まえがき
前回はジャンル不問で「面白い」というテーマを基準にベスト10を作ったので、今回は海外映画の「グッときたヒューマンドラマ」というテーマで私的なベスト10を作ってみたいと思います。
一応「ヒューマンドラマ」というジャンルについて簡単に説明しておくと、「登場人物の内面や周囲との関りを重視し、家族愛、友情、恋愛、葛藤などをテーマに展開される物語」だとされています。
つまり極論、物語のほとんどはヒューマンドラマであると言えるので、候補となる作品は多いです。
が、基本的に他のランキングサイトと代わり映えしない結果になっていると思います(^^;
ですが、名作と名高いのに観ていない映画も多くあるので、当たり前ですがまだ観ていない映画は選考作品にすら入っていません。
ランキングに選ばれているのは現在までに観たことがある映画に限られます。
似たり寄ったりなランキングですが、楽しんでいただければ幸いです。
第10位
ワンダー 君は太陽
作品情報
全世界で800万部以上を売り上げたR・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化したヒューマンドラマ。
ごく普通の10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていく。
「ルーム」で世界中から注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイがオギー役を務め、「エリン・ブロコビッチ」のジュリア・ロバーツが母イザベル役、「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソンが父ネート役をそれぞれ演じる。
2017年製作/113分/G/アメリカ
原題または英題:Wonder
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2018年6月15日
感想
トリーチャーコリンズ症候群という遺伝子疾患を患っている少年と、家族や周囲の人々の交流が描かれたヒューマンドラマです。
以前YouTubeでトリーチャーコリンズ症候群の人のインタビューを見つけて、この疾患について知ることになり、調べてみたら映画があったので観てみると、とても素晴らしい映画でした。
実際に映画は美化されていると思いますし、現実にはこの映画で描かれていない苦労も多くあると思いますが、これは綺麗事ではなく、こういう世界になったらいいなという希望の話しです。
トリーチャーコリンズ症候群、いやそれだけでなく様々な生きづらさを抱えた人たちの理解のきっかけになる映画だと思います。
第9位
国際市場で逢いましょう
作品情報
韓国で歴代2位となる観客動員数1410万人を記録した大ヒット作。前作「TSUNAMI ツナミ」でも1132万人動員という記録を打ち立てたユン・ジェギュン監督が、釜山の国際市場を主舞台に、激動の時代を家族のために生きたひとりの男の生涯をつむいだ大河ドラマ。朝鮮戦争で父と末の妹と離れ離れになり、母と残された2人の妹とともに避難民として釜山で育ったドクス。父親代わりとして一家を支えるため西ドイツへ出稼ぎにいき、ベトナム戦争への出兵では生死の瀬戸際に立たされるなど過酷な人生を歩むが、それでも家族への愛情と笑顔を絶やさず、時代の荒波を生き抜いていく。主演は「ユア・マイ・サンシャイン」「新しき世界」のファン・ジョンミン。米人気ドラマ「LOST」で知られるキム・ユンジンが、ドクスの妻ヨンジャを演じるほか、「東方神起」ユンホの出演も話題。
2014年製作/127分/韓国
原題または英題:国際市場
配給:CJ Entertainment Japan
劇場公開日:2015年5月16日
感想
本作はまるで韓国版『フォレスト・ガンプ』や『ALWAYS 三丁目の夕日』のようなクロニクル映画で、興南という現在の北朝鮮から家族と共に脱出したごく普通の男ドクスが様々な経験を経て年老いるまでの物語になります。
観客を泣かせてやろうという気が見え見えで、人によってはしらける可能性すらありますが、わかっていても泣いてしまった映画です(^^;
こんなん泣くに決まっとるやん(´;ω;`)
これで泣かんなんて「人の心とかないんか?」というのは言い過ぎですが、泣かないまでもグッとくると思います。
第8位
インターステラー
作品情報
「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督によるオリジナルSF大作。地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく男の姿を描く。
近未来、地球規模の異常気象と飢饉によって人類滅亡の危機が迫っていた。元宇宙飛行士のエンジニアで現在はトウモロコシ農場を営んでいるクーパーは、NASAの要請に応じて人類の未来を懸けた前代未聞のミッション「ラザロ計画」に参加することになる。計画の内容は、土星付近に突然発生したワームホールを通り抜け、新しい惑星へと人類を移住させるというものだった。家族と人類の未来を守るため、クーパーは少数精鋭のクルーとともに前人未到の地へと旅立つが……。
