ストーリー
観る者の常識を覆す、衝撃の結末。
小野不由美の傑作小説、待望の初映画化
あなたは、考えたことが、ありますか?
今、自分が住んでいる場所に、
過去どんな人が住み、
どんな事件があったかを・・・。
その「音」を聞くまでは、日常でした———
小説家である「私」のもとに、女子大生の久保さんという読者から、1通の手紙が届く。
「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」
好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。
すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。
彼らは、なぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。
「私」たちは、数十年の時を経た壮大なる戦慄の真相に辿り着き、
やがて、さらなる事件に巻き込まれていく——。
引用元:https://filmarks.com/movies/62870
小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督により映画化。小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」と書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる。主人公の「私」役に竹内結子、久保さん役に橋本愛と人気女優が共演し、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一らが脇を固める。
2016年製作/107分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2016年1月30日
引用元:https://eiga.com/movie/82365/
登場人物・キャスト
- 「私」〈小松由美子〉(心霊現象に否定的な小説家) - 竹内結子
- 久保さん〈久保亜紗美〉(建築デザインを学ぶミステリー好きな女子大生) - 橋本愛
- 直人(「私」の夫で妻以上に懐疑的なミステリー小説家) - 滝藤賢一
- 平岡芳明(興味本位で調査に同行する怪談作家) - 佐々木蔵之介
- 三澤徹夫(福岡県出身で心霊マニアの会社員) - 坂口健太郎
- 田村さん(雑誌「閻」に務める「私」担当の編集者) - 山下容莉枝
- 梶川氏〈梶川亮〉(伊藤さんのアパートで自殺した青年) - 渋谷謙人
- 山本くん(梶川の死後に入居した男性) - 成田凌
- 河田氏(編集者) - 松林慎司
- 飯田章一(久保さんの隣の201号室に引っ越してきた男性) - 橋本一郎
- 飯田栄子(章一の妻) - 篠原ゆき子
- 飯田一弥(章一の息子) - 松浦理仁
- 辺見さん(岡谷マンション303号室住人) - 松岡依都美
- 辺見さんの夫〈辺見康一〉 - 須田邦裕
- 辺見さんの娘 - 大谷陽咲
- 伊藤さん(アパートの大家) - 稲川実代子
- 伊藤さんの夫 - 森山米次
- 益子さん〈益子美和〉(岡谷マンションの向かいの住人) - 川面千晶
- 益子茂(益子さんの義父) - 芦川誠
- 益子香奈恵(益子さんの義母) - 水木薫
- 益子さんの夫〈益子純二〉 - 中林大樹
- 益子さんの息子〈益子颯人〉 - 今井暖大
- 益子さんの娘 - 咲音
- 秋山さん(元町内会長) - 十貫寺梅軒
- 日下部清子(高野トシヱの元友人) - 小貫加恵(若い頃:中込佐知子)
- 日下部清子の妹 - 滝本ゆに
- 高野トシヱ(1958年に自殺した女性) - 塚田美津代
- 高野トシヱの夫 - 長野克弘
- 中村美佐緒(1952年に嬰児殺しで逮捕された女性) - 周本絵梨香
- 吉兼友三郎(精神を患い1905年より座敷牢で私宅監置された男性) - 山田純之介
- 吉兼三喜(友三郎の継母) - 藤田瞳子
- 小井戸泰志(1992年にゴミ屋敷で病死した男性) - 菅野久夫
- 真辺幹男(奥山家の土地に家を建て、1989年に自殺した男性) - 金井良信
