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映画 歴史/ドラマ『ヒトラー ~最期の12日間~』「ヒトラーの中のジキルとハイド」

引用元:Amazon

ストーリー

独裁者アドルフ・ヒトラーの最期の12日間を克明に描いた実録ドラマ。ヨアヒム・フェストによる同名研究書、およびヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録「私はヒトラーの秘書だった」を基に、「es エス」のオリバー・ヒルシュビーゲル監督がメガホンをとった。1942年、ミュンヘン出身の若い女性トラウドゥルは、ナチス総統ヒトラーの個人秘書として働くことに。1945年4月20日、ベルリン。ヒトラーは迫りくるソ連軍の砲火から逃れるため、側近たちとともにドイツ首相官邸の地下要塞に避難する。その中にはトラウドゥルの姿もあった。誰もがドイツの敗戦を確信していたが、もはやヒトラーは客観的な判断能力を失いつつあった。「ベルリン・天使の詩」の名優ブルーノ・ガンツヒトラー役を熱演。トラウドゥル役に「トンネル」のアレクサンドラ・マリア・ララ

引用元:https://eiga.com/movie/52585/

登場人物・キャスト

親衛隊
国防軍
党幹部・側近
総統地下壕スタッフ
赤軍

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒトラー_〜最期の12日間〜

感想

 アドルフ・ヒトラーと言えば、1933年に首相に就任すると、瞬く間に軍事力を高め、ポーランドに進行し、ユダヤ人大虐殺から、優生思想を推し進めアーリヤ人による千年帝国の実現を目指し、世界を第二次世界大戦に導いた独裁者の代名詞的な人物ですよね。

 

 物語では決まってヒトラーは暴君で残虐な人物として描かれますが、本作は今までのヒトラー映画と違って、ヒトラーという人物を『ジキルとハイド』のように二種類の人格に分けて描かれています。

 

 一つはアドルフとしての優しい人格として、もう一つは総裁としての残酷な人格としてです。ここでは、アドルフをジキル的性格、総裁をハイド的性格と分類しましょう。アドルフは菜食主義者

引用元:映画『ヒトラー ~最期の12日間~』

質素倹約をモットーとし、身内には優しい人物だったらしいですね。

 

 そのため、当時は我々が思っている以上に部下や国民たちからは慕われていたらしいです。例えば、本作はヒトラーが秘書を選ぶところから始まるのですが、緊張してタイプライターのタイプが上手くできない、トラウドゥル・ユンゲの失敗を責めず、親身になってくれる場面とか見てると、心許してしまいそうになり、それが恐ろしくもあるんですよ(-_-;)

引用元:映画『ヒトラー ~最期の12日間~』

 例えるなら、頼れるお父さんのようなものでしょうか? もし何らかのトラブルに巻き込まれたとき、いざというとき頼りになるお父さんと、いざというとき頼りにならない父さんだったら、どっちがいいでしょうか?

 

 ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツの演技力のなせる業かも知れませんが、本作のヒトラーを観ていると父性を感じます。どちらかというと祖父性と言いますか、かわいらしさすらあります。

 

 ヒトラーが避難していた地下要塞にいる子供たちもヒトラーのことを、「ヒトラーおじちゃん」と呼んでいて、身内には慕われていたんだろうなということがうかがえますよね。

 

 質が悪いのはヒトラーは自身が行ったことを正義であると信じて疑っていないことですよね。すべての物事に言えますが、正義の対義語は正義であり、国家間同士の正義と正義の争いが戦争なんですからね(´-ω-`)

 

 ヒトラー本人は自身の行ってきたことを正義と思っていても、最大多数の人々にとっては悪であり、多数決原理の社会ではヒトラーは悪なのです。どれほど身内に優しかろうと、ヒトラーの意思で数えきれないほどの人々が死んでしまったのですから、ヒトラーのジキルとしての側面だけを見て判断しては行けないってことですよね。

引用元:映画『ヒトラー ~最期の12日間~』

 人には善と悪の両方の顔が必ずあるので、善い顔の方だけを見て、人を判断するのは気を付けなければいけません。映像も臨場感あり、エンタメ性はありませんが、歴史好きにはオススメできる名作映画だと思いました('◇')ゞ

予告

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