主演は「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー。共演にアン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケインほか。「ダークナイト」や「インセプション」同様に、ノーラン監督の実弟ジョナサン・ノーランが脚本に参加。撮影は「裏切りのサーカス」「her 世界でひとつの彼女」のホイテ・バン・ホイテマ。第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、視覚効果賞を受賞。
2020年9月には、クリストファー・ノーラン監督の「TENET テネット」公開にあわせたノーラン監督作のリバイバル上映企画「ノーラン夏祭り」の第4弾としてIMAX版で上映。2024年11月にも公開10周年を記念してIMAXでリバイバル上映。
2014年製作/169分/G/アメリカ
原題または英題:Interstellar
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年11月22日
感想
前回の「面白かった映画ベスト10」に続き、どんだけ『インターステラー』好きやねんと思われていると思いますが、言い訳を聞いてください。
『インターステラー』は最高のSF映画でもありますが、最高の親子愛を描いたヒューマンドラマでもあるのです。
どれだけ科学技術が発展しても、どれだけ物理的な距離が離れていても、変わることのない普遍的な親子の愛が描かれているのです。
だからこの映画は文化、風習、時代が変わっても、人の心を打つのだと思います。
というわけでこちらのランキングでも8位にしました。
第7位
ヒトラーの忘れ物
作品情報
終戦直後のデンマークを舞台に、地雷撤去を強制される敗残ドイツ軍の少年兵たちの過酷な運命を、史実に基づいて描いた。第2次世界大戦後、デンマークの海岸沿いに残された無数の地雷を撤去するため、元ナチス・ドイツの少年兵たちが連れて来られる。彼らを指揮するデンマーク人軍曹はナチスに激しい憎しみを抱きながらも、無垢な少年たちが次々と命を落とすのを見て良心の呵責にさいなまれるようになっていく。2015年・第28回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、軍曹役のローラン・モラーと少年兵役のルイス・ホフマンが最優秀男優賞を受賞した(映画祭上映時タイトル「地雷と少年兵」)。
2015年製作/101分/G/デンマーク・ドイツ合作
原題または英題:Under sandet
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2016年12月17日
感想
本作はヒトラーによって埋められた忘れ物(地雷)を撤去するために駆り出された、ドイツの少年兵の戦後処理を描いた実話ベースの物語です。
少年兵たちに実質的な罪はありませんが、ドイツに生まれたという理由でナチス・ドイツが犯した罪を背負い、各地に埋められた地雷を撤去する運命を強いられているのです。
そんな少年兵を指揮するデンマーク人の軍曹はドイツに強い恨みを抱きながらも、罪のない子供たちが次々に地雷撤去で命を落としていく光景を見て、良心の呵責を感じずにはいられません。
なぜ、罪のない子供たちが地雷撤去をやらされなければならないのか?
なぜ、自分は罪のない子供たちに地雷撤去をさせなければならないのか?
ごく一部の人々を除き、戦争は勝っても負けてもいいことはないのです。
戦争の終わりは終わりではなく、新たな戦いの始まりなのです。
第6位
シンドラーのリスト
作品情報
スティーブン・スピルバーグ監督が、ナチスによるユダヤ人大虐殺から多くの命を救った実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた名作。1939年、ナチスドイツ占領下のポーランド。戦争を利用して一儲けしようと狙うドイツ人実業家シンドラーは、軍の幹部に取り入り、ユダヤ人の所有していた工場を払い下げてもらう。軍用ホーロー容器工場を立ち上げた彼は、安価な労働力としてユダヤ人たちを雇い入れ、事業を軌道に乗せていく。しかしナチスによるユダヤ人の迫害は日ごとにエスカレートし、ついに虐殺が始まる。凄惨な光景を目の当たりにしたシンドラーは、私財を投じて彼らの命を救うことを決意する。リーアム・ニーソンが主演を務め、レイフ・ファインズ、ベン・キングズレーが共演。第66回アカデミー賞で作品賞など7部門を受賞し、スピルバーグは初の監督賞を獲得した。
1993年製作/アメリカ
原題または英題:Schindler's List
配給:UIP
劇場公開日:1994年2月26日
感想
ナチスの党員でありながら、ホロコーストから多くのユダヤ人を救い出した実在の人物オスカー・シンドラーをモデルにした歴史ドラマです。
