ストーリー
楽しいことが大好きで好奇心いっぱいのマーメイド、アリエルは、陸の世界に憧れている。彼女は父親の“海の上にいくな”という命令を無視して、激しい嵐の中、海上に姿を現し、ステキな王子様を救出する。
人間になりたいアリエルは、邪悪な海の魔女アースラと取り引きをし、脚を手に入れるために尾びれと美しい声を失ってしまう。
そんなアリエルを助けるのは、仲良しのかわいいフランダーと、カリブ海のカニでレゲエが得意な、文句ばかりのお目付け役セバスチャン。タイムリミットが迫る中、アリエルは王子の愛を手に入れ、父親の王国を守ることができるのか?
引用元:https://eiga.com/news/20230602/20/
登場人物・キャスト
- アリエル(Ariel)
- 本作のヒロイン。トリトンの七人娘の末姫。ディズニープリンセスの一人。16歳。
- 波打つ赤毛に、エメラルドグリーンのような色をした尾、紫の貝の胸当てを付け、国内随一といわれる鈴を転がしたような美しい声と容姿を持った人魚。瞳の色は青(アクアブルー)。明るく好奇心旺盛で、地上の世界に強く憧れ、海底に沈んだ陸上の物をたくさんコレクションしている。父親のトリトンからは深い愛情を受けているものの、陸上の世界をかたくなに否定されて反発し、すれ違いが生じることもある。父親を恐れながらも、ややワガママであり、年頃のせいで大胆な行動を取ったり、感情の起伏が激しい。世間知らずな事もあり、それが仇となりアースラの罠に嵌ってしまった。
- 地上に関わるのは禁じられているため、陽気でいい加減なカモメ・スカットルだけが情報源で、その知識は誤解や偏ったものばかり[注 1]。また、コレクションの保管庫である洞窟のことは、親友の鯛・フランダーとの秘密。
- エリックとは彼が船の難破によって溺死しかけていたところを助けたのがきっかけで恋が始まったのだが、セバスチャンを通じてその事を知ったトリトンの怒りを買い、コレクションを破壊されてしまう。その後ジェットサムとフロットサムの誘いでアースラを訪ねて契約をし、声を引き換えに人間となってエリックの城へ行くこととなる。
- 声が出せないため、エリックになかなか自分が命の恩人であることを伝えられなかったり、フロットサム・ジェットサムやアースラによる妨害を受けるなどの試練が立ちはだかるなか、セバスチャンやフランダーたちの支援で、苦難の末にようやくエリックに自分の正体を気づかせる。しかしアースラとの契約はぎりぎりのところで間に合わず、奴隷とされそうになったところを父トリトンに救われるが、アリエルと引き換えに彼がアースラに奪われてしまい、トライデント(三つ又の矛)を奪われることとなった。アリエルも巨大化したアースラに追い詰められたが、寸手のところでエリックに救われる。
- 最後は想いをトリトンに認められて人間にしてもらい、エリックと結ばれた。
- アリエルの尾のエメラルドグリーンのような色は、本作制作時に調合された色であり、それにちなんで色名を「アリエル」と名付けられた。
海底の世界
- トリトン(King Triton)
- アトランティカを治める海の王で、アリエルの父。サファイアブルーのような色の尾を持ち、上半身は筋骨隆々の大男の姿をしている人魚。人間たちの間でも船乗りならだれもが知っていると言われる有名な存在。
- トライデントという、王家の血筋の者しか刺してある所から抜けない矛の魔力で海を操り、アトランティカを治めている。人間や陸の世界を良く思っておらず、人魚達には無闇に地上に関わることは禁じている(映画内では、人間は魚を食べる野蛮でひどい生き物だからだと語っているが、その1番の理由はおそらく、過去に妻のアテナを人間の船との衝突によって亡くしたからと思われる)。父としては末娘のアリエルに甘いが、地上のことに関しては厳しい態度を取っている為、すれ違いや衝突が起きる事も少なくない。しかしアリエルが失踪した際は自分がキツく言い過ぎたのではないかと一人苦悩したり、アースラからアリエルとトライデントのどちらを差し出すか迫られた時は迷いなくトライデントを差し出すなど、アリエルを大切に想う気持ちは本物である。
- 中盤でセバスチャンがうっかり口を滑らせてしまった事により、アリエルが自身の取り決めに背いて地上に近づいたと知り激怒。嵐で海の底に沈んだエリックの石像をアリエルが所有していた他のコレクションと共に破壊してしまうが、皮肉にもそれがアリエルを地上の世界に赴かせるきっかけとなった。
