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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

アニメ ファンタジー『剣風伝奇 ベルセルク 』「この世界には人の運命をつかさどる何らかの超越的な「律」神の手が存在するのだろうか」

引用元:dアニメストア

 幼いころアニマックスというCSの番組で、この『ベルセルク』が放送していたのを少しだけ見たことがあります。でも、覇王の卵(ベヘリット)が血の涙を流す描写を見たとき以来トラウマになって、ずっと避けてきました(´・ω・`)

 

 子供には怖いですよあれ(^▽^;) そんな『ベルセルク』ですが、今、黄金時代編のリメイクがしているので、この機会に旧作『剣風伝奇 ベルセルク』を観てみました(´▽`)  今ならベルセルクが傑作と呼ばれる理由を少しは理解できるようになったと思います。

 

 今のリメイク版と観比べていますが『ベルセルク 黄金時代編』は戦争描写や戦闘描写がより情報量が多くなった印象ですね。CGを使えるようになったことで画面に占める兵士たちの人数が多くなり、より高度な戦争描写を可能にしています。

 

 なにより映像が綺麗になりまいしたね( ̄▽ ̄) だけど、綺麗になったことで失われてしまったものもあるのは事実(´・ω・`) 近年のデジタル作品も綺麗でいいですが、やっぱりセル画時代の作品は迫力が違うと『剣風伝奇 ベルセルク』を観て思いました。

 

 デジタルでは泥臭さと荒削り感は出せませんよね(´・ω・`) だけど近年のアニメが軽いだとか、ダメだなんだと批判しているわけではありません。今は今の良さがありますからね(´▽`*)

 

 では、ストーリーを大雑把に説明すると、主人公のガッツは身の丈ほどもあるクレイモア(大剣)を振り回す傭兵です。ガッツは傭兵に雇われ、ある国を落とすことに成功した帰り、『ベルサイユのばら』に登場しそうな男装の美男子グリフィス率いる鷹の団に襲われます。

 

 ガッツは抗戦しますが鷹の団に捕らえられ、グリフィスから「おまえが欲しいんだ」と告白されます(n*´ω`*n) 勘違いされそうですが、BLではないですよ(たぶん(´・ω・`))。

 

 ですがガッツはグリフィスの告白を振ってしまうんですね(´・ω・) なら力づくで手に入れるまでだ! ということになって、決闘してグリフィスが勝利を納めガッツはグリフィスのものになるのです。

 

 それから数年が経ち、ガッツたち鷹の団は武功を上げ、とうとう王国直属の騎士団になるまで出世します。グリフィスは単身どんどん出世し、とうとう王から爵位まで与えられ、自分の国を造るというグリフィスの夢まであと少しのところまでいったとき悲劇が始まります……( ;∀;)

 

 ガッツはある日、王女とグリフィスの「私にとって友とは、そんな”対等”な者だと思っています」という話を聞いてしまうんですね……。その言葉を聞いてガッツはショックを受けます。

 

 ガッツはグリフィスの背中に付いて行くだけではグリフィスが友と呼ぶ対等な関係になれないと思ったのか、鷹の団を抜けて自分の夢を追い求めグリフィスと対等な存在になろうと考えるのでした。

 

 ガッツが鷹の団を抜けてしまい、そのことでガッツに特別な感情を抱いていた(BLではない、たぶん(-_-;))と思われるグリフィスは暴走し、その国の王女に手を出し、そのことが原因で監禁されることになるのです(´・ω・`)

 

 鷹の団は国を追われ、グリフィスは地下室で長い間拷問を受けることに……。そのことを知ったガッツはグリフィス奪還作戦に加わり、なんだかんだガッツの活躍もありグリフィス奪還に成功しますが、グリフィスは度重なる拷問によって全身の腱と舌を切られ立つことすらままならなくなっていたのです(T_T) 

 

 グリフィスの瘦せ衰えボロボロになった姿は観ていられません……。いったい何がいけなかったのか? どこで間違えてしまったのか? 身の丈以上の夢を持つのはいけないことなのか……?

 

 平民出身のグリフィスは幼い頃に抱いてしまった「自分の国を持ちたい」という大きな夢と陥ってしまった現状に自殺を考えますがそのとき、拷問の際に失ってしまった覇王の卵(ベヘリット)と呼ばれる真紅卵が再びグリフィスの前に現れたのです。

 

 この覇王の卵は使徒であるゴッドハンドに転生することができるアイテムであることが判明します。グリフィスはボロボロになった体でベヘリットを掲げると、背後で日食が起き始めるんですね。

 

 この場面は芸術の域に達していてもはや神聖な雰囲気すら帯びています(≧▽≦) 繁栄からの没落が丁寧に描かれているので、観ている者に善や悪では割り切れない相反するアンビバレントな感情を起こさせるんですね(。-`ω-)

 

 蝕までの構成が巧いな~と感動しました。そして始まる蝕によりグリフィスは家族のように共に歩んできた鷹の団の人々をゴッドハンドに転生する生贄として「捧げる」のです……(´-ω-`) 

 

 ここまでファンタジーというよりと歴史・戦記物の印象が強かったのに、最終回での人知を超越した怪物が現れるクトゥルフ神話的ダークファンタジーになるんですね~(^▽^;)

 

 こう考えてみてくださいよ。漫画『キングダム』のような歴史・戦記物に突如魑魅魍魎の怪物が現れて、後の始皇帝エイセイが天下を統一するために仲間たちを蝕の生贄に捧げたらどう思います(。´・ω・)?

 

 確かに『キングダム』も人間やめてるレベルの怪物たちが登場するので、ある日突然怪物や妖怪変化が現れてもおかしくないですよね~(*´▽`*)

 

 この『ベルセルク』の黄金時代編はまさにそんな感じなんです。黄金時代編以降、作品が変わったんか? と思うほどダークファンタジー色が強くなって、一粒で二度おいしいってこのことですね( ̄▽ ̄) 

 

 キャラクターたちの心理描写や人間の業のようなものは文章では説明し尽くせません(´・ω・`) 作者の三浦健太郎さんはお亡くなりになりましたが、三浦さんの弟子たちと友人の森恒二さんの手により再び物語は紡がれることになったらしいです。作者が亡くなっても描かれる『ベルセルク』の凄さをやっと実感しました('◇')ゞ