あまり資料が残っていなかったそうで、オスカー・シンドラーの性格や、どのような経緯でユダヤ人を救うことにしたのかは、作者のトマス・キニーリーの想像で補われているようですが、シンドラーが多くのユダヤ人を救い出したというのは事実なのです。
史実のシンドラーも利己的な人物だったらしく、本作のシンドラーも最初は自分の利益だけを考える利己的な人物として描かれています。
しかし、次第に心動かされ、赤い靴の少女のエピソードでシンドラーは変わるのです。
最後の「もっと救い出せたのに……」というシンドラーが心の内を吐露したシーンは、映画史に残る名シーンだと思います。
第5位
バベットの晩餐会
作品情報
20世紀のデンマークを代表する女流作家カレン・ブリクセンの同名小説を映画化した群像劇。19世紀後半、デンマーク辺境の小さな漁村に質素な生活を送る初老を迎えたプロテスタントの姉妹がいた。そこにパリコミューンで家族を失ったフランス人女性バベットがやってくる。その後、彼女は家政婦として長年姉妹に仕えるが、宝くじで大金を手にいれると、村人のために晩餐会を開きたいと申し出る。第60回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。1989年に日本初公開。2016年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。
1987年製作/102分/G/デンマーク
原題または英題:Babette's Feast
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2016年4月9日その他の公開日:1989年2月18日(日本初公開)
感想
誤解を招く言い方かもしれませんが、面白い映画ではありません(^^;
デンマーク辺境の小さな漁村を舞台に、プロテスタントの姉妹の元にフランス・コミューンで家族を失ったフランス人女性バベットがやって来て、村の人々と共に信心深い質素な暮らしを送るという、これと言った事件も起きない、終始静かな映画でした。
正直観ているときはちょっと退屈しなかったと言えば嘘になります。
けれど、観終わってしばらくすると何故か不思議と心に残る映画なのです。
何者にもなる必要はなく、ただ気の置けない仲間と美味しい食事を共にし、一日一日を自然に過ごしていくだけ。
実際にこんな暮らしを送れと言われたら無理かも知れませんが、これも一つの理想の暮らしだと思ったのです。
第4位
ルーム
作品情報
アイルランド出身の作家エマ・ドナヒューのベストセラー小説「部屋」を映画化。監禁された女性と、そこで生まれ育った息子が、長らく断絶されていた外界へと脱出し、社会へ適応していく過程で生じる葛藤や苦悩を描いたドラマ。第88回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、息子とともに生きようとする母を熱演した「ショート・ターム」のブリー・ラーソンが、主演女優賞を初ノミネートで受賞した。監督は「FRANK フランク」のレニー・アブラハムソン。7年前から施錠された部屋に監禁されているジョイと、彼女がそこで出産し、外の世界を知らずに育った5歳の息子ジャック。部屋しか知らない息子に外の世界を教えるため、自らの奪われた人生を取り戻すため、ジョイは全てをかけて脱出するが……。
2015年製作/118分/G/アイルランド・カナダ合作
原題または英題:Room
配給:ギャガ
劇場公開日:2016年4月8日
感想
5歳の息子の協力で7年閉じ込められた6畳ほどの地下室から脱出するも、その後のマスコミの報道や世間の奇異の目にさらされ精神を病んでしまう母親の姿を描いた、「フリッツル事件」という実際にあった事件を基に描かれた映画になります。
多くの映画では閉じ込めた地下室から脱出するまでをドラマチックに描くと思いますが、この映画は地下室から脱出してからの第二章が本質です。
毎日のようにニュースでは事件が報じられ、マスコミや民衆は面白おかしく騒ぎ立て、飽きたら見向きもしませんが、ニュースで報じられなくなったからと事件は解決したわけではありません。
この映画は事件の被害者のその後にフォーカスした映画になっています。
3位にしようか迷いましたが、シチュエーションが限定的で人生そのものを描ているわけではないと思ったので、泣く泣く4位にしました。
第15~11位 惜しくもランキング外になった作品
第15位
スタンド・バイ・ミー
作品情報
スティーブン・キングの短編小説「死体」をロブ・ライナー監督が映画化したノスタルジックな青春ドラマ。オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが、町から30キロばかり離れたところに列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。出演はリバー・フェニックス、ウィル・ウィートン、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル。
1986年製作/84分/G/アメリカ
原題または英題:Stand by Me
劇場公開日:1987年4月18日
感想
