ストーリー
不思議な動物モグワイから派生する凶暴なグレムリンが巻き起こす騒動を描くホラー・コメディのシリーズ第2弾。エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグとキャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、製作はマイケル・フィネル、監督は「メイフィールドの怪人たち」のジョー・ダンテ、脚本はチャールズ・S・ハース、撮影はジョン・ホラ、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。出演はザック・ギャリガン、フィビー・ケイツほか。日本版字幕は菊地浩司。カラー、ビスタサイズ。ドルビーステレオ。1990年作品。
1990年製作/アメリカ
原題:Gremlins 2: The New Batch
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1990年8月3日
故郷の街からニューヨークにやって来たビリー(ザック・ギャリガン)とケイト(フィビー・ケイツ)は、ダニエル・クランプ(ジョン・グローヴァー)の支配する高層ビル、クランプ・センターで働いていた。チャイナタウンの再開発を計画するクランプは、破壊工事を始め、そこで研究所員がギズモを発見し、センターに連れてゆく。ビリーは、研究材料にされかかっているギズモを助けるが、ふと目を離した隙に水を浴びてしまい、ギズモからグレムリンが生まれてしまう。大量発生したグレムリンたちは、植物の品種改良の研究をしているキャサター博士(クリストファー・リー)の研究室に潜り込み、ただでさえ乱暴なグレムリンが、バイオテクノロジーのパワーでより凶暴になってゆく。ビリーとケイトは、慌ててその事態に対応しようとするが、とても彼らに敵うわけがなく、最先端のコンピューターが管理する巨大ハイテクビルはグレムリンたちに占領され、その機能はすっかりマヒしてしまう。そんな最悪の事態を救ったのは好奇心溢れるギズモの勇気で、大混乱の末にビリーとケイトは、グレムリンたちを退治するのに成功するのだった。(ワーナー・ブラザース配給*1時間48分)
引用元:https://eiga.com/movie/44108/
登場人物・キャスト
- “ビリー”ウィリアム・ペルツァー
- クランプ・センターの従業員で、チャイナタウン再開発のプロジェクトデザイナー。
- “ケイト”キャサリン・ベリンジャー
- クランプ・センターの従業員で、案内嬢。前作から引き続きビリーと交際している。
- ダニエル・クランプ
- クランプ・センターのオーナー。白黒映画ではなくカラー映画を好む。シュレッダーを駆使してグレムリンを1匹撃退したことからビリーの話を信用し、彼に協力する。
- 終盤でビリーに「ビルをこんなにしてすみませんでした」と謝られたが、「いいよ。この施設は保険に入っているし、次にここは人間が住むのに似つかわしいところじゃなかったからね」と現金な理由ながらも、朗らかに許した上、マーラと恋に落ちた。ドナルド・トランプがモデル。
- グランパ・フレッド
- クランプ・ケーブル・ネットワーク(CCN)のホラー映画番組の司会者で、ドラキュラに扮している。若い頃は報道キャスターになるのが夢だった。
- グレムリンによる騒動に便乗し、見学ツアーの参加者であるカメラ小僧のカツジをカメラマンとして引き連れ、ブレインにインタビューするなど、今回の騒動を独断で生中継する。
- フォースター
- クランプ・センターのセキュリティ担当者で、クランプの右腕。ガールに一目惚れされ、執拗に迫られてしまう。
- カテーテル博士
- クランプ・センターにテナントを構える研究所の所長。新鮮な細菌を求めている。
- マーラ・ブラッドストーン
- ビリーの上司。当初はビリーに厳しく当たっていたが、クランプがビリーを評価した途端に色仕掛けで接するようになる。結局は玉砕するものの、終盤にクランプと互いに恋に落ちた。
- カツジ
- クランプ・センター見学ツアーの参加者の一人。自他共に認めるカメラ小僧で、常に大量のカメラを持ち歩いている。
- グレムリンによる騒動を番組の一種と勘違いするが、騒動の渦中にカメラマンとしての才能をフレッドに見込まれ、彼と行動を共にすることになる。
- マレー・ファッターマン
- ビリーの近所に住んでいた農夫で、前作での騒動が起きる以前からグレムリンの存在を頑なに信じていた唯一の人物。
- 前作では除雪車を暴走させたグレムリンに自宅を襲撃され、妻のシーラと共に病院に運び込まれたが幸い一命を取り留め、本作では妻と一緒にビリーの元へ来訪。セント・エバ・マリー寺院付近でバットの襲撃を受け、撃退した末に一人クランプ・センターへ潜入し、ビリーに協力する。
グレムリン[編集]
今回登場するグレムリン、モグワイは共に個体差がバラエティに富んでいる。最初に現れるモグワイは4匹とも違いがあり、後から大量出現する通常のグレムリンも2タイプ(茶色と緑色)に分けられる。その後に生まれる新種のグレムリンも含めると、その種類は十数種類に及ぶ。前作ではグレムリンらは独自の言語を使うような描写があったが、本作ではそれが無視され、ある程度人語を喋るようになった。
- モホーク
- 最初に現れたモグワイの一匹。頭にストライプがあり、グレムリン時には連なった鋭い突起に変化している。幾度もギズモをいじめるなど、前作登場したストライプのオマージュが見られる。人間をパンチで気絶させるなど、格闘技にも秀でている。グレムリンの中でも突出して冷酷・残忍な性質を持つ。
- 後半では、蜘蛛の遺伝子を取り込み、スパイダーモホークに変貌する。ヒロイン2人を絡め捕り窮地に陥れるが、『ロッキー』や『ランボー/怒りの脱出』に影響を受け奮起したギズモに火矢で攻撃され焼死する。