- 真辺さん〈真辺貴之〉(幹男の親戚) - 平野貴大(少年時代〈M少年〉:高澤父母道)
- 不動産屋(岡谷マンションの管理担当) - 杉山ひこひこ
- 家電量販店・売場主任(梶川氏の元同僚) - リー中川
- アナウンサー - 大島奈穂美
- 根本家のお婆ちゃん(床下の猫に餌を投げ込んでいた痴呆気味の女性) - 長谷川とき子
- 郵便配達員 - 鈴木士
- 首を吊るイメージの女性 - 紅音
- 赤ん坊 - 山口大地、田中莉緒
- 大学教授 - 大月秀幸
- ミステリー研究会・後輩 - 小野花梨、寺川里奈、河内美澪
- 久保さんの同級生 - 清水拓海、船橋拓幹、浜口綾、西崎あや
- 屋嶋さん〈屋嶋朋美〉(岡谷マンション405号室の元住人) - 笠木泉
- 屋嶋美都(屋嶋さんの娘) - 川北れん(2歳時)、川北のん(6歳時)
- 屋嶋家・祖父 - 三田直弥
- 屋嶋家・祖母 - 加川恵子
- 炭鉱夫 - 奥山ばらば、田村一行、湯山大一郎、大石結介、鮫島満博、森本武晴、栃原智、野間清史、新虎幸明
- 炭鉱夫の家族たち - 鈴木本一郎、瑠美子、森富士夫、辻川幸代、川崎裕子、尾崎舞、松永明日香、小山叶多、加藤蒼渉、吉田まりえ
- 奥山家当主(北九州の炭鉱経営者) - 吉澤健
- 奥山氏の妻 - 宮下今日子
- 田之倉氏(写真店店主) - 不破万作
- 國谷氏(吉兼家の菩提寺の住職) - 上田耕一
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/残穢
感想
小野不由美さんが自分自身をモデルにしたと思われる小説家の私(小松由美子)のもとには、全国の読者が体験した怪奇現象の手紙が届く。
その手紙の中に「住んでいる部屋で奇妙な音がする」という一通の手紙があり、心霊現象に否定的な小松由美子は調査に乗り出すが、調査を進めていく内に、今まで読者から届いた怪奇現象の内容と今回の話に相関関係があることに気付く。
小松由美子を演じた竹内結子さんの淡々として論理的な演技と相まって、ホラー要素よりも、ミステリー・サスペンス色が強いです。
他の事件が実はある一つの事件に端を発しているという展開はミステリ小説によくある展開なんですよね。
ぱっと思い浮かんだ作品は京極夏彦さんの代表作『魍魎の匣』とカクヨム発の『近畿地方のある場所について』でしょうか。
『魍魎の匣』も様々な事件が同時に進行しますが、最後は一つの事件に集結する構成になっていますし、『近畿地方のある場所について』も複数の事件が一つに繋がっている構成らしいです。
同様に、『残穢ー住んではいけない部屋ー』も「住んでいる部屋から奇妙な音がする」という事件から、今まで全く別の事件だと思われていた事件が一つの事件に繋がっているという構成になっているんですね。
この、全く違う事件だと思われていた事件が一つに繋がる伏線回収が鳥肌ものなんですよ( *´艸`)
どんどんどんどん過去の遡っていき、最終的に福岡にある奥山家という家系にたどり着きます。
奥山家は代々炭鉱を経営していたようですが、炭鉱で火事が発生し、炭鉱の中は石炭ばかりだったので沈下できず、炭鉱で働いていた作業員を炭鉱の中に閉じ込めて見殺しにしたという奥山事件というものがあったそうです。
その作業員たちの怨念がその地を穢し(呪い)、それ以来その地に住む人々に災いが降りかかるようになったそうです。
本作の恐ろしいところは、完全なフィクションではなるモデルがあるということなんですよ(^▽^;)
世界には禁足地とされる場所があるようで、この『残穢』はいわば禁足地をテーマにした作品なのです。
詳しく書くと長くなるので、気になった人はご自身で調べてください。
欧米の物理ホラーと違って、日本のJホラーは、呪いなどの陰鬱でジメジメした印象が強いですが、本作はそのJホラー的要素をうまくミステリに仕上げていると思います。
最後は「触らぬ神に祟りなし」というかミステリのように犯人が見つかって一件落着めでたしめでたしというわけにはいかないので、評価がちょっと低いのかも知れませんが、よくできたストーリー・構成ですし、ミステリ色が強いのでホラーが苦手な人でも観れる、バニラ的にはおすすめな映画です(≧▽≦)b