- 終盤にアースラの策略に陥れられたアリエルの身代わりとなり、トライデントと王の座を奪われ、醜い海洋生物に姿を変えられてしまうが、エリックの活躍でアースラが倒れたことで救われ、最後はアトランティカの危機を救ったエリックと、彼を愛し続けるアリエルを認め、アリエルをトライデントの力で人間に変えて2人の結婚を許した。
- アリエルとその姉妹(Daughters)
- トリトンの七人の娘で、アトランティカのプリンセスたち。姉妹仲は良く、ラストのアリエルとエリックの結婚を祝福した。年上順に、
- アティーナ (Attina) 橙
- アラーナ (Alana) 紫
- アデーラ (Adella) 黄
- アクアータ (Aquata) 青
- アリスタ (Arista) 赤
- アンドリーナ (Andrina) 赤紫
- アリエル (Ariel) 緑
- 物語中に歌われている「トリトンの娘たち」(Daughters Of Triton) という歌の中では姉妹の名前が順に呼ばれるが、それは年齢順ではない。
- フランダー(Flounder)
- アリエルといつも一緒にいる友達の魚[4](種類はタイ[5]、名前の由来ではカレイ)。黄色の体に水色の縞模様が入っている。アリエルの地上への関心を、アトランティカ内では唯一理解し、共有している。とても臆病で怖がり。
- セバスチャン(Sebastian)
- トリトンに仕える宮廷音楽家の蟹(「トリニダードの赤蟹」とされている)で、フルネームは “ホレイシオ・フェロニアス・イグネイシアス・クラスタシアス・セバスチャン” 。[6]
- 色々とアリエルに振り回され、元々はプロの音楽家であり、第1作の序盤で、アリエルの16歳のお披露目のコンサートの指揮者を任されるのだが、肝心のアリエルが出席しなかった事で、コンサートは失敗に終わり、面目を丸つぶれにされてしまう。さらにこの一件をきっかけに、トリトンの命令で、アリエルが海の上に行かないように、アリエルの監視役にさせられる。しかし、口では文句を言いながらも、元々責任感の強い性分であるが故に、アリエルに対してはそれなりに気を配り、アリエルの監視の役目を果たしつつも、トリトンにアリエルが人間(エリック)を助けた事がバレない様に尽力する。しかし蟹であるため人魚よりも泳ぎが遅く、海の上へと向かって猛スピードで泳ぐアリエルには、追いつくことができない。
- プロの音楽家としてのスキルは本物で、海の生き物だけでなく鳥や虫たちなどを指揮して音楽を奏でられる実力をもつ。
- アリエルが海の魔女のアースラとの契約で、声と引き換えに人間になった際には、アリエルを止めることができなかった自分に対して、「私も意気地なしの蟹になった」と嘆くも、アリエルの必至な表情の訴えから、仕方なくエリックとの恋に協力する事になる。
- アリエルと共にエリックの城に行き、蟹であるために城のシェフのルイに料理されそうになる(以来、ルイとは因縁のライバルとなる)など、散々な目に遭いつつも、次第にアリエルのエリックに対する気持ちや、陸の上での生活に対する憧れに理解を示す様になり、最終的にセバスチャンの活躍もあって、アリエルとエリックは無事結婚することになる。
- 第2作では、もう引退してもいい年齢であるにもかかわらず、トリトンの命令で、アリエルの娘のメロディーのお世話係と彼女が海へ行かないように監視役を任される。メロディーは昔のアリエルと性格がそっくりであるため、同じように振り回されている。しかし、自分が目を離した隙に、メロディーが海の魔女であるモルガナのもとへ行ってしまったことに対して、泣いてアリエルに謝罪するほど責任感が強い。城では、未だにシェフのルイとは因縁の仲であり、見つかると包丁で追い掛け回され、料理にされそうになる。
悪役
- アースラ(Ursula)
- 本作のディズニー・ヴィランズ。
- かつて王宮を追放されたことからトリトンを恨み[注 2]、その復讐も兼ねて海の支配権を奪おうと企む海の魔女。薄暗く誰も訪れない洞穴の様な場所で暮らしている。
