ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

アニメーション映画 ドラマ/ファンタジー『さよならの朝に約束の花をかざろう』「さよならの朝に約束の花をかざろうは人生(T^T)b」

引用元:spice.eplus.jp

ストーリー

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などで知られる脚本家の岡田麿里が初監督を務めたオリジナルの長編アニメーション映画。10代半ばで外見の成長が止まり、数百年生き続けることから「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民の少女マキアと、歳月を重ねて大人へと成長していく孤独な少年エリアルの絆の物語が描かれる。人里離れた土地で、ヒビオルと呼ばれる布を織りながら静かに暮らすイオルフの民の少女マキア。ある日、イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる獣にまたがるメザーテ軍が攻め込んできたことから、マキアとイオルフの民の平穏な日々は崩壊する。親友や思いを寄せていた少年、そして帰る場所を失ったマキアは森をさまよい、そこで親を亡くしたばかりの孤児の赤ん坊を見つける。やがて時は流れ、赤ん坊だったエリアルは少年へと成長していくが、マキアは少女の姿のままで……。

2018年製作/115分/G/日本
配給:ショウゲート
劇場公開日:2018年2月24日

引用元:https://eiga.com/movie/87420/

登場人物・キャスト

マキア
本作の主人公。イオルフの少女。おどおどとしている反面、芯の強いところもある性格をしている。物語開始時点で両親はおらず、長老のラシーヌの元で暮らしている。物語開始時点の実年齢は10代半ば(ミドと出会った際に年齢を「15」と答えている)。クリムに片思いをしていたが、クリムとレイリアが夜中に家を抜け出して花畑で会っている姿を目撃して涙を流している。
ゾル率いるメザーテの師団がイオルフの里を襲った際に一人、長老を呼びに探すなかで建物を封鎖しようとする里の者たちによって中に閉じ込められてしまう。そこで偶然にも侵入してきた暴走したレナトに追われ、レナトに絡み付いたヒビオルに無我夢中で掴んだまま里の外まで運ばれてしまい、仲間たちからはぐれてしまう。暗い森の中を彷徨っている際に、山賊によって壊滅した流れ人の旅団の生き残りである人間の赤ん坊と出会い、育てていくことを決意する(その際、髪を金髪から茶色に染めている)。
エリアルがメザーテ軍に入隊した後、クリムによってメザーテの敵対国で幽閉されていた[注釈 1]
声 - 入野自由[4]櫻井優輝(幼少期)[5]、岩川泰千(赤ちゃん)
人間の男性。赤ん坊のころに盗賊に襲われ家族を失ったところをマキアに拾われる。それからはマキアとミド一家とともに幼少期を過ごし、成長した。
自身が成長するにつれ、一向に外見の変わらないマキアと自分に血の繋がりがないことをなんとなく理解し、思春期以降は彼女との関係に葛藤を抱えながら成長していく。それでも幼いころにマキアに約束した「マキアを守る」という思いは消えておらず、今のままだと守ることさえできないと偶然にも再会を果たしたラングに頼み込んでメザーテ軍に入れてもらえるように頼み込んでいる。
メザーテの軍隊に入り、それから後にディタと再会し結婚する。
レイリア
イオルフの少女。快活な性格。マキアの友人。クリムと両思い。
メザーテの師団がイオルフの里を襲った際に攫われ、メザーテの王子の妃として娶られ、メドメルを身ごもる。
クリム
声 - 梶裕貴[4]
イオルフの少年。マキアの友人。レイリアと両思い。
メザーテに攫われたレイリアを取り戻すためメザーテと敵対する。
敵対国のメザーテ侵攻に乗じてレイリア奪回に向かう直前、幽閉していたマキアに、家族を持った彼女に自分たちの苦しみを味わわせたという発言をしている。レイリアと再会した際、昔の関係に戻りたいという希望を伝えるも、レイリアがメドメルとの面会を望んだことで心中を図った。
イオルフの里の長老。物語開始時点の実年齢は400歳を超える。冒頭のみ登場。
ラング
声 - 細谷佳正[4]、徐斌(幼少期)
マキアとエリアルを迎え入れた農家の少年。デオルの兄。人間。成長後、メザーテの軍隊に入る。外国軍の侵攻時にはエリアルの上官。
マキアに思いを寄せる。
デオル
マキアとエリアルを迎え入れた農家の少年。ラングの弟。人間。
ミド
マキアとエリアルを迎え入れた農家の女性。人間。ラングとデオルの母。
親のいなかったマキアに母親というものを教える。
ディタ
声 - 日笠陽子[4]、栗本有規(幼少期)
エリアルの幼馴染の少女。人間。エリアルに思いを寄せる。子供ながらにマキアに嫉妬してしまい、エリアルを傷つけるような態度をとってしまう。
後日謝罪に向かうも既にエリアルとマキアは村を去ってしまっており、謝ることができなかった。
成長後、メザーテの軍隊に入ったエリアルと再会し結婚する。そしてエリアルとの子である女の子を出産する。
メドメル
メザーテの王子とレイリアの間に生まれた少女。イオルフと人間のハーフだが、金髪、瞳に金色の輪、低体温といったイオルフの性質を受け継がなかった。
このためレイリアは王室から冷遇されることとなり、メドメルも母親であるレイリアと引き離されて育てられる。
城が陥落した際に、レイリアと初めて顔を会わせており侍女に「お母様は綺麗な人」と言っている。
ゾル
メザーテの軍人。人間。
王国の命令でイオルフの里を襲撃した張本人であるが攫ってきたレイリアに対しては罪悪感を抱いている。
レイリアを救うために城に侵入したクリムたちイオルフを剣で斬って殺害しており、それからというもののレイリアにすべてを奪った存在として接されてきた[注釈 2]。その数年後に殺したと思っていたクリムが再びレイリアの前に現れて、レイリアと心中しようとした際にはクリムに銃撃して致命傷を与えている。
バロウ
イオルフと人間のハーフの男性。実年齢は不詳。イオルフの里を出てヒビオルを売り歩きながら世界を旅している。
マキアがエリアルを拾う際に出会い、マキアに人間の子を育てるということや子供はおもちゃじゃないなど注意をうながしている。メザーテで追われるマキアと再会しており、追っ手をまくために力を貸した。物語の最後でも登場し、エリアルの家から帰るマキアを馬車の荷台に乗せて運んでいる。
ラシーヌと「腹違いで、血がつながっているという裏設定」を考えていたと岡田麿里は述べている(本編に反映されているかは不明)[7]

