ストーリー・解説
舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。静かな冬の貴船。ふじやで働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。ミコトだけではない、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない風呂場。自分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間!2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまう。そして、それぞれの“記憶”だけは引き継がれ、連続している。そのループから抜け出したい人、とどまりたい人、それぞれの感情は乱れ始め、それに合わせるように雪が降ったりやんだり、貴船の世界線が少しずつバグを起こす。力を合わせ原因究明に臨む皆を見つつ、ミコトは一人複雑な思いを抱えていた―――。©ヨーロッパ企画/トリウッド 2023
上田誠率いる人気劇団「ヨーロッパ企画」が手がけたオリジナル長編映画第2作。国内外で高評価を得た長編映画第1作「ドロステのはてで僕ら」に続いて上田が原案・脚本、同劇団の映像ディレクター・山口淳太が監督を務め、冬の京都・貴船を舞台に繰り返す2分間のタイムループから抜け出せなくなった人々の混乱を描いた群像コメディ。
京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、別館裏の貴船川のほとりにたたずんでいたところを女将に呼ばれ、仕事へと戻る。だが2分後、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。そしてミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちもみな、同じ時間がループしていることに気づく。2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、それぞれの記憶は引き継がれるのだ。人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた。
貴船神社と料理旅館「ふじや」の全面協力を得て、冬の貴船で撮影を敢行。ミコト役の藤谷理子をはじめ、ヨーロッパ企画の俳優たちが多数出演し、鳥越裕貴、本上まなみ、早織、近藤芳正らが共演。舞台「夜は短し歩けよ乙女」などで上田やヨーロッパ企画と縁のある、人気アイドルグループ「乃木坂46」の久保史緒里が、物語の鍵を握る役どころで友情出演。
2023年製作/86分/G/日本
配給:トリウッド
劇場公開日:2023年6月23日
引用元:https://eiga.com/movie/96976/
登場人物・キャスト
- ミコト
- 演 - 藤谷理子[5]
- 仲居。タクと交際している。彼のフランス渡航の企みに気付いて時間を止めたいと考え、貴船川に「流れないでよ」と祈っている。
- タク
- 演 - 鳥越裕貴[5]
- 料理人見習い。フレンチの修行のため密かにフランスに渡航をしようとしている。
- キミ
- 演 - 本上まなみ[5]
- 女将。スタッフをしきりに気遣う。ループの状態の確認のため近隣の旅館などを廻ったりする。
- チノ
- 演 - 早織[5]
- 仲居。ループのため客から注文された熱燗ができないなど困惑している。
- 番頭[注 2]
- 演 - 永野宗典[7]
- 自身もループに混乱する中、変な行動をしようとする客を必死に説得する。
- 料理長
- 演 - 角田貴志[7]
- ループの説明をしようとするエイジに質問を繰り返し、スタッフを時間切れでループの初期位置に戻してしまう。
- エイジ
- 演 - 酒井善史[7]
- 板前。中心になってループの原因究明を試み、スタッフに集合をかけ説明をしようとする。
- ノミヤ
- 演 - 諏訪雅[7]
- クスミと二人連れの客。ループのため〆の雑炊を何度も食べるはめになる。
- クスミ
- 演 - 石田剛太[7]
- 何度もループを繰り返すうちにノミヤと本音をぶつけ合うようになる。
- オバタ
- 演 - 近藤芳正[5]
- 宿泊中の作家。原稿を何度入力しても消えるが、締め切りも来ないと知り、ループのままでもいいと言い出す。
- スギヤマ
- 演 - 中川晴樹[7]
- オバタの担当編集者。番頭の注意を聞かず入浴し、風呂場から出られなくなる。
その他
[編集]- ヒサメ
- 演 - 久保史緒里(乃木坂46)[2]
- 旅行者風の女性。貴船神社の本宮や結社(ゆいのやしろ)にお参りしている。物語の鍵を握ることになる。
- 猟師
- 演 - 土佐和成[7]
- ループのため山から出られないと出会ったミコトたちにこぼす。
- モリオカ
- 演 - 諸岡航平[6]
- 近隣の店の板前。板長がパニックになって番頭を刺したと血まみれの割烹着でふじやに来る。
- シラキ
- 演 - 黒木正浩[6]
- 近隣の店の板前。逃げようとするミコトとタクを制しようとして、タクに殴り倒される。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/リバー、流れないでよ
感想
上田誠率いる人気劇団「ヨーロッパ企画」が手掛けた長編映画『リバー、流れないでよ』。
劇団の人達が演じているということで、映画俳優さんたちが多く出ている映画とはまた違った雰囲気を感じる映画です。
京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、別館裏の貴船川のほとりにたたずんでいたところを女将に呼ばれ、仕事へと戻る。
だが、2分後、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。
そしてミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちもみな、同じ時間がループしていることに気づく。
2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、それぞれの記憶は引き継がれているのだ。
人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた。
タイムリープものというよくある設定ですが、本作の斬新なところはタイムリープで巻き戻る時間なんですね。
バニラの観た、タイムリープもので巻き戻る周期は一日だったり、数日だったり、結構時間の猶予があるのに対し、本作『リバー、流れないでよ』は2分です。
「いや、短すぎだろ!」と思うくらい短いです。
だから、ストーリーの進行よりも、移動時間で尺を稼いでいるのではないでしょうか(^▽^;)
ですが、その短さが巻き起こすドタバタ劇が本作の肝でもあります。
これはバニラの感想ですが、「吉本新喜劇」と「東京03」を足して2で割ったような印象を受ける作品でした。
キャラクターの掛け合いが、なんだか「東京03」の雰囲気と似ている気がするんですね( *´艸`)
2分間タイムリープという今までにない斬新な設定で巻き起こる、キャラクターの素っとん狂な行動が本作の見どころです。
果たして、貴船の2分間に囚われた人々は、時間の牢獄から抜け出すことはできるのか!