個性豊かな4人の少年たちが、30キロ離れた場所に放置されているという列車の轢死体の噂を聞きつけ、死体探しの冒険に出るという、アメリカを代表する小説家の一人、スティーブン・キングの短編『死体』を原作に映画化された『スタンド・バイ・ミー』
物語の舞台が1950年代で、製作されたのが1980年代という時代背景もあり、不思議な力のある映画だと思います。
もし仮に2026年現在リメイクされても、1986年版の『スタンド・バイ・ミー』は超えることはできないでしょう。
この当時の空気感なのか、撮影機材の問題なのか、もう二度と再現することができない雰囲気のある映画だと思うのです。
第14位
永遠の門 ゴッホの見た未来
作品情報
「潜水服は蝶の夢を見る」「夜になるまえに」のジュリアン・シュナーベル監督が画家ビンセント・ファン・ゴッホを描き、2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、ゴッホ役を演じた主演ウィレム・デフォーが男優賞を受賞した伝記ドラマ。画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。やがて弟テオの手引きもあり、待ち望んでいたゴーギャンがアルルを訪れ、ゴッホはゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。しかし、その日々も長くは続かず……。作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家が人生に何を見つめていたのかを描き出していく。ゴッホ役のデフォーのほか、ゴーギャンをオスカー・アイザック、生涯の理解者でもあった弟テオをルパート・フレンドが演じるほか、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリックら豪華キャストが共演。
2018年製作/111分/G/イギリス・フランス・アメリカ合作
原題または英題:At Eternity's Gate
配給:ギャガ、松竹
劇場公開日:2019年11月8日
引用元:永遠の門 ゴッホの見た未来 : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
感想
「ひまわり」「夜のカフェテラス」「星月夜」「自画像」など数十億単位の価格で取引されるオランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホの絵ですが、生前は一枚しか絵が売れず、精神を病み統合失調症?を患い、ストーカーや、自分の耳を切り落として好きだった女性にプレゼントしたり、最後は拳銃自殺(諸説あり)で理解されないままその生涯に幕を閉じました。
本作『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、ジュリアン・シュナーベル監督がゴッホについて再解釈した映画になります。
ゴッホは何故誰にも認められないのに絵を描き続けたのか?
ゴッホを演じたウィレム・デフォーとマッツ・ミケルセン演じる牧師の対話にその答えの一端を垣間見ることができます。
それはメタ的な視点を含みゴッホの思想ではなかったと思いますが、少なからず絵を描き続ける意味と人間が生きる意味の1つの答えであり、ゴッホが描き続けた意味にも通ずるものがあると思います。
第13位
コーダ あいのうた
作品情報
家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズがルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害のある俳優たちがルビーの家族を演じた。監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。
2021年製作/112分/PG12/アメリカ・フランス・カナダ合作
原題または英題:CODA
配給:ギャガ
劇場公開日:2022年1月21日
感想
原作は2014年製作のフランス映画『エール!』で、本作『コーダ あいのうた』は『エール!』のリメイク作品になります。
だから元となった『エール!』が真に評価されるべきかも知れませんが、『エール!』を観ていないので、リメイク版の『コーダ あいのうた』をランクインさせました。
耳の聞こえない両親と兄を家族に持つ、家族の中で唯一耳の聞こえる高校生のルビーは、歌の才能があり名門の音楽大学に進むことを夢見ていました。
しかし家族は耳が聞こえないのでルビーの才能を信じられず、家業の漁業を継ぐことを勧めるのです。
家族を裏切ることができないルビーは、夢を諦め家業を継ぐことを決めますが……。
というリアルでも障害のある両親の間に、障害のない子供が生まれ両親をサポートするという話しはよく聞きます。
いうなれば『ギルバート・グレイプ』と同じヤングケアラーを扱っている作品ともいえます。
難しい問題なので、家族以外の人が一概にああだこうだいうのは良くないと思うので、気になった方はご自身で観て判断して欲しい作品です。
