した人が愛した人ではなくなってしまう瞬間を見てしまうことになるのです。
つまり、記憶とは魂だと言えるんですね。
ですが、アルツハイマーだとわかったスジンに、チョルスは言います。
「魂は消えない。俺が君の記憶で、君の心になるから」と――。
チョルスはスジンを二度殺さないために、スジンの記憶と共に生きること引き受けるのです……。
あれ……書いていて感極まったのか……今になって目頭が熱くなってきました……( ;∀;)
そうか、自分で書いていて、気づきましたが、スジンは死んでいなかったのです!
「人間は二度死ぬ、一度目は肉体が滅んだとき、二度目は人々の記憶から忘れ去れたときだ」
スジンはチョルスの心の中で、生き続けていたんですね(T△T)