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アニメ ファンタジー『メイドインアビス 烈日の黄金卿』「闇に目を凝らすのだ。誰も見つけたことのない光は、真の闇の中にしかない」

引用元:コラボカフェ

メイドインアビス』はすごい(≧▽≦) 何がすごいって、キャラクターや成れ果て、原生生物、アビスの世界観のデザインがすごい! 世界観を引き立たせる装飾品や衣装などのディテールがすごい!

 

 地下に潜って行くという設定の斬新さに、残酷なまでのストーリーがすごい。ワクワクドキドキ夢が詰まった冒険アニメですよ(*´▽`*) 奈落の底には何があるのかとか『ワンピース』のロジャーが置いてきたというこの世の全てと言われるワンピースの正体くらい気になりませんか(≧▽≦)

 

『ワンピース』でも黒ひげが「人の夢は! 終わらねェ!」という名言を残していますが『メイドインアビス』も「憧れは止められねえんだ!」という名言を残しています。この言葉が共通するように人の夢や憧れ、つまり好奇心は例えパンドラの箱のように災いが待っていようと、いつの時代も止められないのです! 

 

 先が気になってしょうがない作品の一つです。ファンはただ完結を願って待つことしかできませんが、原作者つくしあきひとさんの健康の問題や、描いている作品の性癖などから、作者死亡で未完結か、作者が逮捕されて未完結になるとネタにされているんですよね(^▽^;)

 

 確かに描かれている内容はサイコパシーが高く、登場するキャラクターはロリですが、岡田斗司夫さんも『メイドインアビス』を語られていましたが「ロリ絵じゃなければ見れない」ですよ、この作品……(;^ω^)

 

「確かにな~(^▽^;)」と思います。つくし卿(ファンは敬意を込めて「つくし卿」と呼んでいます)のあのファンシーでポップな絵柄だから、こんな度し難い作品が観られるのです。

 

 これが『火垂るの墓』のような絵柄だったらどうです? 金曜ロードショーでやっていても、観れないんですよ( ;∀;) 「昭和20年9月21日夜。ぼくは死んだ」「お母ちゃんのおべべあかん。お母ちゃんのおべべあかん」「それから、またドロップなめたい」「なんでホタル直ぐ死んでしまうん?」とか辛すぎて観られませんよ(T_T)

 

 だけどつくし卿のあの絵柄だから観られます。まあつまり、それだけグロテスクで残酷で哲学的で重い作品なのですが、不思議と観れるのはあの絵柄とロマンが詰め込まれているからだと思います。

 

 前置きが長くなりましたが、本作は2017年7月に放送されたテレビアニメ第一期と劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』の後の話になってます。

 

 深き魂の黎明で仲間になったプルシュカと共に二度と戻れない深界六層(帰らずの都)にラストダイブしたところから物語は始まりますが、第一話は数百年前に黄金卿を求めてアビスの深界に潜ったワズキャンをリーダーとしたガンジャ隊というメンバーの回想で幕を開けるので戸惑われる方も多いと思いますね( ̄▽ ̄)

 

 第二期の前半ではガンジャ隊のメンバーの一人であるヴエコという女性の回想と、我らが主人公リコをリーダーとしてリコさん隊の話が交互に交差しながら繋がっていく構成になっています。

 

 どうして数百年も前に潜った人々がリコたちの時代に生きているのか? と疑問に思われた方もいるでしょう。まだ詳しいことはわかっていませんが、どうもアビスの中は時間の進む速度が地上とは違うらしいんですね(。´・ω・)?

 

 この後SF作品でありそうな未来と過去が交錯して、アビスの成り立ちから終焉までが描かれる感じの展開になるのか期待です(*´▽`*)

 

 そんなガンジャ隊のみんなは多くの犠牲を出しながらも深界六層に到達するのですが……ある悲劇に見舞われてしまうのですよ(´-ω-`) ガンジャ隊のみんなは第六層にある水を飲んだことで謎の病にかかり次々と倒れてしまいました。

 

 なんと水に擬態した原生生物を体内に取り込んでしまったことが原因だったんですね(;^ω^) 食べるものもなく、ガンジャ隊のみんなは衰弱し瀕死の状態です。そんな中においてもワズキャンだけは元気(^▽^;)

 

