ストーリー
富裕層が娯楽として「人間狩り」を行うという過激な設定が全米公開時に物議をかもしたサバイバルアクション。「ゲット・アウト」や「パージ」シリーズなど、数々のホラー、サスペンス作品をヒットさせてきたジェイソン・ブラムが製作。「コンプライアンス 服従の心理」のクレイグ・ゾベルがメガホンをとり、上流階級と庶民階級との格差対立やネット上での陰謀論といった現代的なテーマを盛り込みながら描いた。広大な森の中で目を覚ました12人の男女。そこがどこなのか、どうやってそこに来たのか、誰にもわからない。目の前には巨大な木箱があり、中には1匹のブタと多数の武器が収められている。すると突然、周囲に銃声が鳴り響く。何者かに命を狙われることがわかった彼らは、目の前の武器を手に取り、逃げ惑う。やがて彼らは、ネット上の噂に過ぎないと思われていた、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「マナーゲート」と呼ばれる“人間狩り計画”が実在することを知る。絶望的な状況の中、狩られる側の人間であるクリステルが思わぬ反撃に出たことで、事態は予想外の方向へと動き始める。そして次第にマナーゲートの全容が明らかになり……。クリステル役にTVシリーズ「GLOW ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」などで活躍するベティ・ギルピン。彼女らを狩る残酷なセレブの女にオスカー女優のヒラリー・スワンク。
2020年製作/90分/R15+/アメリカ
原題:The Hunt
配給:東宝東和
劇場公開日:2020年10月30日
引用元:https://eiga.com/movie/92843/
登場人物・キャスト
- クリスタル・クリーシー: ベティ・ギルピン(樋口あかり)
- 子供時代のクリスタル: チャーリー・スローター
- アシーナ・ストーン: ヒラリー・スワンク(本田貴子)
- スタテン・アイランド: アイク・バリンホルツ(綿貫竜之介)
- ドン: ウェイン・デュヴァル(辻親八)
- ゲイリー: イーサン・サプリー(宮本崇弘)
- ヨガ・パンツ: エマ・ロバーツ(春名風花)
- ターゲット: クリス・ベリー
- ヴァニラ・ナイス: スタージル・シンプソン
- ビッグ・レッド: ケイト・ノウリン
- マー: エイミー・マディガン(宮寺智子)
- ポップ: リード・バーニー(中博史)
- リチャード: グレン・ハワートン(志村知幸)
- トラッカー: ジャスティン・ハートリー ※クレジットなし
- デッド・セクシー: シルヴィア・グレース・クリム
- バンダナ・マン: ウォーカー・バビントン
- ランディ: ジェイソン・カークパトリック
- リバティ: テリー・ワイブル(成田佳恵)
- フォークソンヴォイ: メイコン・ブレア
- クライシス・マイク: ウスマン・アリー
- ポール: J・C・マッケンジー
- ドクター: スティーヴ・コールター
- マーティン: ディーン・ウェスト
- デール: スティーヴ・モケイト
- ケリー: ハンナ・アリン
- ニコール: タダセイ・ヤング
- オハラ: ジム・クロック
- その他の日本語吹き替え:小林操/ボルケーノ太田/近内仁子/露崎亘/三日尻望/渡谷美帆/山本高広/大河元気/越後屋コースケ
- 日本語版スタッフ:演出:日向泰祐、翻訳:古市暁子、調整:山本和利、制作:東北新社
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ザ・ハント
感想
富裕層が娯楽として『人間狩り』を行うという過激な内容が物議をかもした本作『ザ・ハント』。
いや~、悪趣味極まりない作品でした……(※貶しているわけではありません)
人間の命が軽くて、次から次に、まるでゲーム感覚で死んでいくので、感覚が狂ってしまいます。
めちゃくちゃ胸糞映画なので、オススメできませんが、でも、この手の作品は面白いんですよね(^▽^;)
古代ローマの時代から『コロッセオ』での剣闘士の戦いにはじまり、昔からこの手の娯楽は人気ですから(^▽^;)
現代でもデスゲーム系の作品は人気がありますし、人間とはいつの時代も変わらないものです。
よく創作作品、特にギャンブル系の作品『カイジ』とか『嘘喰い』とか『ライアーゲーム』などで、お金を持ち余した富裕層が人間を殺し合わせたり、悪趣味なギャンブルの駒にして、それを観て楽しんでいる設定がありますが、裏社会では本当にそのようなことが行われているのではないか? というような陰謀論的なことをあながち信じていたりしませんか?
バニラはもしかすると、悪趣味な富裕層たちや裏社会の人々は『人間狩り』のようなことを本当にしているのではないか……と思うことがあるんですね。
その思い込みが本作のミソになっているのです。
だから本作で富裕層たちが人間狩りをしているという話を観て「やっぱりか」と疑問をもつことなく観たのですが、本作は政治的な風刺が利いていて、バニラのような人間が陰謀論者になって、誤った情報を拡散する人になるんだと訴えているんですね(^▽^;)
※ここからは、ネタバレを書きます。
実は、「富裕層が人間狩りをしている」というのは誰かが拡散した嘘で、その嘘を信じた人々によってさらに拡散されてしまった嘘だったのです。
いわば今回の例に限っては本当に陰謀論だったんですよ。
ですが、それが原因で、名誉を傷つけられた富裕層の人々が「じゃあ、嘘を本当にしてやる」という復讐心から、本当に人間狩りをすることに決めたという、「卵が先か、鶏が先か」なんとも風刺が利いたストーリーになっているんです。
本作はその政治的風刺の強い作風から、当時のトランプ大統領が名指しこそしませんでしたが、たぶんこの映画を批判したそうなのです↓
風刺要素に対する批判と製作サイドの釈明
本作のストーリーは「富裕層が一般人を娯楽として殺害する」というものだが、保守層は本作を「リベラル・エリートがトランプ大統領の支持者を虐殺していく様子を描いた映画だ」と批判した[24]。2019年8月9日、ドナルド・トランプ大統領は自身のTwitterで「リベラルを標榜するハリウッドは怒りと憎悪に燃える最悪のレイシストだ。(中略)。近日公開予定の映画は社会に混乱をもたらすために製作された。ハリウッドは自らの手で暴力を生み出し、異なる思想の持ち主を糾弾しようとしている。ハリウッドは真のレイシストであり、我が国にとって害悪である」とツイートした。トランプ大統領は作品名を挙げていないが、マスメディアは本作に対する批判であると解釈して報道した[25]。
「試写会に参加した者の中に、本作の政治風刺に対して不快感を露わにした者がいた」「当初、本作のタイトルは『Red State Vs. Blue State.』だった」という虚偽報道もあったが[26]、ユニバーサル側はそのような事実はないと否定している[27]。
なお、ゾベル監督は「『ザ・ハント』は分断されて闘争を繰り広げる両サイドを風刺するものであって、どちらかの側に立った映画ではない」という趣旨のことを述べている[27]。
あくまで本作は中立的な立場で撮られた作品ですが、確かにアメリカの社会問題をめちゃくちゃ風刺しているんですね(^▽^;)
最初は胸糞映画だと思って観ていたのですが、社会風刺映画として観てみると、よくできているんですよ(ツッコミどころは多いですが)。
「『ザ・ハント』は分断されて闘争を繰り広げる両サイドを風刺するものであって、どちらの側に立った映画ではない」と、ゾベル監督も言っている通り、本作は観る立場によって善悪が変わる構成となっているのです。