第12位
ギルバート・グレイプ
作品情報
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で注目を集めたスウェーデンのラッセ・ハルストレム監督が、ハリウッドで手がけたヒューマンドラマ。
アイオワ州の小さな町エンドーラ。特になにもないこの町から生まれて24年間出たことがない青年ギルバートは、ハンディキャップを抱えた弟アーニーと、身動きが取れないほど太った過食症の母、そして2人の姉妹の面倒を見ながら日々を送っている。家族を守ることに精いっぱいで自分の夢も希望も見失っていたギルバートは、ある日、トレーラーで旅をしながら暮らしている少女ベッキーと出会う。車の故障でしばらく町にとどまることになったベッキーとの交流を通して、ギルバートは自分の人生を見つめ直していく。
ギルバートをジョニー・デップ、アーニーをレオナルド・ディカプリオ、ベッキーをジュリエット・ルイスがそれぞれ演じ、ディカプリオはアカデミー助演男優賞にノミネートされた。ピーター・ヘッジスの同名小説の映画化で、ヘッジス自身が脚本を担当。
1993年製作/117分/アメリカ
原題または英題:What's Eating Gilbert Grape
配給:東北新社
劇場公開日:2025年8月1日その他の公開日:1994年8月20日(日本初公開)、2022年8月5日
感想
『コーダ あいのうた』に続き、”ヤングケアラー”をいち早く扱った、若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオ主演の映画『ギルバート・グレイプ』
ジョニー・デップ演じる主人公のギルバートは一人で知的障害のある弟アーニーと父親が亡くなってから精神的な問題で過食症になり身動きが困難なほど太ってしまった母、姉と妹を一人で支えているのです。
今でこそ”ヤングケアラー”の問題が取り上げられるようになっていますが、昔から問題視されていなかっただけでヤングケアラーは多く存在していたはずです。
家族という存在はかけがえのない素晴らしい存在ですが、だからこそ呪縛となってしまうジレンマを描いた映画になります。
第11位
100日間シンプルライフ
作品情報
2人の男が全ての家財道具を倉庫に預け、1日1つずつ必要なモノを取り戻していくという風変わりな勝負の行方をコミカルに描いたドイツ映画。「ヴィンセントは海へ行きたい」などの俳優フロリアン・ダービト・フィッツが監督・脚本・主演を務め、全ての持ち物をリセットした青年の実験生活を記録したフィンランドのドキュメンタリー映画「365日のシンプルライフ」を下敷きに、劇映画として大胆にアレンジした。スマホ依存症のパウルと、コンプレックスの塊であるトニー。幼なじみでビジネスパートナーでもある2人は、多くのモノに囲まれながら充実した生活を送っていた。そんなある日、2人は些細な言い争いをきっかけに、ある勝負をすることに。それは、1万個にも及ぶ全ての家財道具を倉庫に預け、所持品ゼロの状態から1日1つずつ必要なモノを取り戻して100日間生活するという前代未聞の勝負だった。
2018年製作/111分/PG12/ドイツ
原題または英題:100 Dinge
配給:トランスフォーマー、フラッグ
劇場公開日:2020年12月4日
感想
欲にまみれた日々を送る2人の男たちが酔った勢いで所持品をすべて貸し倉庫に預け、1日1つずつ必要な物を取り戻せるというルールの元、100日間を過ごす、フィンランドのドキュメンタリー映画『365日シンプルライフ』をベースにした実験的映画です。
観る人に寄れば思想の強いミニマリスト布教映画のように感じるでしょうが、物を一端すべて預け、必要な物だけを取り戻していくことで、本当に大切なものを見失っていた男たちが、人生において大切なものを取り戻していく過程が丁寧に描かれておりグッときます。
第3位
ショーシャンクの空に
作品情報
スティーブン・キングの中編「刑務所のリタ・ヘイワース」をティム・ロビンス&モーガン・フリーマン主演で映画化した人間ドラマ。長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッドと無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディの友情を軸に、アンディが巻き起こす数々の奇跡が描かれる。監督・脚本は本作で長編映画デビューを果たしたフランク・ダラボン。94年度のアカデミー賞では作品賞を含む7部門でノミネートされたものの無冠に終わったが、映画ファンに愛される名作として語り継がれている。日本では1995年に初公開。2022年には4Kデジタルリマスター版で公開。
1994年製作/142分/G/アメリカ
原題または英題:The Shawshank Redemption
配給:カルチャヴィル
劇場公開日:2022年6月17日その他の公開日:1995年6月3日(日本初公開)
感想
妻とその愛人を殺した容疑でショーシャンク刑務所に収監されたアンドリュー(アンディ)が、そこで知り合った仲間たちと協力しながら、辛い刑務所での生活をより良いものにしていく、言わずと知れたヒューマンドラマの最高傑作『ショーシャンクの空に』
