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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 ドラマ『キャスト・アウェイ』「我々は時間に縛られて生きている」

引用元:Amazon

「時は金なり」という言葉を体現した男チャック・ノーランドトム・ハンクス)はフェデックス運送会社の生産性改善のために世界中を飛び回すシステムエンジニアでした。

 

「87時間ありゃ、宇宙だって想像できる」と社員たちに時の大切さを力説するシーンは後のことを知ってから、改めて聞くと皮肉が利いてていいですね( ̄▽ ̄) 忙しい彼にはケリー・フレアーズという付き合っている女性がいて、婚約まじかで家族ぐるみの付き合いがあるようです。

 

 日本はクリスマスと言えば恋人と過ごす風潮が強いですが、欧米では家族と過ごすのが一般的で、そんな家族団らんのクリスマスの最中にも仕事の呼び出しが入るんです。「仕事と家族どっちが大事なの!」というのは世の妻たちの常套句ですが、そこで「仕事に決まってるだろ!」と答えたら夫婦仲は崩壊し即離婚ですね、はい( ̄▽ ̄)

 

 だけどケリーは仕事ばかりのチャックを尊重して、呼び出しのあったマレーシアに送り出すのです。チャックを空港に送り届ける立ち去り際、チャックは小さな箱をケリーに渡すんですよ(´-ω-`)

 

 恐らく婚約指輪が入っていたと思われます……。つまり帰ってきたら結婚する約束をしたわけですよ。別れ際にそんなもん渡すって、死亡フラグじゃないですか(^▽^;) 死亡フラグを知らない人の為に説明しますが、死亡フラグとは「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」「もうすぐ子供が生まれるんだよ」「今日は子供の誕生日なんだ」「後で追いつくから、おまえたちは先に行け!」とかいう人にはゲーム用語のフラグが立ったといって、死亡してしまう可能性が高くなるわけです( ̄▽ ̄)

 

 つまり、チャックも死亡フラグを立ててしまったのでただで帰れるわけないですよ。予想通りチャックの乗った飛行機は嵐に遭い、エンジントラブルかなんかで南太平洋のどこかに墜落してしまいましたΣ(゚Д゚)

 

 運がいいのか悪いのか、チャックだけが生き残って南太平洋の無人島に漂着します。文明社会に暮らしていた人が無人島に漂流したらほとんどの人は水も食料も得られず死んでしまうでしょうが、チャックは南の島の豊かな環境と、持ち前のサバイバル術を駆使して生き残ります。

 

 考えてみてくださいよ、無人島に一人漂着したらどうやって生きられますか? 水を得て、火を熾して、食料を取り、雨風をしのげる場所を見つける。知識ではわかっていても、実際問題になるとフィクションのように順調にことが運ぶはずないでしょう。

 

 チャックは最初火を熾すにも苦労し、潰れた豆の痛みに周辺の物にあたります。そのとき血だらけになった手で、フェデックス社の配送品であったウィルソン製のバレーボールを叩いたのですが、そのときに付着した血の形が人の顔のように見え、チャックはそのバレーボールにウィルソンと名付け友としました。

 

 これが本当の「ボールはともだち」ということですね(≧▽≦) 抱腹絶倒の大爆笑をさらったところで、続けましょう(*'ω'*) チャックのウィルソンへの態度は異常なように思われますが、チャックはウィルソンを本当の人として扱うことで、極限の精神を保っていたのだと思うので冷たい目で見ないでくださいよ(>_<)

 

 それから4年の歳月が流れ、始めはおじさん体型だったトム・ハンクスが4年の無人島生活を経て引き締まった体になり、歴戦の猛者のような風貌になって登場します。世間にはダイエット本やダイエットグッズ、ダイエットのメソットなどに莫大な経済効果がある通り、ダイエットに悩んでいる人が多いみたいです。

 

 そんな人たちに絶対に痩せるダイエットとしてオススメしたいのは、無人島ダイエットです! そこら辺のジムに通うより、ダイエット商品を買うより、無人島で半年くらい生活してみてください。ライザップもビックリのビフォーアフターが得られることでしょう(≧▽≦)

 

 そして4年の歳月の間にダイエットに成功したチャックは、流れ着いた仮設トイレの板を帆に使うことを考えて生きるか死ぬかをかけてウィルソンと共に無人島脱出を決めます。世はまさに大航海時代

 

 筏を作っているときにチャックは時間の大切さを再び意識するようになるというシーンは皮肉が利いてていいんですね( ̄▽ ̄) 帆を手に入れたことで島周辺を取り囲んでいた荒波を突破し、太平洋に出ることができたのですが……。

 

 そのままスムーズに有人島が見つけられるわけでも、救助船が通りかかるわけもなく、嵐に遭い帆は飛ばされ、筏は半壊し、ウィルソンまで失うことになるのです( ;∀;)

 

 チャックは流されて行くウィルソンを救出しに海に飛び込みますが、助けられず「許してくれ、ウィルソン。許してくれ、ウィルソン」と断腸の思いでウィルソンを諦めるシーンは涙なしには見られません(T_T)

 

 心の中でバニラは叫びました。「チャック、たかがボールだ! 諦めろ、死ぬぞ!」と。ですが、四年の年月を共に過ごしたチャックとウィルソンは魂と魂で繋がったソウルメイトになっていたのです。

 

 命を賭してウィルソンを助けようとしたチャックの気持ちは、決して荒唐無稽なものではありません( ;∀;) ウィルソンを失ったことでチャックは自暴自棄になってオール海に流し、天命に任せて海を漂流する道を選びました。

 

 流されるがまま漂流していたとき、鯨の潮で目覚め、背後に巨大な運搬船が通りかかりチャックは救助されるのですが、4年の末やっと帰って来たチャックを待っていたのは残酷な現実でした。

 

 婚約者のケリーはチャックはまだ生きていると考えながらも、飛行機事故で死んだものとけじめをつけて、違う男性と結婚して子供までできていました。あのような事故があれば死んでいると考えて当然といっても、チャックの気持ちを考えるとこれは辛いですね。

 

 チャックは無人島ではなかなか手に入らなかったものが簡単に手に入ってしまう文明社会に複雑な感情を抱きます。必ずしも物質的幸福と精神的幸福は比例するわけではないんですよね(´-ω-`)

 

 資本主義の大量生産・大量消費の世界は確かに物質的には豊かになりましたが、物へのありがたみや人や森羅万象に対する感謝の気持ちが希薄になっているように思います。

 

 昔の日本人はアニミズムといって森羅万象すべてに精霊が宿っていると考え、敬っていましたが、現代社会ではそのような感謝の気持ちを持つ人は色眼鏡で見られてしまいますからね(´-ω-`)

 

 だからバニラはこのような作品を観ると、感謝の正拳突き一万回の気持ちになります。そして、チャックはケリーの家に押しかけて、二人は和解し、無人島漂着時にウィルソンと一緒に回収した漂着物を届け先に届けたところで物語は終わります。この言葉では説明できない感情を植え付ける作品は、名作と呼ばれるはずです( ̄▽ ̄) 

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