ストーリー
1988年7月16日、関東地方で「新型爆弾」が炸裂し、第三次世界大戦が勃発。それから31年後、2019年の新首都「ネオ東京」では、反政府ゲリラと軍(アーミー)との衝突が続いていた。
不良少年の金田は、山形・甲斐・鉄雄といった仲間と共に、オートバイでの暴走に明け暮れる日々を繰り返していた。ある日、暴走中に鉄雄がタカシと衝突したことで警察に捕えられ、金田は留置所で出会ったケイに一目惚れする。
一方、事故をきっかけとして能力に目覚めた鉄雄は、同時に自我を肥大化させ、病院から脱走。見知らぬ少年の幻覚や幻聴に苛まれるようになり、怒りに任せて力を振るうようになっていく。そんな鉄雄を軍はアキラと並ぶ能力を秘めた実験体として管理下に置こうとするが、幼児期から金田に庇護されてきた鉄雄のコンプレックスを刺激するだけだった。鉄雄を止めるべくタカシらナンバーズも直接、あるいはケイを介して鉄雄との接触を試みるが拒絶される。
金田はケイと共に、軍のラボに潜入して鉄雄を救おうとするが、暴走した鉄雄によって山形たちが殺されたことで、鉄雄との対決を決意する。
鉄雄は軍や暴徒を退けて、導かれるように2020年東京オリンピック会場の地下に向かいアキラの封印を解く。しかしそこにあったのは、分析のためにバラバラに分解され冷凍保存されたホルマリン漬けの臓器であった。駆けつけた金田が鉄雄との対決に敗れる一方、軍の敷島大佐が「SOL」によるレーザー照射を実行。鉄雄はこれによって右腕を失うが、能力によって衛星軌道へ飛びSOLを破壊、墜落させる。鉄雄は右腕の代わりとして、瓦礫の破片を素材として義手を作り上げる。
翌日、オリンピックスタジアムの玉座に座る鉄雄は、大佐の説得を拒否。この時鉄雄は、肥大する能力のコントロールを失いつつあり、その兆候は肉体にも現れはじめる。金田との最終決戦の末に制御不能となった鉄雄は膨張する肉と機械の塊のような怪物へと変貌を遂げる。カオリが真っ先に絞め殺される中、金田は辛くも脱出。暴走する鉄雄の肉塊がタカシ、キヨコ、マサルらナンバーズを飲み込もうとした瞬間、ついにアキラが覚醒する。アキラを中心に発生した光の球体があらゆるものを吸い込み破壊しながら拡大する中、光に飲み込まれる鉄雄の救いを求める声に呼応するかのように金田がアキラの光へ飛び込み、ナンバーズらも後を追う決心をする。
光の中に吸い込まれた金田の脳裏によぎる、幼いころの鉄雄の記憶。そしてナンバーズから、人々の間にもアキラの力の目覚めが始まっていることを知らされた金田。鉄雄はナンバーズとアキラによって、新たに誕生した宇宙へ運ばれ、金田はケイの呼び声で元の世界へ引き戻される。
ネオ東京を飲み込んだ光の球体はやがて暗黒の球体へと変貌。それが中心へと収縮するとすべてを吸い込む爆風が起こり、ビル群を巨大な津波が襲いネオ東京は完全に崩壊する。
スタジアムの瓦礫の山で辛うじて生き延びた金田は、粒のように小さくなりながら消えてゆくアキラの光を捕まえ握りしめ、鉄雄の名をつぶやく。同じく生き延びていたケイ・甲斐が合流し、三人は廃墟の谷間をバイクで疾走、嵐が晴れてゆく中を崩壊したネオ東京へ去っていった。
光の中では「僕は鉄雄」というつぶやき声が響き、宇宙の暗闇が広がり新たな銀河が次々とあふれ出す。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/AKIRA_(アニメ映画)
登場人物・キャスト
キャラクター | 日本語版 | 英語版 | 英語版(DVD版) |
---|---|---|---|
金田 | 岩田光央 | カム・クラーク | ジョニー・ヨング・ボッシュ |
鉄雄 | 佐々木望 | ジャン・ラブソン | ジョシュア・セス |
ケイ | 小山茉美 | ララ・コーディー | ウェンディー・リー |
敷島大佐 | 石田太郎 | トニー・ポープ | ジェーミソン・プライス |
ドクター(大西) | 鈴木瑞穂 | ルイス・ルメイ | シモン・プレスコット |
竜 | 玄田哲章 | スティーブ・クレイマー | ロバート・ブッフホルツ |
根津 | 大竹宏 | トニー・ポープ | マイク・レイノルズ |
マサル(27号) | 神藤一弘 | ボブ・バーゲン | トラビス・ウェイバー |
タカシ(26号) | 中村龍彦 | バーバラ・グッドソン | コディー・マッケンジー |
