ストーリー
アカデミー視覚効果賞を受賞したアニマトロニクスなど、特殊効果が話題となったクリス・ヌーナン監督による動物コメディ。コンテストの景品として無口な農場主アーサーに引き取られた子豚のベイブが、史上初の牧羊豚になろうと奮闘する。
引用元:https://filmarks.com/movies/22866
立派な牧羊犬ならぬ牧羊豚になることを夢見る無垢な子ブタの奮闘を描く感動作。500匹にも上る本物とSFXを巧みに組み合わせた、動物たちの“演技”がみごと。イギリスの童話作家ディック・キング・スミスの『The Sheep-Pig』を、「マッドマックス」シリーズや「ロレンツォのオイル 命の詩」のジョージ・ミラーの製作・脚本で映画化。監督は本作が初の劇場用映画となるオーストラリアの監督、クリス・ヌーナンがあたった。脚本はミラーとヌーナン、製作はミラー、ダグ・ミッチェル、ビル・ミラー。撮影はアンドリュー・レズニー、音楽はナイジェル・ウェストレイク、美術はロジャー・フォード、編集はマーカス・ダルシーとジェイ・フリードキン。アニマトロニクス(ロボット)製作はジム・ヘンソンズ・クリーチャー・ショップ、動物演技指導は「ベートーベン」シリーズのカール・ルイス・ミラーが担当。出演は「名探偵登場」「ピンク・キャデラック」のジェームズ・クロムウェル、オーストラリアのトップ・コメディエンヌのマグダ・ズバンスキーほか。第68回アカデミー視覚効果賞、全米批評家協会最優秀作品賞受賞。
引用元:https://eiga.com/movie/49108/
登場人物・キャスト
- ベイブ
- 演:クリスティーン・カヴァナー
- 本作の主人公であり、子豚。とある近代的な養豚場で産まれ、母豚や兄弟達が食用とされることは知らぬままに、イベントで催される「子豚の体重当てコンテスト」の賞品として引き取られる。その後、体重を的中させたアーサー・ホゲットの手に渡り、ホゲット家の農場で飼育される。
- やや間の抜けた性格だが、穏やかで心優しく、羊たちからも可愛がられ慕われている。当初は食用にされる予定で飼育されていたが、牧羊犬ならぬ「牧羊豚」としての才能をアーサーに見出され、その期待に応えていく。
- フライ
- 演:ミリアム・マーゴリーズ
- ホゲット家で牧羊犬として飼われているメスのボーダー・コリー。情け深い性格であり、引き取られてきたベイブにも当初から優しく接する。子供達が他の牧場へと引き取られ消沈していたところ、ベイブから「ママ」と呼ばれ、その後は母子のような関係になる。
- 牧羊豚としてベイブに期待をかけるアーサーの考えを理解し、ベイブに牧羊犬としての振る舞い方や羊たちとの接し方を積極的に教える。ベイブの活躍に気を良くしなかったレックスを宥めた他、ベイブの冤罪を解くため羊たちに協力を仰いだ。
- レックス
- 演:ヒューゴ・ウィーヴィング
- オスのボーダー・コリーであり、フライと同じくホゲット家で飼われている牧羊犬。アーサー家で飼育される動物たちのリーダー的な存在であり、ルールや仕来りに厳しい保守派である。そのため、本来は食用家畜であるベイブに対して厳しく接し、また牧羊犬として代々活躍してきた自らの血統には強い誇りを持っている。
- そのため、ベイブが牧羊豚として活躍した際には憤慨し、フライと取っ組み合いになった末、止めに入ったアーサーに誤って手傷を負わせてしまう。
- フェルディナンド
- 演:ダニー・マン
- ホゲット家で飼育される白いアヒル。アヒルが食用に飼育されている事実を認識している。別の役割を得て生き長らえるために、雄鶏よりも早く屋根に上り鳴き声をあげ、アーサー家に朝を告げていたが、目覚まし時計が購入されたことをキッカケに農場からの脱走を図る。
