ストーリー
19世紀末、ウェールズの炭鉱町。モーガン家の男たちは炭鉱で働いていて、貧しいながらも平和に暮らしていた。だが炭鉱経営者が賃金カットを断行したことから波乱が生じていく。息子たちは家を出て、家族は末っ子・ヒューを残してバラバラになってしまう。
引用元:https://filmarks.com/movies/5212
「静かなる男」「怒りの葡萄」などの名匠ジョン・フォードが、19世紀末ウェールズの炭鉱町で暮らす家族の絆を1人の少年の目線から郷愁たっぷりに描き、1942年・第14回アカデミー賞で作品賞、監督賞など5部門に輝いたヒューマンドラマ。イギリス、ウェールズ地方の炭鉱町で暮らすモーガン家の男たちは、まだ10歳の末子ヒューを除く全員が炭鉱で働いている。貧しくも平和な日々を過ごす彼らだったが、炭鉱の経営者が賃金カットを断行したことから、組合結成を巡って父と息子たちが対立し、一家はバラバラになってしまう。末子ヒューを演じるのは、後に「猿の惑星」シリーズなどに出演するロディ・マクドウォール。
1941年製作/119分/アメリカ
原題:How Green Was My Valley
配給:セントラル
劇場公開日:1950年12月29日
引用元:https://eiga.com/movie/51120/
登場人物・キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
テレビ版 | PDDVD版 | ||
モーガン家の人々 | |||
ヒュー(末っ子) | ロディ・マクドウォール | 佐山泰三 | 榛田安芸 |
ギルム(父) | ドナルド・クリスプ | 巌金四郎 | 小高三良 |
ベス(母) | サラ・オールグッド | 鈴木光枝 | さとうあい |
アンハード(姉) | モーリン・オハラ | 来宮良子 | 小林美穂 |
イヴォール(長兄) | パトリック・ノウルズ | Aya | |
ブローウィン(兄嫁) | アンナ・リー | 山崎左度子 | 岸辺あや |
イアント(次兄) | ジョン・ローダー | 仲村秀生 | 遠藤真一 |
デビー(三兄) | リチャード・フレイザー | 幸治 | |
オーウェン(四兄) | ジェームズ・モンクス | 高橋秋人 | |
ギルム Jr.(五兄) | エヴァン・S・エヴァンス | 安芸此葉 | |
現在のヒュー(ナレーション) | アーヴィング・パイケル | 竹房敦司 | |
ロンダ谷・隣り谷の人々 | |||
グリュフィード牧師 | ウォルター・ピジョン | 中村正 | 大塚智則 |
サイフォース(ダイの相棒) | バリー・フィッツジェラルド | ||
ダイ・バンドー(ボクサー) | リス・ウィリアムズ | 市川輝夫 | |
リチャーズ医師 | フレデリック・ワーロック | ||
ジョナス教諭 | モートン・ローリー |
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/わが谷は緑なりき
感想
19世末、イギリス・ウェールズの炭鉱町にモーガン一家が暮らしていた。
父・ギルム、母・ベス、姉・アンハード、長男・イヴォール、兄嫁、ブローウィン、次男・イアント、三男・デビー、四男・オーウェン、五男・ギルム Jr.、末っ子・ヒュー
モーガン家の男たちは、ウェールズの炭鉱で働き、貧しいながらも助け合いながら、笑顔の絶えない暮らしを送っていた。
しかし、ある日、炭鉱経営者が労働者の賃金を大幅にカットしてしまう事件が起こる。
炭鉱作業はとても重労働で、賃金が安いという話を聞きますが、安い賃金をさらにカットされたら、そりゃあやってられませんよね(^▽^;)
その、労働環境が本当にリアルで、昔の映画というバイアスがかかっているからなのか? 作られた生活ではなく、リアルな生活感がひしひしと感じられるのですよ。
アニメで例えると、昔のセル画時代のアニメは荒削りな、泥臭い雰囲気がありましたが、近年のアニメは美麗で洗練されているでしょう。
そのため、今のアニメからは生活感というものが感じられない気がするのです。
それと似たような感じで、『わが谷は緑なりき』からは、生活感がとてもリアルに感じられるんですね。
そして、炭鉱経営者の横暴さに抗議するために、炭鉱労働者たちは組合を作り、ストライキを決行するがモーガン家の家長であるギルムは、どちらにもつかず、成り行きを見守ることを決める。
そのせいで、ストライキに参加しないギルムを、町の人々は批難するのだった……。
町人たちの態度に腹を立てた妻のベスは、集会所で町人たちを怒鳴り上げ、町人たちは頭を冷やすが、その帰り道ベスと付き添った末っ子のヒューは足を滑らせ凍った池に落ちてしまう……。
そして、ベスとヒューはしばらくの間、寝たきりの状態となってしまい……。
いうのが遅くなりましたが、本作の主人公は末っ子のヒューなのです。
子供目線で、炭鉱町での出来事や、家族関係のことなどが、大人になったヒューの回想形式で語られるんですね。
この形式は恐らくスティーヴンソンの『宝島』からとっていると思われます。
『宝島』では、主人公のジム・ホーキンズが過去を回想する回想形式でストーリーが展開するんですが、本作『わが谷は緑なりき』で、寝たきりになったヒューに、グリュフィード牧師が『宝島』を渡すんですよ。
本は他にも沢山あるのに、あえて『宝島』を渡すということは、そういうことですよね( ̄▽ ̄)
そして、ヒューは回復して、学校に通うことになりますが、そこでいじめに遭いながらも、ボクサーのおっちゃんから教えてもらったボクシングで、いじめっこたちを見返したり、姉と牧師の叶わぬ恋模様が描かれたりします。
この姉と牧師の恋愛模様が最高なんですね( *´艸`)
姉は牧師に好意を持っているのですが、牧師は神に仕える身であり、結ばれることはないのです。
それで姉は、富豪の男と半強制的に結婚するんですが、嫁いだ先では女中たちにいじめられたりして、辛い毎日を送っているのでした。
そんなある日、訪ねて来たヒューが牧師の話をしたことがきっかけで、牧師と姉が不倫関係にあるという話が町中に広まり、さあ大変(; ・`д・´)
近年のエンターテインメント映画のような盛り上がりのない、淡々とした展開で進むのですが、それがまたいいんです。
例えるなら『世界名作劇場』のような印象で、尺に余裕がある感じが観ていて疲れないんですね( *´艸`)
近年の作品は、起承転結の中でいくつもの盛り上がりを作らなければならないので、観ていて面白いですが、疲れてしまうんですよね(^▽^;)
でも、昔の映画は前置きが長いとか、テンポが遅いとか言われますが、そのゆったりさが良さだと思います。
ゆったりとストーリーを見せながら、最後に一つだけ盛り上がりを作り、パタン『END』
この、昔の映画ならではの余韻に最近ハマっています( *´艸`)