ストーリー
2002 年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生最後の 1 年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17 歳の少女の揺れ動く心情を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!
引用元:https://filmarks.com/movies/64154
「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが、自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。「フランシス・ハ」や「ハンナだけど、生きていく!」などでは脚本も手がけ、「Nights and Weekends」(日本未公開)では共同監督を務めた経験もあるガーウィグが、初の単独監督作としてメガホンをとった。カリフォルニア州のサクラメント。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンが、高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描いた。主人公クリスティンを「ブルックリン」「つぐない」でアカデミー賞候補にもなった若手実力派のシアーシャ・ローナン、母親マリオン役をテレビや舞台で活躍するベテラン女優のローリー・メトカーフが演じた。第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネート。ガーウィグも女性として史上5人目の監督賞候補になった。
引用元:https://eiga.com/movie/88121/
登場人物・キャスト
※括弧内は日本語吹替
- クリスティン・"レディ・バード"・マクファーソン - シアーシャ・ローナン(嶋村侑)
- マリオン・マクファーソン(クリスティンの母) - ローリー・メトカーフ(高乃麗)
- ラリー・マクファーソン(クリスティンの父) - トレイシー・レッツ(高桑満)
- ダニー・オニール - ルーカス・ヘッジズ(花倉洸幸)
- カイル・シャイブル - ティモシー・シャラメ(菅原雅芳)
- ジュリアン・"ジュリー"・ステファンズ - ビーニー・フェルドスタイン(里郁美)
- リバイアッチ神父 - スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン
- シスター・サラ・ジョアン - ロイス・スミス
- ジェナ・ウォルトン - オデイア・ラッシュ
- ミゲル・マクファーソン(クリスティンの兄) - ジョーダン・ロドリゲス
- シェリー・ユハン - マリエル・スコット
- グレッグ・アンルー - ジョン・カルナ
- Mr.ブルーノ - ジェイク・マクドーマン
- キャシー・ケリー - ベイン・ギビー
- ダイアナ・グリーンウェイ - ローラ・マラノ
- ミス・パティ - マリエッタ・デプリマ
- ヨナ・ルイス - ダニエル・ゾヴァット
- ミズ・ステファンズ - クリステン・クローク: ジュリーの母親。
- マシュー - アンディ・バックリー
- ダーリン・ベル - キャスリン・ニュートン
- シスター・ジーナ - マイラ・ターリー
- ウォルター神父 - ボブ・スティーブンソン
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/レディ・バード_(映画)
感想
自分の名前と地元にコンプレックスを持つクリスティン・マクファーソンこと『レディー・バード』はニューヨークの大学に進学を希望して、母親と揉めていました。その背景には、カリフォルニア大学バークレー校を卒業しながら就職できなかった義兄のミゲルとうつ病にかかり仕事が不安定な父を、精神科看護師として勤める母が支える経済状況にありました。
レディー・バードからすればニューヨークの大学を出て、少しでもいいところに就職し家族を支えたいという考えがあるのだと思いますが、母からしたらサクラメント私立大学か州内の大学に入って欲しいと考えているのです。
母と折り合いが悪いまま、学校生活を続けていると、レディー・バードが通うカトリック系の高校のシスターの勧めで参加したミュージカルのオーディションに参加していたダニーと惹かれ合い、二人は恋人になります。
この作品の突出しているところは、とにかくアメリカの高校生のリアルな息づかいが感じられるところだと思います(アメリカの高校がどんなんか知らんけど( ̄▽ ̄))。よく映画や創作作品などで描かれるアメリカの学園生活は、日本よりもフランクで、スクールカースト制度がハッキリしている印象を感じませんか?
アメリカの高校のすべてがこの映画で描かれるような感じではないと思いますが、バニラの中ではザ・アメリカって感じの学園生活が描かれていたんですよ。主人公のレディー・バードは嘘もつくし、口も悪いし、人間の嫌な部分も隠さずに描かれたリアルな女子高生です。
まるで桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』や『荒野』を読んだときに感じた思春期の痛々しさが描かれています。細かいリアリティが、「ああ、こんな人いるわ」というふうにレディー・バードという女子高生を現実のものと思わせるのです。
グレタ・ガーウィグ監督は『大人は判ってくれない』や『6才のボクが、大人になるまで』の女性版としてこの映画を撮ったらしく、まるでドキュメンタリーのような雰囲気がありました。
そんなレディー・バードが家を出て、ニューヨークの大学に通うようになり、あれほど嫌っていた故郷のサクラメントの良さや、コンプレックスだった名前を受け入れ、反発していた母にお礼を言うところで終わるという、まるで一日が終わるような幕引きは、観る者の潜在意識に訴える何かが確かにあるのです('◇')ゞ