- 悪賢く執念深い、肌は紫で、下半身はタコのふくよかな女性。髪はシルバーで短く、濃いメイクをしている。「人助け」としてさまざまな悩みを抱える人魚達に望みを叶えるが、「お代」と称して何かを貰い、さらにアースラが提案する約束を果たせなければ、魔法は解け、元の人魚の姿には戻れない。口約束ではなく、契約書に直筆のサインをさせる。しかし手下に妨害させるなどして必ず約束を果たせないようにくわだて、相手がそれに対し異議を唱えても契約書を盾に突っぱねて、結果的に得体のしれない海洋生物へと変えて自身の住居である岩窟に閉じ込めている。
- 必ず約束を果たせないようにするが、本人の希望通りの願いを叶えてはいる。また魔法は自由自在に使う事が出来るが、アリエルに足を与えるなどの大きな魔法を使う際には、部屋の中にある大釜の中に、謎の生物が入ったビーカーを放り込むなどの調合による魔法を使っている。契約書にも魔法がかかっているのか、トリトンのトライデントの力でも破く事は出来なかった。
- アリエルを人質にトリトンからトライデントを奪い取り海の王となるという野望を胸に、アリエルに接近して契約を持ちかけ、巧みな話術でアリエルの声を引き換えに3日間だけ魔法で人間にした。
- しかし自身の思惑と裏腹に徐々に接近していくアリエルとエリックに焦りを覚え、アリエルから奪った声で歌う黒髪の美女に変身して地上に現れ、「ヴァネッサ」と名乗りアリエルの契約を失敗させようとエリックを惑わす。
- 一度は企みを成功させ、トリトンからトライデントを奪い取って王座を手に入れるが、助けに来たエリックやフランダー、セバスチャン、そしてアリエルの反撃で大切な部下のフロットサム・ジェットサムを誤って殺害してしまったことに怒り、巨大化。トライデントの力で海を荒らし、アリエルを追い詰めるものの、エリックによって難破船の舳先に激突させられ、海の底へ沈みながら滅びた。また、これにより海洋生物に変えられ閉じ込められていた人魚達も、元に戻った。
- ヴァネッサ(Vanessa)
- アースラがアリエルから奪った声で変身した黒髪の美女。ペンダントに閉じ込めたその声と自身の魔力でエリックの心を操り、彼の結婚相手となる。
- しかし、偶然鏡に映ったアースラの姿を目撃してヴァネッサの正体を見破ったスカットルや彼の仲間に結婚式を妨害され、いち早くヴァネッサの正体に不信感を抱いて威嚇していたマックスに噛みつかれたことでペンダントを壊されてしまう。その結果エリックにかけていた魔力が解け、式場に駆けつけたアリエルが声を取り戻した。
- フロットサム&ジェットサム(Flotsam and Jetsam)
- アースラに仕える双子のウツボ。常にペアで行動している。主人に似てかなり悪賢い性格であり言葉巧みに契約をさせようとする。2匹並ぶとそれぞれ反対の目が光り、それによって映し出された外界の映像がアースラの情報源である。
- 最後は後を追ってきたエリックを掴まえるが、アリエルが妨害したアースラのトライデントによる誤った攻撃を受けてしまい、二人共海の藻屑となった。
- ちなみにフロットサムは右目が金色、ジェットサムは左目が金色である。
海の世界
- エリック(Prince Eric)
- アリエルが想いを寄せる海辺の王国の王子。
- 勇敢で誠実、ハンサムながら飾り気のない黒髪の青年。元々は航海士になるのが夢だったため、船の操縦が得意。嵐で船が沈み、愛犬を助けるために漂流していたところを助けてくれた恩人・アリエルの声や顔立ちの微かな記憶から、後に再会したアリエルに惹かれながらも、声を失っていたことで別人と思い込み、思い悩むようになる。そんな時、アースラが化けたヴァネッサに魔力であやつられ、アリエルではなくヴァネッサと結婚しようとしてしまう。だが、後にアースラの策略に気づいたスカットルやセバスチャン達の活躍で魔力から解放され、同時に声を取り戻したアリエルを嵐の時の恩人であると確信する。その後トライデントを手に入れて一度は海の支配者になりかけたアースラからアリエルを救うため、海に出向いて難破していた自分の船に乗り込み、それを巨大化したアースラに体当たりさせることで倒した。
- 最後はトリトンに認められ、人間になったアリエルと結婚した。
- グリムズビー(Grimsby)
- 白髪を後ろで一纏めにした、エリックの家令。
- 船に酔いやすいらしく、海に入るのは大嫌い。恋愛結婚を語る夢見がちなエリックの将来を心配し、早く身を固めて欲しいと願っている様子。
- ルイ(Chef Louis)
