ストーリー
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。
引用元:https://filmarks.com/movies/79879
電話から聞こえる声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルな設定と予測不可能なストーリー展開で高い評価を獲得した同名デンマーク映画を、ジェイク・ギレンホール主演・製作でアメリカを舞台にリメイク。911緊急通報センターに勤務するコールオペレーターのジョー・ベイラーは、1本の謎の電話から、通報者の女性が何者かに拉致されたことを予測する。電話から聞こえてくる声と音だけを頼りに彼女を助けようとするジョー。しかし、次第に何もかもが自分の思っていることとは違っていることに気づき……。イーサン・ホーク、ライリー・キーオ、ポール・ダノ、ピーター・サースガードら実力派キャストが、ジョーと電話を通じて交わる人物として声の出演。監督は「トレーニング デイ」「イコライザー」のアントワン・フークア。脚本に人気テレビシリーズ「TRUE DETECTIVE」のニック・ピゾラット。Netflixで2021年10月1日から配信。それに先立つ9月24日から一部劇場で公開。
2021年製作/91分/アメリカ
原題:The Guilty
劇場公開日:2021年9月24日
引用元:https://eiga.com/movie/95726/
登場人物・キャスト
- アスガー・ホルム:ヤコブ・セーダーグレン(小原雅人)
- イーベン・オスタゴー(声): イェシカ・ディナウエ(櫻庭有紗) - 誘拐された女性。
- ミケル・ベルグ(声): ヨハン・オルセン(中野泰佑) - イーベンの元夫。イーベンを誘拐。
- ラシッド(声): オマール・シャガウィー(初村健矢) - アスガーの相棒刑事。
- マチルデ・オスタゴー(声): カティンカ・エヴァース=ヤーンセン(望田ひまり) - イーベンとミケルの6歳の娘。
- ボー(声): ヤコブ・ローマン
- その他の日本語吹き替え‐見上裕昭/反町有里/岡本幸輔/中井美琴
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_GUILTY/ギルティ
感想
舞台は緊急通報指令室隔離された空間、主な登場人物は主人公のアスガー・ホルムというオペレーターが一人だけで展開されるため、絵は地味です。
物語は、ある事件がきっかけで一線から退いた元刑事アスガーは緊急通報指令室で小さな事件の処理などをしていました。
そんなある日、アスガーの元に何者かに誘拐されたと訴える切迫した女性イーベン・オスタゴーから緊急通報が入るのです。
取り乱すイーベンから少しでも情報を聞き出そうと、アスガーはイーベンを落ち着かせようとしますが……イーベンは取り乱しているため、話がかみ合いません(;´・ω・)
そこでアスガーはYESかNOで返事をするようにいい……何とか、イーベンは子供を自宅に置いたままで、男の白いバンで連れ去られたことがわかるのです( ;´Д`)
さっそくアスガーは通報元を逆探知し、通信指令室に連絡して現場に向かわせるが……悪天候の影響で白いバンを見失ってしまう……。
一方アスガーはイーベンの家の電話番号を突き止め電話をかけてみると、イーベンの子供と思われるマチルドという幼い少女が電話に出たのでした。
マチルドは父親が母の髪を掴んでナイフを持ち出してどこかに行ってしまったこと、そして弟オリバーの部屋には入ってはいけないと言われていることをアスガーに説明します。
二人の子供のことを心配したアスガーは通信指令室に連絡して警察をイーベンの家に向かわせると……マチルドは無事保護できましたが、弟オリバーがナイフのようなもので腹部を切り裂かれて死んでいたことが判明します……(>_<)
この状況証拠からアスガーはイーベンの夫ミケルが犯人だと断定し、アスガーはミケルに「おまえが加害者だ! 罰を受けろ!」と言い放つのです……。
ですが、事件は思わぬ方向に向かってゆき……衝撃の真実が明かされるのだった。
事件は意外と単純なものですが、この作品は音声だけに極振りした演出・構成が評価されているんですよ。
この構成は以前観た『フォール』という映画にとても似ていると思います。
『フォール』は地上600メートルのテレビ塔の上だけで、塔の上に取り残された女性二人の心理描写をメインにストーリーが展開されるのです。
これは、ミステリでいうところの「クローズ・ドサークル」というジャンルに分類されると思うんですね。
「クローズド・サークル」とは絶海の孤島だったり、雪で閉ざされた山荘だったり、外部との通信手段が遮断された、限られた舞台で繰り広げられるミステリのジャンルです。
その「クローズド・サークル」と同じで、状況を制限することで、本作『THE GUILTY/ギルティ』は物語に新たな可能性を与えていると思うのです。
舞台と演出を極限までそぎ落とし、アスガー役のヤコブ・セーダーグレンの表情と心理を際立たせることに成功していると思います。
これは、朗読に似ているのではないでしょうか。
朗読を聞いていると、情景描写や心理描写など使われている言葉から色々なものを想像するでしょ。
小説などの文章、あるいは音声だけを頼りに紡がれる心情風景の物語は、映画や漫画を上回ることもあります( ̄▽ ̄)
例えば好きな小説が映像化されたりして、実際に映像を見てみると「なんか違うな~……」と思ったことがある人もいると思います。
小説で読んだときの面白さが感じられないというか。
つまり、映像があると想像する余地がないので、その時点で人間の想像力を奪ってしまうこともあるんですね。
情報の多い演出方法にも向き不向きがあるし、映像の少ない演出方法にも向き不向きがあるのです。
色々挑戦している映画だと思うので、出来不出来関係なく挑戦したこと自体を称賛してあげたいです('◇')ゞ