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映画 ドラマ『フォレスト・ガンプ/一期一会』「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」

引用元:Amazon

 物語は一本の羽が空中を漂い、バス停に座った一人の男の足下に舞い降りるところから始まります。男の名はフォレスト・ガンプ南北戦争の英雄にして、後に白人至上主義を掲げ結成されたクー・クラックス・クラン(通称KKK)の創設者であるネーサン・フォレストから取られた名前だと作中で語られます。

 

 ガンプは一期一会の出会いでバス停に居合わせた人々に、自分の半生を唐突に回想し出すんですね( ̄▽ ̄) ガンプには軽度の知的障がいがあって、背骨も政治家のようにゆがんでいるらしく、病院で矯正具を付けてもらったところから彼の回想は始まります。

 

 重いハンデを背負ってしまったガンプですが、彼のママは強く育て欲しいと人生で大切な色々なことを教え、普通の子と同じように育てます。ママの頑張りもあって、ガンプは普通学級に通えるようになりましたが、登校初日の通学バスの中で早くも排他的な子供たちに席を開けてもらえないいじめに遭うのです( ;∀;)

 

 ですが一人だけ隣を開けてくれた女の子がいたのです。それがフォレスト・ガンプが愛を誓うことになるジェニーでした。ジェニーは5歳のときに母親を亡くしたらしく、だからなのか人の痛みがわかる子供になったのだと思います。

 

 そんなジェニーだけがガンプに優しく接してくれて、ガンプ曰く「豆とニンジン」のような切っても切れない仲で結ばれていました。

 

 それからというもの、ガンプはいつも暗くなるまでジェニーと一緒に遊んでいましたが、暗くなってもジェニーは家に帰りたがりません。どうしてか? ジェニーの父親は「優しい人で、いつも彼女たちをなで回しキスをしてた」とガンプの目を通して説明されます……。

 

 これがまたガンプの純心で無垢な目を通しての説明だからころ、より一層刺さるところがあるんですね(´-ω-`) あえて説明しませんが、穢れた心の我々にはどういうことかわかりますね(-_-;)

 

 その後、ジェニーは警察に保護されて町のおばあさんに引き取られることになりました。そして時は流れて、ジェニーとガンプは大学生になりました。ガンプは知的障がいがあるので、大学に通うことは難しいはずでしたが、足がとてつもなく速いことを買われて、アメフトの選手として推薦され、大学に通えることになるのです(≧▽≦)

 

 でも、どうしてガンプの足はあれほど速いのか? 恐らくですが、ガンプの生まれ持った体の構造にあると思われます。世界最速の男として知られるウサイン・ボルトは脊柱側彎症(せきちゅうそくわんしょう)という障がいを生まれつき背負っているそうです。

 

 脊柱側彎症とは脊柱、つまり背骨が歪んでしまう障がいらしいです。普通なら不利になりますが、ウサイン・ボルトの場合は脊柱側彎症のため人体解剖学上で常人には無理な運動能力を発揮できるようになったらしいです。

 

 その代わり体にかかる負担も常人の何倍も酷いデメリットを背負っていますが……。そんな幸運に恵まれ晴れてガンプは大学生になれました。大学生になってもジェニーとは豆とニンジンのような関係が続いていましたが、ある事件が起こります。

 

 ジェニーが車の中で男に乱暴されていると勘違いしたガンプは、ジェニーに乱暴した男をボコボコに殴ってしまうんですね(^▽^;) その後も、幾度かジェニーを助けるために男を殴る場面があります。

 

 そんなことがあっても、ジェニーはガンプには優しく接するのですが、大学卒業を控えガンプは軍隊に入隊します。一方ジェニーは大学のセーター姿で雑誌に際どい写真を撮らせたことが大学に知れて、大学を追い出されていたのです(´-ω-`)

 

 五歳の時に母親に死なれて、父親に性的虐待をされてとハードな人生を送ってきたジェニーですが、そのことでさらに彼女の人生は悲惨なものになって行きます( ;∀;) 軍に入っているガンプはジェニーがあるクラブで歌手をしているという話を聞き、そのクラブに向かうんですよ。

 

 ジェニーの夢は歌手になることだと知っていたガンプは「彼女の夢はかなった。フォークシンガーだ」と喜ぶのですが、カメラアングルがジェニーの背後に回ると……彼女は裸なんですね(T_T)

 

 ここでもう泣きそうになりました……( ;∀;) ガンプの純心無垢な目で語られるからこそ、余計に胸に来るものがあるんですよ。ガンプにそんな場面を見られたジェニーはどんな気持ちだったか……考えると胸が痛いです……。

 

 久しぶりに二人は再会を果たし、ガンプはジェニーにベトナム戦争に出兵することになったと伝えます。ジェニーは「何かあったら、勇気を見せずに走って」と忠告を授けてくれました。

 

 ベトナム戦争は史上初めてテレビが報じ、アメリカの正義、大義名分を問う戦争になりましたが、ガンプとジェニーの人生を通して、近代アメリカの光と影が描かれた作品でもあるのです。

 