- ベイブの代わりに「ロザンナ」という仲間のアヒルがホゲット家のクリスマスの食卓に上った際にはとてもショックを受けていた。
- メー
- 演:ミリアム・フリン
- ホゲット家で飼育される老いたメスの羊。レスター種である。犬を「オオカミ」と忌み嫌っており、ベイブにはフライとの関係を絶つよう説く。優しい子豚とベイブを可愛がり、他の羊たちにも話していた。牧羊豚として、ベイブが羊たちに横暴な振る舞いをみせた際は咎め、牧羊犬のような乱暴な誘導ではなく、説得による誘導方法を教える。
登場人物
- アーサー・ホゲット
- 演 - ジェームズ・クロムウェル
- 牧場を営んでいる男性。実直な性格で厳しい経営状態ながらも数多くの動物たちを飼い生計を立てている。ひょんな事からベイブの飼い主となる。
- エズメ・ホゲット
- 演 - マグダ・ズバンスキー
- アーサーの妻。明るい性格で夫とは仲睦まじい。
- ホゲット夫妻の娘婿
- 演 - ポール・ゴダード (英語版)
- ホゲットが営む牧場の帳簿を見た際に赤字が多い事に気付き、ホゲットに「このまま牧場経営を続ける事は厳しい」と指摘する。
- ホゲット夫妻の娘
- 結婚後は都市部で夫と2人の子供(息子と娘)と暮らしている。クリスマスに家族でホゲット家に帰省した際、両親にファクシミリをプレゼントした。
- ホゲット夫妻の孫
- ぽっちゃり体型の男の子。
- ホゲット夫妻の孫娘
- 少々ワガママな所があり、祖父母であるホゲット夫妻がおもちゃをプレゼントするが、彼女が欲しかった物とは違ったらしく「いらない」と泣き出してホゲット夫妻と両親を困らせた。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | 日本テレビ版 | NHK版 | ||
ベイブ(子豚) | クリスティーン・カヴァナー | 田中真弓 | 山田千晴 | くまいもとこ |
アーサー・ホゲット | ジェームズ・クロムウェル | 内田稔 | 犬塚弘 | 辻萬長 |
エズメ・ホゲット | マグダ・ズバンスキー | 山本与志恵 | 野沢雅子 | 松岡洋子 |
ホゲット夫妻の娘婿 | ポール・ゴダード (英語版) | |||
フライ(メスの牧羊犬) | ミリアム・マーゴリーズ | 此島愛子 | 野沢由香里 | 高島雅羅 |
レックス(オスの牧羊犬) | ヒューゴ・ウィーヴィング | 坂口芳貞 | 若松武史 | 中村秀利 |
フェルディナンド(アヒル) | ダニー・マン | 清水明彦 | 江原正士 | 中尾隆聖 |
メー(老羊) | ミリアム・フリン | 杉山とく子 | 沢田敏子 | 小宮和枝 |
ダッチェス(猫) | ルーシー・テイラー | 井上瑤 | 向井真理子 | |
ナレーター | ロスコー・リー・ブラウン | 橋爪功 | 土師孝也 | 小倉久寛 |
役不明又はその他 | 茶風林 水野龍司 石波義人 家中宏 湯屋敦子 大木民夫 仲野裕 中庸助 藤城裕士 青木和代 竹口安芸子 佐藤しのぶ 巴菁子 川田妙子 遠藤勝代 岡村明美 吉田古奈美 麻丘夏未 戸田亜紀子 小野英昭 |
岩崎ひろし 大山高男 磯辺万沙子 片岡富枝 石波義人 村松康雄 横堀悦夫 紗ゆり 大谷育江 定岡小百合 斎藤志郎 津田真澄 梅田貴公美 増田ゆき 幸田夏穂 水間真紀 浜田賢二 高橋哲也 佐々木謙 |
小杉十郎太 大川透 小山武宏 定岡小百合 さとうあい 浅井清己 斎藤恵理 遠藤綾 前田ゆきえ 込山順子 平田絵里子 深水由美 中村千絵 川村拓央 西凜太朗 青山穣 石住昭彦 後藤哲夫 長克巳 梅津秀行 根本泰彦 |
