ツッコミどころ満載で、観ているとバニラの『なんでやねんっ!』が何度も火を噴きましたぜ。バニラの『なんでやねんっ!』は切れ味抜群で、豆腐だってべっちゃんこにできるのです!(潰してんじゃねえか!( `ー´)ノ)
ツッコミどころ満載と言っても、面白くなかったというわけではありません。SF好きのバニラにとって、バニラアイスのようにおいしくいただきました。どのような話といいますと、主人公の画家ダヴィッドは近所の女性と不倫している最中に、娘が自宅のプールで溺れてしまっているというショッキングな事件が起きたことで、物語は動き出します。
とんでもないですよね。不倫するのは当然いけないことですが、不倫中に娘が事故死してしまったんじゃ、どんなに罪悪感を抱くでしょう(´・ω・`) 想像するだけで苦しいです……。不倫が妻にバレていた上に、夫の不注意で娘が亡くなるという事故があったんじゃ、当然夫婦関係が続くはずもありません。
それから、五年の年月が過ぎ、罪悪感から、ダヴィッドは娘が死んだプールで同じように入水自殺を計りますが、人に助けられ死に切れませんでした。そんなとき、不思議な蝶がダヴィッドの前に現れて、あるドアへと導くのです。『天国の扉』ではありませんよ。
扉を抜けた先にあるのは、雪国ではなく、何と娘が事故死した日時の、過去でした。ダヴィッドは過去の罪を償うように、慌てて、プールに向かい娘を助けることができたのでした。めでたしめでたし(終わってねえよっ( `ー´)ノ)。
ここからネタバレになりますので、見るなよ、見るなよ、絶対見るなよ! です。
娘を助けられたと思ったら、怒涛の展開で、五年前の自分が家に帰って来て、五年後のダヴィッドともみ合った末、ダヴィッドは五年前の自分を殺してしまうのですね。そんなバナナ! そんなことになれば普通パラドックスが発生しますよね。
だって、五年前の自分は自分に殺されたのなら、未来の自分が存在できるはずがないのです。勘の良い人なら、すでにお気づきでしょう。そうです、ダヴィッドが迷い込んだ世界は、過去などではなく、不思議の国だったのです!(ボケんでええわ! ゴツン( `ー´)ノ)。
ジョークですよ、もう! ダヴィッドが迷い込んだのは、鏡の国だったのです(アリスじゃねえよっ! ボコ!( `ー´)ノ)。に、二度もぶった! 親父にもぶたれたことないのに!(ボコ!( `ー´)ノ) さ、三度もぶった! お袋にだってぶたれたこと(もうええわ( `ー´)ノ)。
とまぁ、茶番はここまでにして、ダヴィッドが迷い込んだのは、どうやらパラレルワールドだったようです。つまり、パラレルワールドの自分を殺してしまったのですね。
そして、ダヴィッドはパラレルワールドの自分と入れ替わり、向こうの世界で犯した罪を償うように、パラレルワールドの娘を可愛がり、不倫相手とも関係を断って、妻と仲直りするのでした。
ですが、犯行は露呈するもので、色々と粗がではじめ……。この世界には、取り返しのつく失敗と、取り返しのつかない失敗がありますが、人間は完璧ではないのですから、罪滅ぼしのチャンスを与えてやるべきだとも思うのです。
そんなこというと、犯罪を犯した人、それも殺人などの重罪を犯した人にも、チャンスを与えてやるべきなのか、という話になりますが、本人が心の底から罪を認め、罪滅ぼしをしたいと思っているのなら、チャンスを与えてやるべきだと思うのですバニラは。
被害者や、被害者の親族は怒るかもしれませんが、人間は失敗を冒す生き物で、やっぱり罪滅ぼしの機会は平等に与えてあげるべきだと思います。ドイツはナチスが行った罪を今も償い続けているではないですか。
現代社会は、一度の失敗も許されない、という風潮が強いので、それでは生きずらいですよね(´・ω・`)