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/さよならの朝に約束の花をかざろう

感想

「感動で泣かせてやろう」って気を満々に感じられるのに、不覚にも泣かされてしまいました(T^T)

バニラはこのような物語に弱いのです( ;∀;)

まるで『CLANNAD after story』と、今話題の『葬送のフリーレン』を合わせたような物語です。

そんなもん、泣いてまうやろ(;´∀`)

ちなみに、本作が公開されたのは2018年で『葬送のフリーレン』が2020年からの連載開始なので『葬送のフリーレン』の原作者の山田鐘人さんが、この映画を観ているなら、無意識に影響を受けていてもおかしくはないと思いました(≧▽≦)

 

そう思うくらい、イオルフ族と人間族との時間の流れや、思想的なものが似ていると感じました。

まあ、この手の異種間での時間ギミックを使った物語は、世界中の神話や物語で遥か昔からあるものなので、遡り出したら切りがありませんが(^▽^;)

本作に登場する、イオルフ族という種族は十代半ばの外見で成長が止まってしまう、ようはエルフのように長命な種族であり、どんな種族よりも長生きなために「別れの一族」と呼ばれているのです。

 

多くの人が長生きしたいと思いますが、長生きすればそれだけ周りの人が先に亡くなってしまい、孤独になっていくのです……。

そんなこと考えただけで涙がでてしまいますよね( ;∀;)

だからイオルフ族の長老ラシーヌは「愛してはいけない」という教えを村の人々に教えているんですよ。

 

仏教思想では愛別離苦という考えがあり、愛から様々な苦が生じるとされています。

言わんとすることはわかりますよね。

この教えは反出生主義にも繋がっていて、生まれなければそもそも苦しみがないという真理に繋がる教えだからです。

長老のラシーヌの教えを里のみんなは肝に銘じ、他の種族とは係わりを絶ち、イオルフ族だけで静かに暮らしていました。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

ですが、ある日、イオルフ族の里が、長寿の血を欲した帝国の襲撃に遭い……主人公のマキア↓

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

だけがドラゴンに連れ去られてしまうのです。

そして、マキアは一人知らない森の中に落とされ、森を彷徨っていると、ある家に導かれるようにたどり着き、盗賊に襲われ家族を殺された男の子を拾い、エリアルと名付け母親代わりとなり育てることを決めるのでした。