キヨコ(25号) | 伊藤福恵 | メローラ・ハート | サンディ・フォックス |
カオリ | 淵崎有里子 | バーバラ・ラーセン | ミシェル・ラフ |
山形 | 大倉正章 | トニー・ポープ | マイケル・リンジー |
甲斐 | 草尾毅 | ボブ・バーゲン | マシュー・マーサー |
ミヤコ | 北村弘一 | スティーブ・クレイマー | ウィリアム・フレデリック・ナイト |
取調官 | 池水通洋 | ボブ・バーゲン | スティーブ・ステイリー |
アーミー | 荒川太郎 田中和実 |
スティーブ・クレイマー | カート・P・ウィンバーガー |
崎山技師 | 加藤正之 | ||
春木屋店長 | 秋元羊介 | ボブ・バーゲン | ジョン・スナイダー |
渡辺 | 荒川太郎 | ジャン・ラブソン | スキップ・ステルレッヘト |
竹山 | 平野正人 | ジャン・ラブソン | エディ・フライアーソン |
桑田 | 岸野幸正 | ボブ・バーゲン | ジョナサン・C・オズボーン |
ゲリラ | 平野正人 | ウォーリー・バー | マイケル・マコノヒー |
島崎 | 岸野幸正 | トニー・ポープ | ロバート・アクセルロッド |
高場 | 二又一成 | ||
ミヤコ信者 | 塩屋浩三 | ||
少女A | 藤井佳代子 | ララ・コーディー | ジュリーアン・テイラー |
少女B | 豊島まさみ | ジュリー・フェラン | パトリシア・ジャ・リー |
少女C | 大野由佳 | バーバラ・グッドソン | ダイアン・ディロサリオ |
最高幹部会議員 | 北村弘一 岸野幸正 加藤正之 平野正人 荒川太郎 池水通洋 |
ルイス・アークエット カム・クラーク ルイス・ルメイ バーバラ・グッドソン スティーブ・クレイマー ジャン・ラブソン ボブ・バーゲン |
マイケル・フォレスト ピーター・スペロス ダン・ロルジュ ボブ・パーペンブルック マイケル・ソリッチ ダグ・ストーン ポール・セント・ピーター クリストファー・キャロル |
その他 | 小林通孝 梅津秀行 稲垣悟 |
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/AKIRA_(アニメ映画)
感想
日本が世界に誇る大友克洋さんによるジャパニメーションの原点『AKIRA』。
『AKIRA』以前も手塚治虫さんが、ディズニーに影響を受けて様々なアニメーションを制作していましたが、世界ではそれほど認知されていなかったそうです。
何故なら『AKIRA』以前のアニメは子供が観るものという認識が強かったからでしょう。
『AKIRA』以前のアニメ=漫画はディズニーに影響を受けた手塚治虫さん率いる、トキワ荘の漫画家たちがけん引してきた、デフォルメの強い文字通りの漫画絵が主流でしたが、『AKIRA』からはリアリティのある劇画チックな絵が主流となり、よりドラマティックな人間ドラマが描かれるようになり、大人が観て楽しめるジャパニメーションが誕生したのだと思われます。
『AKIRA』の何がすごいって語り出せば切りがありませんが、一番は背景の描き込み描写力ではないでしょうか。
現在はデジタルが主流となり、写真をトレース漫画的に加工して貼り付けことでリアリティある背景が制作できるようになっていますが『AKIRA』が描かれた時代はアナログだったのです。
アナログであれだけ遠近法を駆使し、緻密で繊細な背景を描こうと思うなんて……もはや狂気(・□・;)
よく見るとわかりますが『AKIRA』の舞台となっているネオ東京の街並みは、現代の街並みと違って天まで届きそうなほどの高層ビルがひしめいているんですね。
まるでブリューゲルの『バベルの塔』を見た時のような気持にさせられるのです。
どれだけ街が発展しているのか、一目でわかりますよね( ̄▽ ̄)
そんなジャパニメーションを築き上げた大友克洋さんが原作・監督を自ら務めたのですから、背景が凄いのはおわかりだと思います。
前回の『メトロポリス』でも書いていますが『AKIRA』の総作画枚数は15万枚らしいです。
これは多くのジブリ作品よりも多い作画枚数らしいのです!
この作画枚数のおかげで、絵がヌルヌル動くのなんの(≧▽≦)
中でも金田と鉄雄が戦うときの、有象無象の瓦礫が崩れ落ちる場面など圧巻。
この細かいディテールの積み重ねが、子供だましではない大人が観て楽しめるアニメになっている理由だとバニラは思うのでした( ̄▽ ̄)ゝ