ベスト3は同率一位といってもいいと思いますが、それではランキングにならないので、「ヒューマンドラマ」というテーマで、テーマ性の強いと思った順に決めました。
『ショーシャンクの空に』が3位でいいのか? 悩みましたが、「ヒューマンドラマ」でいうと、好みの問題で「3位かな~……」という感じです。
でも悩ましいですね……(^^;
そのときにの気分によって変わると思いますが、今回は3位ということにします。
第2位
フォレスト・ガンプ 一期一会
作品情報
頭は少し弱いが、誰にも負けない俊足と清らかな心をもった男フォレスト・ガンプの数奇な人生を、アメリカ現代史と重ねて描き出していくヒューマンドラマ。監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス。主演にトム・ハンクス。知能指数が人よりも劣っていたが、母親に普通の子どもと同じように育てられたフォレスト・ガンプは、小学校で優しく美しい少女ジェニーと運命的な出会いを果たす。俊足を買われてアメフト選手として入学した大学ではスター選手として活躍。卒業後は軍隊に入り、ベトナム戦争で仲間を救って勲章をもらい、除隊後はエビ漁を始めて大成功を収める。しかし、幼い頃から思い続けているジェニーとは再会と別れを繰り返し……。第67回アカデミー賞で作品賞ほか6部門を受賞。ハンクスは前年の「フィラデルフィア」に続き2年連続で主演男優賞を受賞した。2022年3月、4Kリマスター版でリバイバル公開。
1994年製作/142分/PG12/アメリカ
原題または英題:Forrest Gump
配給:シンカ
劇場公開日:2022年3月18日その他の公開日:1995年3月11日(日本初公開)
感想
生まれつき知的障害のある主人公フォレスト・ガンプが、母親の教えを胸に周囲の仲間たちの助けを借り、激動の時代を生き抜いていくクロニクル映画です。
『ショーシャンクの空に』を抑え『フォレスト・ガンプ』を2位にした理由は、明るさの違いです。
『ショーシャンクの空に』はすごく面白いですが、なんせ重くて暗いシリアスなストーリーですよね。
そのシリアスさが『ショーシャンクの空に』の感動を作っているのですが、観るのに体力が必要です。
一方『フォレスト・ガンプ』はどんな状況でも、主人公フォレスト・ガンプの前向きな言動で、深刻なことを深刻に考えすぎない気軽さがあり、また観たいと思えます。
というわけで今回は2位にしました。
第1位
ニュー・シネマ・パラダイス
作品情報
シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の心あたたまる交流を、あふれる映画愛とともに描いた不朽の名作。映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、老いたアルフレードの死の知らせが届く。彼の脳裏に、「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってくる。シチリアの小さな村の映画館を舞台に、映画に魅せられたサルバトーレの少年から中年に至るまでの人生を3人の役者が演じる。アカデミー外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別グランプリなど、各国で賞賛を浴びた。
1989年製作/124分/PG12/イタリア・フランス合作
原題または英題:Nuovo Cinema Paradiso
劇場公開日:1989年12月16日
感想
『ショーシャンクの空に』『フォレスト・ガンプ』を抑え「海外映画ヒューマンドラマ」ランキング栄えある第1位に輝いたのは『ニュー・シネマ・パラダイス』です!
悩みましたが、『ヒューマンドラマ』というジャンルで縛るなら「この作品かなぁ……?」と今回は思いました。
作中で主人公・トトの恩師・アルフレードも「人生は映画とは違う。もっと困難だ」とメタ的に語っている通り、たった2~3時間の映画で人生なんて描けるわけありません。
そのことを「『ニュー・シネマ・パラダイス』は描いているのだと思います。
あとがき
ただ、順番が違う程度でその他のランキングと代わり映えしない結果だったと思います。
観ている作品の絶対数がもっと多ければ、隠れた名作系も入れられるのでしょうが、みんなが名作と言っている作品を中心に観ることが多いので、ランキングが似たり寄ったりになって当然だといえば当然です。
今回はこの結果になりましたが、本当は違う候補がいくつかあり、そちらを入れた方が意外性のあるランキングになったと思います。
だからこういう誰もが認める名作映画は殿堂入りということで選択肢から除外して、新たな映画ランキングを作るべきなんでしょうね。
そのためにもっとマイナーな映画を観て、観た映画が溜まったときに改めて作りたいと思っています。
今回は『グッときた海外映画「ヒューマンドラマ編」ベスト10』ということで、このような結果になりました。
ありがとうございました(*^^*)ゝ