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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 ドラマ/ミステリー『ブラック・ジャック FINAL』「医者はなんのためにあるんだ!」

引用元:U-NEXT

 漫画の神様と称えられ多くの傑作を世に送り出した手塚治虫の『火の鳥』と並び最高傑作と呼び声も高い、元祖群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、無免許医のライセンスと叩き上げのスキルを武器にした一匹狼『ブラック・ジャック』を原作にしたOVA作品のファイナル、カルテ11~12話です(≧▽≦) いや~さすがブラックジャックです。ドラマが濃い。ブラック・ジャックの何が凄いって、1973年代に漫画で医学を扱ったことですよね。

 

 当時は現在のようにインターネットなどは普及しておらず、何を調べるにしても今より時間がかかるし、専門的な分野になると調べようがないので医療ドラマを描くことは難しかったと思いますが、医者になるか漫画家になるかで悩んでいた手塚治虫さんだからこそ描けた作品です( *´艸`) 「天は二物を与えず」なんて言いますが、ありゃ嘘ですよ( ̄▽ ̄) 才能ある人っていくつもの才能を持っていたりするのですから。全然ひがんでなんていませんよ( ;∀;) そのおかげで素晴らしい漫画が後世に残された訳ですし、手塚治虫先生がいなければ現在の日本アニメーションは存在しなかったといっても過言ではないのですから(≧◇≦)

 

 少数の天才によって、人類は進化してきたわけですから、才能の集中化は仕方のないことです。と、手塚治虫先生の話を長々してきましたが、バニラは漫画版のブラックジャックを読んだことがないのですが(>_<) 読んだことなくても、ストーリーを知っているって本当にすごい漫画の証拠ですよね。神の手を持つ無免許医が法外な金と引き換えに難病、奇病の治療を行うという話です。医者は普通、専門以外の治療は難しいと思いますが、ブラック・ジャック先生はどんな箇所の治療でも行ってしまうのだから、まさに万能の天才です。

 

 そんなブラックジャック先生が、カルテ11『おとずれた思い出』で、かつてピノコを体内に取り込んでいた双子の姉である西園寺ゆりえを再び治療することになります。西園寺家は代々双子が生まれる家系であり、本当だったら生まれるときどちらか片方が亡くなるはずだったのですが、ブラック・ジャック先生が執刀しピノコを救い出した過去があるそうですが、時が経ち再び西園寺家の呪いが発動してしまい、今度はピノコとゆりえ双方の命が脅かされてしまうことになるのです。果たして、ブラック・ジャック先生は謎の奇病を治療し、ピノコとゆりえを救い出すことができるのか!

 

 そしてカルテ12『美しき復讐者』ではアンリョン王国という、ちょっと北朝鮮をモデルにしたような国の独裁者を治療するために飛行機で移動中拉致されてしまうところから始まります(>_<) ですが、国王を治療するのを阻止しようとするある勢力が、ブラック・ジャック先生の暗殺に乗り出し、何度も命を狙われてしまうことに……。ここまで命を狙われる医者もいないでしょう( ̄▽ ̄) 暗殺を乗り越え、どうにか国王を治療したブラック・ジャック先生ですが、生まれてはじめて患者を治療したことを後悔する出来事が起こるのでした。

 

 ブラック・ジャック先生が言った医者の存在理由の名言がありますよね。医者が自然の理に反して、患者を治療することで環境破壊や食糧危機などの弊害が起き助けた命よりも多くの人が亡くなる多産多死状態と似たようなことになる。なら、患者を治療せず、自然の理に任せて治療しない方がいいのか? でもそういう弱い人、苦しんでいる人を見捨てず共に生きて来たから人類はここまで発展できたのですから、病気で苦しんでいる人を見捨てるような社会は破滅すると思うのです。

 

 自分の立場になって考えてみてください。もし、自分が病気になって治療しなければ死んでしまう状況になったら、自然の理に運命をゆだねることができる強い人などどれほどいるでしょうか? 恐らく少数だと思います。だから、廻りまわって自分のために、どんなことがあっても患者を助けるために医者は必要です。この問題に正解などなく、生きている限り考え続けアップデートし続けなければいけない問題なのです( ̄▽ ̄)