 ワズキャンはイルミューイという少女に欲望の揺籃という、使用者の願いを歪んだ形で叶えてくれる遺物を使い、食料を調達していたんです。文章だけの説明ではわかりずらいですが、イルミューイは子供が産めない体という理由で村八分にあっていて、ガンジャ隊に加わった過去を持つんですよ。

 

 つまり子供が産めないイルミューイの願いが子供を産むことであり、欲望の揺籃は子供を産みたいというイルミューイの願いを歪んだ形で叶え始めるのです……( ;∀;) すべての悲劇はここから始まりました。

 

 イルミューイから生まれて来る子供はすぐに死んでしまう運命でした……。それでもイルミューイは子供を産み、死別の苦しみと産みの苦しみを何百回、もしかすると何千回と味わうのです……。

 

 と、ここまでならイルミューイ一人の苦しみで終わったでしょうけど、なんとワズキャンがイルミューイから子供を取り上げて、ガンジャ隊のみんなに食べさせていたことが判明しますΣ(゚Д゚)

 

 つまりみんなイルミューイの子供を食べたことで生き長らえているわけで、罪の共有つまり共犯関係になってしまったわけですよ……( ;∀;) 共犯関係にすることで反対者を減らすという、ワズキャンは罪な人です(^▽^;)

 

 道徳倫理に反することだとわかっていても、食べなければ自分たちは死んでいた……。まるで飢饉のとき、メドューズ号の筏のような遭難事故のとき、あるいは戦争による食料難のときの人肉食と同じですよね……( ;∀;)

 

 つまり多数を助けるか、少数を助けるかのトロッコ問題、あるいはカルネアデスの板の問題なんですよ(´-ω-`) イルミューイの子供を料理してみんなに振舞うというワズキャンのしたことは生理的に嫌悪や罪悪感を感じますが、そうしなければみんな死んでいたかもしれないのです。

 

 この問題を議論し出すと何千文字も使ってしまうのでこれくらいにしますが、ガンジャ隊たちの置かれた状況を自分事のように考えると、ワズキャンを一方的に責めることができないんですよね(´-ω-`) 

 

 それを思うと三賢のヴエコとガンジャ隊の副リーダー的存在のベラフは気高く強くて弱く、弱くて強い人だなと思います……。ヴエコとベラフは自分がイルミューイの子供を食べて生き延びたことを知ると、自責の念に堪えられず自ら死を選べる人なんですよ……。

 

 バニラを含め最大多数の人はそのようなことがあて自責の念こそ抱けど、仕方がなかったで済ませてしまうと思います。だって今だって、文明が発展していく過程で多くの戦争や研究などで犠牲になって来た人や動物、自然は想像することすらできないくらいありますが、それらに自責の念は抱いても平気で文明を享受し生きてますからね(´-ω-`)

 

 劇場版の『メイドインアビス 深き魂の黎明』で登場したボンドルドもそうですが、ボンドルドのしていることがどうあれ、人類の発展に多大な影響を与えて、犠牲になった人や動物よりも多くの命を救っているわけですよ……。度し難い(-_-;)

 

 ワズキャンやボンドルドはトロッコ問題で微塵の迷いもなく最大多数の命を助けるために、少数を切り捨てられる人なのです。進撃の巨人のアルミンの名言に『何かを変える人間がいるとすれば……大事なものを捨てることができる人だ』というものがあります。

 

 このセリフが言う通り、ワズキャンやボンドルドのような大事なものでも捨てることができる人間がいたから、人類は発展することができたんですよ(-_-;) 度し難い、度し難いぞ! 

 

 今バニラたちが享受している文明の利器や科学技術の陰に、多くの人や動物が犠牲になっているわけですよ。それらに耐えられない人が革命を起こしたり、今より世の中を良くしようと行動してくれているわけです。真似できません( ;∀;)

 

 ワズキャンのしたことは生きることを優先するなら、多くの犠牲や恨みを生み出そうと正しかったと言えます。イルミューイと子供たちの犠牲の上に生き延びてしまいガンジャ隊みんなは成れ果てになってしまうのですが、最後にイルミューイの子供である奈落の姫ファプタの手によって贖罪されすべてが清算されるエンディングは神々しいくらいによくできたエンディングだと思います。

 

 どんな人生を送ったらこんな物語が描けるんだって思います(^▽^;) そのような倫理道徳を揺さぶられる演出やストーリー作りが本当に巧いアニメで、最終章まで制作して欲しいアニメですね( ̄▽ ̄)

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