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ベイブ_(映画)
感想
バニラはこのような動物系ファミリー映画が大好きです\(≧▽≦)/
セントバーナードが活躍する『ベートーベン』や5匹のゴールデンレトリバーが活躍する『バーディーズ・シリーズ』などは何度も観ましたし、動物がしゃべる系のファミリー映画は気楽に観れて楽しいです。
そんな動物系ファミリー映画の中でも、本作『ベイブ』はバニラが観た動物系ファミリー映画の中で5本の指に入るくらい、いい映画だと思いました(*´▽`*)
ファミリー映画でありながら『バベットの晩餐会』のような雰囲気で哀愁があって良きなのです(`・ω・´)b
本作の主人公は犬ではなく『ベイブ』という子豚なんですが、作中でベイブと呼ばれることは多分なかったと思います。
作中では一貫して豚と呼ばれていたはずです(違っていたらごめんなさい(>_<))。
「ベイブ」とは「赤ん坊」という意味であり、豚の赤ん坊という意味で『ベイブ』というタイトルが付いたのでしょう。
というわけで、以後は主人公豚をベイブと表記させてもらいます。
本作『ベイブ』は童話作家のディック・キング・スミスの『the sheep‐Pig』という小説を原作としているらしく、文字通りベイブは牧羊犬ならぬ、牧羊豚となるまでが描かれる映画です。
ベイブはファクトリーファームから運よく連れ出され、牧場を営むボゲット家に食用豚として引き取られました。
作中で牧場の動物たちには生まれ持った役割というものが強調されています。
動物たちは自分に与えられた役割を疑問を抱くことなく務めているんですね( ̄▽ ̄)
例えば牧羊犬フライとレックスは牧羊犬としての役割に務めていますし、羊には羊毛を提供するという役割を務め、牛はミルクを出すという役割を務め、馬は荷物を引くという役割に務めています。
例にもれずベイブも食用豚としての役割が与えられており、作中でイジの悪い猫が「動物には生まれ持った役割がある」というようなことをいい、ベイブは人間に食われる豚としての役割に徹しろというようなことをいうんですね。
その話は恐らく決めつけで成り立っている社会の縮図を表しているのだと感じました。
人間社会でも、決めつける、レッテルを貼るという現象はよく見られます。
「○○だからできない」「○○だから○○なんだ」と決めつけレッテルを貼ることで、様々な可能性を潰してしまうことになるでしょう。
が、そんな人間社会の縮図のような農場でフェルディナンドというアヒルは抗うのです!
フェルディナンドはもともと食用として飼われていたのですが、鳴いて朝を告げるという鶏のようなことをはじめ、自分から役割を作り、食われる運命を回避しているのです(≧▽≦)
これは、抗うことで運命を変えられるというメタファーだといえるでしょう。
フェルディナンドのメタファーが表す通り、動物たちは少しずつ自分たちに与えられた役割以上の行動をとり始めるんですね( ̄▽ ̄)
そしてベイブも羊たちと対話してお願いすることで牧羊豚としての能力を主人のアーサー・ボゲットさんに見出してもらい、食用豚になる運命を変えることができたのでした。
その他にも動物たちと人間との関係はジョージ・オーウェルの『動物農場』のようで、様々な象徴に置き換えることのできる作りになっています。
与えられた役割というのはまさに『動物農場』が風刺する社会主義的な世界感が感じられますし、動物たちの掛け合いはコメディでありながら、悲しさも感じられる、イソップ童話のような教訓と風刺に溢れた寓話になっています(≧▽≦)ゝ