 ガンプは光で、ジェニーは影なんですね(。-`ω-) ベトナム戦争でガンプは仲間を助けたことを表彰され英雄になりました。ベトナム戦争の影響もあり反戦運動が過熱し、反戦運動の集会であれよあれよと流されるままガンプは反戦に付いての演説をするのですが、妨害が入ってガンプの言葉は聞こえませんでした(^▽^;)

 

 その集会所で再びジェニーと再会します。ジェニーはブラックパンサー党の一員になっており、反戦活動を行っていました。その後、またジェニーと別れたガンプは戦争後の療養中にハマったピンポンに熱中するあまり、プロになりピンポン外交で中国に出向いて、その後のインタビューでジョン・レノンと共演することになります。

 

 こうやってみるとガンプは色々なことをやって、そのすべてで成功を収めているんですよ( ̄▽ ̄) その後も、ガンプは卓球で得た賞金で、ベトナム戦争で戦死してしまった亡き親友の意思を受け継ぎ、エビ漁を始めます。

 

 始めは上手くいきませんでしたが、ベトナム戦争でガンプが命を助けた中尉と共にエビ漁を再開すると、大漁に次ぐ大漁で「ババ・ガンプ・シュリンプ」という会社を設立し、ママが望んだ通り地位も名誉も財産もすべてを手に入れたのです(≧▽≦)

 

 中尉はベトナム戦争で両足の膝から下を失い、自分を助けたガンプを恨み、荒れていたんですが、その後和解するシーンでとうとう泣いてしまいました(T_T) 人生山ありゃ、苦もあるさなので、幸せばかりというわけにもいかず、幸せの絶頂にいたガンプのもとに、母親が危篤であることを知らせる電話が入ります。

 

 その期に、ガンプは会社を中尉に譲って、故郷に帰ることにしました。ママが亡くなりしばらく孤独に沈んでいたガンプのもとに、再びジェニーがやってくるんですね。こうして見ると、ガンプとジェニーは節目節目で再会を果たし、別れを繰り返していますね( ̄▽ ̄)

 

 ジェニーは運動家をしていましたが、その後上手くいっていなかったらしく、一時は自殺を考えるまで追い詰められているシーンもありました……。ですが、ガンプのもとに帰って来て、やっとこれからは二人だけの幸せな生活が始まる――と思っていましたよ( ;∀;)

 

 ガンプはジェニーに結婚を申し込みますが、ジェニーは今のままの自分ではガンプと幸せに暮らせないと考えたのか、過去を清算し恥ずかしくない女になるために、一夜だけ共にしてガンプの元を去って行くのです。

 

 やっと、やっと幸せになってくれると思ったのに(´;ω;`) はてさて、二人の結末やいかに(≧◇≦) 名作とは聞いていましたが、本当にいい映画でした。バニラの死ぬまでに観ておきたい映画100の中に絶対に入れます。

 

 まさにフォレスト・ガンプのママ曰く「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」という通りですね。チョコレートにはビターだったり、ミルクだったり、色々なチョコがあります。

 

 ときには甘い、ときには苦い、人生をチョコレートの箱に例えるなんて文学的センスがすごいです。地位も名誉も財産もすべてを手に入れても、ガンプは純粋で欲はなく、困っている人がいれば助け、必要以上は望まない、まるで宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を体現した人のようです。

 

 ああ、穢れたバニラたちのような人たちには痛い、痛すぎる( ;∀;) 心が浄化されて、ナメクジのように溶けてしまいそうです(T_T) 聖書の失楽園で知恵の実を食べたアダムとイブが楽園を追放されたように、知恵を得たことは呪いであり祝福ですよね。

 

 ダニエル・キイス氏の『アルジャーノンに花束を』という小説がバニラの人生の100冊に入れるほど好きなのですが、共通するテーマがありますね。

 

アルジャーノンに花束を』の主人公チャーリーも知的障がいを背負っており、周りから頭が悪いことをいつも馬鹿にされて、頭が良くなりたいと思い、ある実験に参加して超人的な頭脳を手に入れる話しですが、頭がよくなったことで今まで、周囲の人々にされていたことの意味を理解し、苦悩し、その後再び元の頭脳に戻る過程が描かれます。

 

 こんなこというと厨二だなんだと言われるご時世ですが、知を得るとは穢れることなんでしょうね(´・ω・) チャーリーやフォレスト・ガンプのように純粋な人々ばかりなら良いと思いますが、そうなればもう人類は存続できないでしょう(´-ω-`) 光があるから影がある、本当にこの世界は上手く廻っているものだと思います――。

 

PS 『フォレスト・ガンプ』のような作品が観たい人に韓国映画の『国際市場で逢いましょう』という映画をすすめたいです! 韓国映画だからと嫌悪せずに気になった方は観てみてくださいよ。フォレスト・ガンプと同じ構成で、近代韓国の発展と一人の男の人生をリンクさせて語られる物語は涙なしには見られませんよ('◇')ゞ

↓の方に『国際市場で逢いましょう』の予告を貼っておきます。

www.youtube.com

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