ストーリー
2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか--。
引用元:https://filmarks.com/movies/9861
クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争最大の激戦だったといわれる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描く映画史上初の2部作。アメリカ側から硫黄島を描いた「父親たちの星条旗」と対をなす本作は、硫黄島の戦いに参加した一人の若き日本軍兵士の目を通して、約2万2千人の日本軍を率いたアメリカ帰りの名将・栗林忠道中将らの戦いを描く。主演の栗林中将に渡辺謙、その他二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童がそれぞれ日本軍兵士として出演。
引用元:https://eiga.com/movie/33345/
登場人物・キャスト
※は実名で登場する、実在した人物(階級は当時のもの)
- 陸軍第109師団長 兼 小笠原兵団長。階級は陸軍中将。硫黄島守備隊に新しく着任した指揮官。着任早々、従来の日本軍の攻撃方法である水際作戦を取りやめさせ、また不用意な突撃(いわゆるバンザイ突撃)、指揮官の兵士に対する体罰を禁ずるなどの施策を行ったことから、兵士からは驚きの目で見られるとともに歓迎されるが、指揮下の将校たちからは異端の目で見られる。在米日本大使館の駐在武官を務めた経験があり、米国の生産技術や軍事力を侮ってはいけないと部下たちに忠告する。また腰には駐在武官時代に「友情の証」として米国軍高官から贈られたコルトM1911のカスタマイズモデルを携行している。
- 硫黄島守備隊に所属する兵士。階級は陸軍一等兵。応召兵であり、軍役に就く前は妻である花子とともにパン屋を営んでいた。物資に余裕がある時代はあんパンやカステラを作っていたが、戦局が悪化し憲兵があらゆるものを持ち去っていったことなどから、憲兵出身である清水にあまり良い印象を持っていない。
- 上官の谷田から体罰を受けていた際、着任したばかりの栗林に救われ、また戦闘の中で栗林と交流を深めていく。
- 戦車第26連隊長。階級は陸軍中佐。1932年ロサンゼルスオリンピック馬術障害飛越競技の金メダリストでもあり、日本軍のみならず敵である米軍にも、「バロン西」として彼を知る人物が多くかなりの有名人である。騎兵科出身である栗林と馬話で盛り上がり、硫黄島に馬を連れてくるほど。胸ポケットにはロサンゼルスオリンピック時の相棒であるウラヌス号の写真を入れている。
- 清水洋一(しみず よういち):加瀬亮
- 硫黄島に新しく派遣された兵士。階級は陸軍上等兵。元憲兵であり、軍事教練を練兵場ではなく憲兵の教育機関で受けていることや、小銃手にもかかわらず拳銃を携行しているなど、明らかに不審な点があったことから部隊の他の兵士から「スパイではないか?」と疑われたほど。妻子と会うために戦地で生き抜こうとする西郷に最初は反発するが、やがて行動を共にする。
- 伊藤(いとう):中村獅童
- 海軍部隊の指揮官の1人。階級は海軍大尉[注釈 2]。自分たちの準備してきた水際作戦が却下され、擦鉢山などトンネル陣地でのゲリラ作戦に変更されたことなどから、他の海軍指揮官とともに栗林に反発する。また栗林が玉砕を禁じているにもかかわらず、命からがら退却してきた西郷と清水を「臆病者」と怒鳴りつけ軍刀で首を撥ねようとするなど[注釈 3]、旧態依然としたステレオタイプの日本軍人として描かれている。
- 谷田陸軍大尉:坂東工
- 西郷の妻
- 清水の憲兵時代の回想に出てくる上官
- 摺鉢山地区指揮官
- 西郷に召集令状を届けに来た役場の職員に同行
- 海軍兵:諸澤和之
- 日本兵:アキラ・カネダ
- 犬の飼い主の女性:ブラック縁
- サム:ルーカス・エリオット
- 捕虜となる海兵隊員
- 栗林の回想シーンで登場
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/硫黄島からの手紙
感想
使われているキャストが日本人な上に、テーマが硫黄島の戦いということで、てっきり日本映画だと思っていたら、調べてびっくり(゚Д゚;)
クリント・イーストウッド監督が指揮を執ったアメリカ制作映画ではありませんか!
不思議に思ったらどうやら本作は『父親たちの星条旗』という映画の対になる作品らしいとわかりました。
『父親たちの星条旗』はアメリカ視点で描かれ、本作『硫黄島からの手紙』は日本視点で描かれているんですね(*´▽`*)
群像劇などでは一つの事件を多視点で描かれることがありますが、本作のような描き方は斬新で面白いと思いました。
ノスタルジー漂うセピア調の画面はまるで『シンドラーのリスト』のようで、太平洋戦争最大の激戦と言われる硫黄島での悲惨な戦いが淡々と描かれます。
とにかく観ていてとても辛い映画なんですね(>_<)
ドキュメンタリー映画っぽい雰囲気で、ドラマチックな演出を徹底的に排除しているんです。
一応、(渡辺謙)演じる栗林忠道と(二宮和也)演じる西郷昇のダブル主人公で物語が展開されるのですが、二人が活躍することはありません。
クリント・イーストウッド監督作品と言えば、男の中の男を描いたハードボイルド作品が多い印象ですが、本作で描かれる男たちはイーストウッド監督が好んで描くハードボイルは登場せず、ただ、戦争に翻弄される無力な兵士たちが描かれます。
ヒーローになるわけでも、戦況を一変させる力があるわけでも、戦争を終わらせることもできない。
兵士たちにできることは、迫りくる死に怯えながら、故郷に残してきた家族や友人に届くことのない手紙を書くことだけ……。
死を覚悟した兵士たちは、いったい何を手紙に書いたのでしょうか( ;∀;)ゞ