- ダフィー
- 最初に現れたモグワイの一匹。かなり知能が低い。いつも笑い声を立てているが凶暴で、その矛先は仲間にも向けられる。左右の眼球を別々の方向に回転させている。変態前の姿は他の3匹が黒毛なのに対し茶毛のため、ケイトがギズモと間違えて家に連れ帰ってしまった。そのためモホークとは殆ど同行していない。
- 歯科クリニックでビリーを拷問しようとする場面について、レーザーディスク版の解説は『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を元ネタと書いているが、"Is It Safe?"という台詞から『マラソンマン』のパロディと思われる(ただし、NHK-BS版まで含めても吹き替え・字幕版でパロディを意識させる翻訳は行われていない)。
- ジョージ
- 最初に現れたモグワイの一匹。エドワード・G・ロビンソンをモデルにしたという親父っぽい顔が特徴。知能は比較的高く、ダフィーとレニーのまとめ役。レニーとコンビで、しょっちゅうレニーに物をぶつけられる。
- レニー
- 最初に現れたモグワイの一匹。愚鈍な性格。特徴的な出っ歯と笑い声からも解る通りモデルはグーフィー。ジョージとコンビで、しょっちゅうジョージに物を当てる。
- ブレイン
- 脳ホルモンを飲んで急激に頭が良くなり、高度な思考と会話力を手に入れた。凸眼鏡をかけている。ニューヨークに憧れ、仲間達を集った。
- バット
- コウモリのバイオ遺伝子を取り込んだことにより変身し、羽が生えて飛行能力がついたグレムリン。作中では「空を飛ぶ唯一の哺乳類」と紛らわしい翻訳になっているが、手とは別に羽が生えたことを指している。ブレインに日焼け止め遺伝子を注射され太陽の下でも活動できるようになり、研究室の窓をバットマンのバットシグナルの形に破って外へ飛び出した。ファッターマン夫妻を襲うも反撃でセメント塗れになり退散、最後はセント・エバ・マリー寺院でガーゴイルのようにして固まった。
- ベジタブル
- 野菜の素を取り込んで耳がキャベツの葉になり、体中からトマトなどの野菜が生え出したグレムリン。
- エレキ
- 電気の素を取り込み、電線や電話回線を行き来できるようになった実体を持たないグレムリン。電話回線の中では「イドの怪物(『禁断の惑星』)」のようなルックスになる。
- ガール
- 性ホルモンを飲んで女性化したグレムリン。フォースターに一目惚れし、執拗に迫る。物語中モグワイ(ギズモ)を除き、グレムリンでありながら最後まで生き残っており、ウェディングドレス姿でフォースターに迫る場面で物語が幕を閉じる。
- ソフト版では最後の台詞だけ、マリリン・モンローとベティ・ブープの吹替えで知られる向井真理子が担当した。
キャスト[編集]
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/グレムリン2_新・種・誕・生
感想
よくある話ですが、1作目がヒットして2作目を作ると大ゴケするんですよね(^▽^;)
例にもれず本作『グレムリン2 新・種・誕・生』も社会的評価は良くなかったようです。
前作の監督だったジョー・ダンテも続編を作ってもコケるとわかっていたのか、それとも『グレムリン』は『グレムリン1』で完成された作品だと思ったのか「前作で十分だ」と続編制作に乗り気ではなかったそうです。
確かにバニラが観ても『グレムリン2』は蛇足だと感じました(^▽^;)
漫画などでもありがちな話ですが、作者が終わらせるタイミングを計算しながら描いていた作品が、人気が出てしまったために無理やり続きを描かされてしまうというケースはザラです。
続編を無理やり描いてそれがさらに面白くなる『ドラゴンボール』のような作品も稀にはありますが、そのような例は例外であって、多くの場合は引き延ばしすれば失敗します。
終わってしまうのは寂しいですが、スパッと終わるところで終わった方がいいとバニラは思います。
そんなわけでジョー・ダンテ監督も続編制作には反対していましたが、ワーナーブラザーズが「前作の5倍の製作費を出すから、上映時間2時間以内ならなんでもいい」という条件を出し、ジョー・ダンテ監督は監督を引き受けたとWikipediaに書かれていました。
何でもいいとワーナーが言ったせいで『グレムリン2』は前作以上に悪ふざけが利いています(^▽^;)
グロテスク描写もあり、まあなんとも酷い映画(誉め言葉)で、映画としての出来はともかく、エンタメとしてはめっちゃ面白いんですよ(≧▽≦)
開始早々『バッグス・バニー』のパロディから始まり、劇中では『ランボー』が流れていて、その『ランボー』を観たキズモがランボーの恰好をして、グレムリンと戦ったり、セクシーなグレムリンが登場して、人間の男性とイチャイチャしたりなどなど、小ネタやブラックジョークなどが良い味だしています。
でもやっぱり、前作のような作品としての深さは感じられない、娯楽だけの映画になってしまった感はあります。
バニラが思うに前作の設定が『クリスマス』だったというのが良かったのだと思います。
別に前作も設定をクリスマスにする必要性はない作りにはなっているのですが、あえてクリスマスに設定することで、ヒロインの語る悲劇の過去回想や皮肉に、クリスマスの浮かれた雰囲気に呆ける人々へ一石を投じる効果が生じ、グレムリンを暴れさせることでクリスマスに恵まれない非リア充の魂の発露となり、グロテスクなアンチテーゼ的ブラックさがよかったと思うのです。
が『グレムリン2』のブラックジョークやグロテスク描写は、ただエンタメとしてのグロテスク描写であり、そこに哲学的な皮肉が感じられませんでした。
映画としての完成度は『グレムリン』ですが、エンタメとしての完成度なら『グレムリン2』というところでしょうか( ̄▽ ̄)ゝ