- エリックのシェフ。
- 歌いながら料理をするのが大好きな陽気な性格だが、肝心の歌は音痴。得意料理は魚料理だがその調理方法は少々残酷で、キッチンに迷い込んで来たセバスチャンにトラウマを与えてしまう。セバスチャンの存在に気づき調理しようとしたが、セバスチャンが逃げ回るので大暴れし、最終的に厨房をメチャクチャにした挙句にカーロッタから大目玉を食らってしまった。終盤ではアリエルとエリックの結婚式の行われた船上でさえ、セバスチャンを調理しようと追いかけるが、セバスチャンに反撃されて倒れてしまう。
- 第2作でも引き続き、セバスチャンを目の敵にしており、その姿を見るたびに追いかけているが毎回逃げられてばかり。
- 実写映画版には登場しない。
- カーロッタ(Carlotta)
- エリックの城で働く侍女。親切でぽっちゃりとしたおばさん。ルイとの会話の様子から彼より立場は上である模様。アリエルにも親身になって接する。
- マックス(Max)
- 毛の長いエリックの愛犬。かなり人懐っこい性格で、船を覗き込んでいたアリエルを見つけ、彼女を気に入る。アリエルによって浜辺に救助されたエリックを見つけたり、アリエルの匂いを覚えていたりなどと、とても賢い。
- スカットル(Scuttle)
- 陽気で楽天家なカモメ。歌は非常に音痴。アリエルからは唯一の人間についての情報源として頼られているが、それらの情報はほとんどがデタラメであり、日常でも抜けているところが目だつ。
- しかし、この作品の功労者の一人でもある。偶然ヴァネッサの正体(鏡に写ったアースラの姿)を見破り、自信をなくしていたアリエルに真実を説明した。その後はセバスチャンに結婚式を阻止するよう指示され、仲間の鳥や海上の生き物達を呼び集めて執拗に妨害し、いち早くヴァネッサの正体に不信感を抱いていたマックスの協力もあり、アリエルとエリックを引き合わせる事が出来た。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/リトル・マーメイド
感想
2023年に実写映画化されたことで、再び注目を集めた名作アニメーション映画『リトル・マーメイド』
ウォルト・ディズニーは1940年代の第二次世界大戦中から、アンデルセンの『人魚姫』をアニメーション化する構想を練っていたらしく、満を持して、それから半世紀近くの時が過ぎ1989年に劇場公開されました。
本作はディズニー映画の第二次黄金期(ディズニー・ルネサンス)の原点とされたそうで、その後に『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』などが続くそうです。
内容はアンデルセンの『人魚姫』をベースとしていますが、ただ『人魚姫』から着想を得たというだけで、ほぼ改変されてディズニー・オリジナルとなっています。
ディズニー映画は童話を原作・原案としている映画が多いですが、ディズニーが独自の解釈で新たな物語に改変しているので、原作・原案と比較するのも楽しみの一つですよね。
アンデルセン『人魚姫』と『リトル・マーメイド』の一番の違いは、アンデルセンの『人魚姫』では人魚姫は最後泡になって消えてしまいますが、ディズニーの『リトル・マーメイド』では王子と結ばれるというハッピーエンドに改変されています。
そして、ところどころにディズニーの特徴であるミュージカルを組み込み、海の生物たちを擬人化させて、主人公アリエルと海の生物たちが、戯れている場面は原作の『人魚姫』にない? 素晴らしいシーンだと思います。
高畑勲監督の『かぐや姫の物語』で例えますと、かぐや姫の幼少期の話は原作・原案の『竹取物語』には描かれていないそうですが、高畑勲監督は幼少期を丁寧に描くことで、最後の別れのシーンの感動を強調させています。
それと同じで、アリエルの暮らす海の世界を丁寧に描くことで、海の生物たちが歌う『アンダー・ザ・シー』の歌詞の意味に説得力を持たせている気がしました。
『隣の海草は青く見えるさ。陸に行くのは大きな間違い』
という、歌詞の一節がありますが、バニラたち人間からすると、陸の世界より海の世界の方が青く見えるのではないでしょうか(^▽^;
今のCGで制作されたディズニー映画も素晴らしいですが、手描きで作画されたこの「ディズニー・ルネサンス期」のディズニー映画はやっぱりいいですよね( ̄▽ ̄)b