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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

韓国映画 ドラマ『ベイビー・ブローカー』「手紙を残して迎えに来る母親が何人いると思う?」

引用元:gaga.ne.jp|

ストーリー

古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。
一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジンぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。〈赤ちゃんポスト〉で出会った彼らの、特別な旅が始まる―。

引用元:https://filmarks.com/movies/92464

 

万引き家族」の是枝裕和監督が、「パラサイト 半地下の家族」の名優ソン・ガンホを主演に初めて手がけた韓国映画。子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が織り成す物語を、オリジナル脚本で描く。古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンとイは、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが……。ソン・ガンホのほか、「義兄弟 SECRET REUNION」でもソンと共演したカン・ドンウォン、2009年に是枝監督の「空気人形」に主演したペ・ドゥナら韓国の実力派キャストが集結。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

2022年製作/130分/G/韓国
原題:Broker
配給:ギャガ
劇場公開日:2022年6月24日

引用元:https://eiga.com/movie/93673/

登場人物・キャスト

ハ・サンヒョン
演 - ソン・ガンホ
ベイビー・ボックスに入った赤ん坊の新しい両親を探し、特別な取引をする自称善意のブローカー。「サンヒョン」は愛称で、本名は別にある。離婚歴があり、元妻と娘がソウルに住む。ソウルに赴いた折に娘と会うが、関わりを持ちたくないという再婚した元妻からの言葉を伝えられる。
ユン・ドンス
演 - カン・ドンウォン
サンヒョンのパートナー。ブローカー[11]。教会に勤め、乳児の横流しを手伝っていた。養護施設出身で自身も捨て子だった。
ムン・ソヨン
演 - イ・ジウン
ベイビー・ボックスに置かれた赤ちゃんの母親。予期せずサンヒョンとドンスの旅路に合流する[12]。身寄りのない子を集める女性の元で暮らし、売春をおこなっていた。自称では麗水の出身。作中では最初「ソナ」という偽名を名乗っていた。
アン・スジン
演 - ペ・ドゥナ
ブローカーの旅路を執拗に追いかける刑事[13]。髪はショートカット。「子を捨てた母」に対して不快な感情を隠さない。
イ刑事
演 - イ・ジュヨン
スジンと共にブローカーを追いかける後輩[14]スジンが執拗に「現場摘発」を望むことを、自分たちが一番斡旋を望んでいるのかもしれないと評する。
ヘジン
演 - イム・スンス
ドンスが育った施設の後輩にあたる男児。夢はサッカー選手で、名前は施設の牧師から付けられた(漢字表記は「海進」)。施設を出ることを望み、サンヒョンのワゴン車に忍び込む。
ウソン
演 - パク・ジヨン
ソヨンの子どもの乳児(男)。名前はソヨンの命名で漢字表記は「羽星」。眉毛が薄く、サンヒョンがソヨンのマスカラを塗ったこともある。

カメオ出演

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ベイビー・ブローカー

感想

万引き家族』で知られる是枝裕和監督が、韓国の名優たちを起用して描いた『ベイビー・ブローカー』。

万引き家族』と同様、児童売買や、貧困、売春、家族など難しい社会問題を扱った作品でした。

古びたクリーニング屋を営む、ソン・ガンホ演じるサンヒョンは、子供を育てられない人が赤ちゃんを預けるベイビーボックスから赤ちゃんを盗み、赤ちゃんを欲しがる人に売るベイビー・ブローカーをして金儲けをしていたのです。

引用元:映画『ベイビー・ブローカー』

一応、補足しておきますと、本作にはベイビーボックスという作中世界の制度があり、産んだものの子供を育てられない親が、匿名で子供を預けられるようになっているようです。

作中でベイビーボックスがあるから「無責任な親が付けあがるんだ」ということが言われているので、必ずしもいい制度であるとはされていないようです。

 

そんなある日、ウソンという赤ちゃんが「迎えに来る」という手紙と共にベイビーボックスの中に預けられたのです。

サンヒョンはベイビーボックスからウソンを盗み出し、売り払おうとしていましたが、翌日ウソンの母親ムン・ソヨンが、何故かウソンを引き取りに戻って来たんですね。

ですが、ソヨンが預けたウソンはいなくなっており、不審に思ったソヨンが警察に通報しようとすると、サンヒョンと仕事のパートナーであるユン・ドンスは慌ててソヨンに事情を説明するのです。

 

そこから、不思議な協力関係になり、ソヨンは自分の赤ちゃんを売ったお金をもらうために、サンヒョンたちに協力することになるんですよ。

引用元:映画『ベイビー・ブローカー』

なんて、酷い母親と、人達なんだ……(>△<)

と、最初こそ思ってしまうのですが、彼女や彼らが置かれた境遇を知っていくと、酷いの一言で批難する方が酷いことだとわかるんですね……(´-ω-`)

当然ですが、ソヨンも赤ちゃんを捨てたくて捨てたわけではなかったことが明かされます。

だからといって、それが免罪符になるわけではありませんよ。

 

作中でドンスとソヨンがこのような問答を繰り広げます。

ドンス「手紙を残して迎えに来る母親が何人いると思う?」

ソヨン「知るかよ」

ドンス「40人に1人。39人は連絡してこない」

ソヨン「母親だけ責めないで、父親にも言いなさいよ」

ドンス「せめて連絡先を残すとかさ」

ドンスがソヨンに強く当たるのにも理由があって、ドンスも親に捨てられており、成長するまでずっと自分の親は迎えに来てくれる40人のうちの1人だと思っていたのです……。

 

けれど、親は迎えに来てくれなかった。

このような話を聞くたびに毎回思いますが、親も人間なんですよね……(´-ω-`)

美しい物語のようなできた親は現実にはいたとしても、少ないのです。

太宰治は『桜桃』の中で「子供より親が大事、と思いたい」と書いています。

以前、その書き出しを読んだとき、モヤモヤして腑に落ちなかったのですが、今読むと悲しいかな、その心理も理解できる気がするんですよ( ;∀;)

子供は当然大事ですが、自分も大事……。

 

ニュースで流れるような事件は氷山の一角で、世の中には無責任な親が沢山いるでしょう。

それでも、子供からしたらどんな親でも親なのです。

その運命からは良くも悪くも、死ぬまで逃げられない……血は水よりも濃い。

悲しいかな、子供はどんな酷い親からでも愛されたいと思ってしまうんです(/_;)

 

話は戻りまして、ウソンを好条件で売る為に、色々な家族と出会いますが、そんなサンヒョンたちを尾行している者がいました。

そうです、警察が現行犯逮捕するためにずっとつけて来ていたんですね。

引用元:映画『ベイビー・ブローカー』

ですが、なかなか交渉が成立せず、痺れを切らした警察はソヨンの過去の出来事を脅迫の材料にして協力を迫るのでした。

万引き家族』のときと同様、この不思議な関係がなんとも言えなくて、まるで家族のようなんですね(T▽T)

今まで孤独な人生を送って来た人々が、つかの間の家族になり、愛とも呼べる気持ちを知るのです。

物語のクライマックスでソヨンがみんなの名前を呼びながら「生まれてきてくれて、ありがとう」という場面があるのですが、そこで泣きそうになりました(/_;)

親から捨てられ、存在自体を全否定された者たちが、「生まれてきてくれて、ありがとう」と言ってもらえたのです。

世の中にいる40人のうち39人が酷い親だったとしても、残る1人は良い親なのでしょう。

ソヨンはその40人のうちの1人に入るのかを決めるのは、視聴者なのです――。

予告

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