が……マキアに両親はおらず、家族というものを知らないうえに、長生きと言っても、まだ実年齢15歳ほどだったのです。

 

当然、子供を育てられるはずもなく、赤ん坊を連れてさ迷い歩いていると、ある農場の牛舎に潜り込み、牛からミルクをもらおうとしていたところを家の主であるミドに見つかり、農場で世話になることになるのでした。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

ミドから母親としてのありかたを学び、そして時は流れ、エリアルは成長するのです。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

多くの子供は「若くて」「綺麗で」「優しい」母親がいいという願望を持っていると思います。

学校の入学式や授業参観、友達が家に遊びに来た時など、母親が「若くて」「綺麗で」「優し」かったら誇らしい気持ちですよね(´▽`*)

正に、そんな願望を体現してくれているのがマキアなのです(≧▽≦)

こんなお母さん憧れですよね。

 

次第に、エリアルはマキアが実の母でないことを知り、恋愛感情のようなものを抱くようになるのですね( ̄▽ ̄)

エリアルがそんな気持ちを仄かに抱き始めたある日、村の少女・ディダが母親が好きなエリアルを馬鹿にして、傷つけてしまうのでした。

ザコンだなんだと巷では蔑みの対象になっていますが、子供が母親を好きなのはあたりまえじゃないですか。

ちょっとベクトルが違う話かもしれませんが、親に虐待されていた子供でも、憎しみながらも「愛されたい」「愛したい」という愛を感じるのですからね……。

だから、親子・母子の関係は複雑なのです(´-ω-`)

 

そのように平和に暮らしていたマキアはある日、イオルフ族の織物を偶然発見し、織物に記された情報を読み取り、仲間の現状を知ることになります。

マキアの幼馴染のレイリアという少女が、帝国の王子と結婚させられるという内容だったのでしょう。

マキアは帝国にレイリアを助けに向かいますが、レイリアはすでにお腹に王子の子を宿しており……計画は失敗に終わるのでした……。

 

危害が及ぶのを恐れてミドのもとには戻れないマキアとエリアルは、各地を転々としながら、数年の月日が流れるのです。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

立派な青年へと成長したエリアルはマキアとの複雑な関係に悩んでいました。

わかるぞ、エリアルの気持ち……(´-ω-`)

あんな可愛いくて、優しくて、若い娘が血の繋がっていないと知ったら、好きになるのはしょうがないじゃないか(≧◇≦)

 

そんな葛藤に苦しんでいたある日、帝国で偶然再会したミドの息子のラングに想いを打ち明け「今のままだとマキアを守ることはできない」とマキアのもとを去って、帝国の軍に入る手引きをしてもらうことにしたのです。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

一人になったマキアは悲しみに沈み、そんなマキアのもとにかつての幼馴染・クリムと再会を果たし……ある陰謀に巻き込まれていくことになるのです……(´-ω-`)

 

ここからいよいよクライマックスなのですが、長くなってしまったのでストーリーを追うのはここまでにします。

最後すべてが終わり、マキアとエリアルは別れることになるんですね。

別れのとき、長い間「お母さん」と呼ばなかったエリアルが「お母さん」と呼んで引き留めようとするシーンがめちゃくちゃ泣けるのです(/_;)

そして、その別れから数十年の月日が流れ、おじいさんになり危篤状態のエリアルのもとにマキアが再び現れ「いってらっしゃい」と静かに語りかけるんですね……(T^T)

この物語は、エリアルを見送る「葬送のマキア」の物語だったのです。

引用元:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう

長老は「愛してはいけない」とマキアに教えましたが、マキアは最後に「愛してよかった」と思うんですね。

プラネテス』という幸村誠さんの漫画でも愛について深く探求されていますが、どれだけ苦しみがあろうと人は「愛し合うことだけが、どうしてもやめられない」という結論にたどり着いて終わっているのです。

愛により苦しみが生まれるのも真理だとしたら、愛し合うことをやめられないのも真理。

 

きっと、マキアはエリアルを見送った後も、様々な愛に出会い、出会いと別れを経験していくと思われます。

ありきたりな綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、生きる時間が違ったとしても、同じ時間を生きているこの瞬間って奇跡なんだと改めて気づかせてくれる作品でした(≧▽≦)ゝ

予告

www.youtube.com