ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

アニメーション映画 ファンタジー『メイドインアビス 深き魂の黎明』「素晴らしい。愛です。愛ですよナナチ」

引用元:Amazon

 物語の構成は出尽くされていると言われて久しいですが、この『メイドインアビス』はまだまだ物語の可能性を感じさせてくれた作品です(≧▽≦) こんな壮大な世界観が生み出せるなんて、「素晴らしい」。この『メイドインアビス』の世界観を支えているのは、まず残酷性だと思います。これがほんわかとした正統派ファンタジーの優しい世界観なら、この物語は生まれません。ほんわかとした絵柄からは想像もできないくらいエグい演出があります。目が飛び出したり、手足が切断されたりというのはまだ軽い方で、人体実験や視聴者の想像を裏切る展開など、衝撃的です。

 

 で、本作は『メイドインアビス』アニメ版の続編にあたります。『鬼滅の刃』でいったら、無限列車編のような感じでアニメ版を観ていないとストーリーはわからないでしょう。アニメ一期のストーリーを簡単に説明すると、この『メイドインアビス』の世界には直径約1000メートル、深さ不明の巨大な縦穴アビスが存在し、そのアビスからは遺物と呼ばれる超文明のアイテムが発見されるのですね。

 

 これだけで面白いですよね(≧▽≦) しかもアビスの謎はこれだけではなく、深層に潜るに従い生態系や環境が過酷になり、引き帰ろうとして上に昇ると上昇負荷と呼ばれる謎の現象に襲われるのです。謎の技術、謎の超巨大な縦穴、謎の法則、ロマンの宝石箱やーないですか! そんな過酷な環境のアビスを調査することを生業とする探窟家たちが存在し、本作の主人公のリコの母親は白笛所有者である上級探窟家ライザという、恐らく作中最強クラスであろう探窟家の子供で、「奈落の底で待つ」という母のメッセージを知り、自身もレグという人間と同じ感情・意識を持つロボットの遺物と冒険に出ることになります( *´艸`)

 

 で、冒険の最中、本作のキーパーソンである『トトロ』の世界に出て来そうな、全身被毛に覆われたナナチという獣人のような生物と出会います。「んなぁ~」という口癖が本当にかわいいです(≧▽≦) かなりネタバレになりますが、ナナチは実は人間であったことがわかり、アビスの呪いによって獣人のような姿になってしまったのですよ……(´-ω-`) ナナチの他にも、作中で「成れ果て」と呼ばれる謎の生物が存在しているのですが、何とその成れ果ても元は人間で、アビスの呪いで姿を変えられてしまったということが判明します。

 

 で、説明が長くなってしまいましたが、本作はそのアニメの続きで、ナナチが獣人のような姿に変わる原因を作った黎明卿の二つ名をもつボンドルドという白笛の探窟家との戦いをメインに描かれています。ボンドルドのビジュアルがとってもカッコいいのよ(≧▽≦) 全身黒ずくめのコートに身を包み、謎の仮面をつけて顔がわかりません。仮面の男ってロマンですよね~( ̄▽ ̄) 

 

 仮面の人物がでる作品は絶対面白いです(異論は認めます)。そして、仮面の人物は高確率で人気キャラになる、間違いありません(。-`ω-)(異論は認めます)。例えば、日本で一番知られた仮面の男、作品は知らなくてもその人物なら誰でも知っているでしょう。数々の名言を残し、ある一族への復讐に燃え、名前を偽り、戦争を生き抜き、多くの作品のパロディに使われる仮面の男といえば! 勘の良い皆さんならもうお気づきですね。そうです、スケキヨの二つ名を持つ青沼静馬です(≧◇≦)(シャア・アズナブルちゃうんかい( `ー´)ノ その前振りは間違いなくシャアやろ!)。

 

 いやいやいや、日本で一番知られた仮面の男といえば横溝正史犬神家の一族』のスケキヨでしょ( ̄▽ ̄) ほら、スケキヨが言った「フフフ……珠代の言ったことは本当だよ。あんたの大事な佐清さんは、とっくにどこかに消えちまったよ!」や「おまえは一体……」と訊かれたときの「青沼静馬だよ!」は日本映画史に残る名言です(≧▽≦) パロディされまくっていて、バニラはパロディでスケキヨを知ったくらいですからね。『犬神家の一族』を観たときも、パロディが勝っていて、スケキヨが登場するときとか、何故か大笑いしてしまいますもの( *´艸`) 以前『笑ってはいけない』の大晦日版だったかな? で、犬神家の一族のパロディをしていて、大笑いしましたよ(≧▽≦) 

 

 話しがそれてしまいましたが、このボンドルドもスケキヨに負けず劣らず良いキャラに仕上がっています。かなりのマッドサイエンティストですが、なぜか憎み切ることのできないキャラです……(´-ω-`) 子どもを使った人体実験を平然と行う、常人の感覚からしたらとんでもないサイコパス腐れ外道なのですが、何かを成し遂げ、世界を変えることができるのはこんな人なのだろうなと思わされるのです。

 

進撃の巨人』でアルミンが言った

何かを変えることのできる人間がいるとすれば、その人はきっと大事な物を捨てることができる人だ。

化け物をしのぐ必要にせまられたのなら、人間性をも捨て去ることができる人のことだ。

何も捨てることのできない人には、何も変えることができないだろう。

という名言が表してくれているとおり、何かを変えることのできる人間には、良くも悪くもボンドルドのような性質が必要なのだと思われるのです(´・ω・`) 等価交換の法則、トレードオフの法則なのですよね……。

 

 そんなの無理だとわかってはいても、みんな救われる方がいいというのが本音ですよね。バニラも同意です(。-`ω-) 誰かが切り捨てられることが当たり前なそんな世界なら、みんな仲良く滅びてしまえばいいと思います(゚∀゚) というのはいい過ぎですが、最大多数の最大不幸で、森羅万象すべてに優しい世界になって欲しいと思いますね。

 

PS ボンドルドとの戦いは最終回かってくらい凄いです。アビスの環境や持てる道具を駆使した頭脳戦はアニメ・漫画史に語り継がれてもいい名バトルだと言っても過言ではありません('◇')ゞ