ストーリー
初めて、映画館を訪れて以来、映画に夢中になったサミー・フェイブルマン少年は、8ミリカメラを手に家族の休暇や旅行の記録係となり、妹や友人たちが出演する作品を制作する。そんなサミーを芸術家の母は応援するが、科学者の父は不真面目な趣味だと考えていた。
そんな中、一家は西部へと引っ越し、そこでの様々な出来事がサミーの未来を変えていく――。
両親との葛藤や絆、そして様々な人々との出会いによって成長していくサミーが、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求める物語。
引用元:https://filmarks.com/movies/105426
「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」など、世界中で愛される映画の数々を世に送り出してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品。
初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母親から8ミリカメラをプレゼントされる。家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。
サミー役は新鋭ガブリエル・ラベルが務め、母親は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「マリリン 7日間の恋」などでアカデミー賞に4度ノミネートされているミシェル・ウィリアムズ、父親は「THE BATMAN ザ・バットマン」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」のポール・ダノが演じるなど実力派俳優が共演。脚本はスピルバーグ自身と、「ミュンヘン」「リンカーン」「ウエスト・サイド・ストーリー」などスピルバーグ作品で知られるトニー・クシュナー。そのほか撮影のヤヌス・カミンスキー、音楽のジョン・ウィリアムズら、スピルバーグ作品の常連スタッフが集結した。第95回アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優(ジャド・ハーシュ)ほか計7部門にノミネートされた。
2022年製作/151分/PG12/アメリカ
原題:The Fabelmans
配給:東宝東和
劇場公開日:2023年3月3日
引用元:https://eiga.com/movie/97982/
登場人物・キャスト
※括弧内は日本語吹替。
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- 主人公。スティーヴン・スピルバーグ本人をモデルとしている。正式名称はサミュエル。
- ミッツィ・フェイブルマン - ミシェル・ウィリアムズ(小林さやか)
- ジョン・フォード - デイヴィッド・リンチ(糸博)
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- アカデミー監督賞を歴代最多の4度受賞した映画監督。
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- バートの助手を務めるエンジニアで親友。フェイブルマン家とは家族ぐるみで親しく、親戚ではないが「ベニーおじさん」と呼ばれている。
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- サミーの大伯父(ミッツィの実母の兄)。
- モニカ・シャーウッド - クロエ・イースト
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- カリフォルニアの高校における、サミーの同級生の少女。
- ローガン・ホール - サム・レヒナー(村井雄治)
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- 高校のサミーの同級生の少年。イケメンで運動神経抜群のジョック。ユダヤ人嫌いを公言しているいじめっ子。
- チャド・トーマス - オークス・フェグリー(宮城一貴)
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- 高校のサミーの同級生の少年。ユダヤ人嫌いを公言するいじめっ子。
- ナタリー・フェイブルマン - キーリー・カルステン(宇山玲加)
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- サミーの2人目の妹でフェイブルマン家次女。スティーヴンの妹のナンシーがモデル。
- 幼少期のナタリー - アリーナ・ブレイス
- サミーの2人目の妹でフェイブルマン家次女。スティーヴンの妹のナンシーがモデル。
- リサ・フェイブルマン - ソフィア・コペラ(木野日菜)
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- サミーの3人目の妹でフェイブルマン家末っ子。スティーヴンの妹のスーがモデル。
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- サミーの祖母で、バートの実母。
- ロジャー - ガブリエル・ベイトマン(近松孝丞)
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- サミーの自主制作映画に参加するボーイスカウトの1人。
- バーナード・ファイン - グレッグ・グランバーグ(松川裕輝)
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- サミーに仕事の機会を与えたCBSのプロデューサー。『OK捕虜収容所』の共同制作者。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/フェイブルマンズ
感想
総資産額約4000億円、アメリカで最も裕福なセレブ第2位に選ばれたスティーブン・スピルバーグ監督の前半生を描いた自伝的映画『フェイブルマンズ』。
スピルバーグ監督はいかにして、映画と出会い、世界的映画監督にまで登り詰めることができたのか?
その答えは、この映画の中にある! かもしれない。
と、いっても、主人公のサミュエル・フェイブルマンはスピルバーグ監督自身をモデルにしただけで、自伝映画というにはかなりの脚色がなされているようです。
だから、どこまでが嘘でどこまでが本当なのかわかりませんが、スピルバーグ監督の大まかな原体験を知ることはできます。
時は第二次世界大戦直後、スピルバーグ監督自身をモデルにしたサミー(サミュエル)は科学者の父バートと音楽家の母ミッツィーのユダヤ人家庭の長男として生を享ける。
そんなサミー少年が初めて映画に触れたのが、小学校低学年のころ家族みんなで観に行った『地上最大のショー』だった。
それ以来、サミーは映画に夢中になり、父の八ミリカメラで自作映画を撮るようになる。
最初は妹たちと撮る他愛ない自作映画だったが、いつしか友達たちと少年が作ったとは思えないほど完成度の高い映画を撮るようになっていた。
順風満帆なある日のこと、フェイブルマン一家は科学者である父親が大企業に引き抜かれたことをきっかけに、カリフォルニアに引っ越すことになってしまう。
そのことに家族みんな反対するが、中でも母ミッツィーは猛反対するのだった。
理由はバートの仕事パートナーであったベニー セス・ローゲンと離れ離れになるから。
ミッツィーとベニーは不倫関係にあり、そのことを知ったサミーは強いショックを受ける。
ミッツィーを説得し、何とかカリフォルニアに引っ越すも、ミッツィーは精神を病み、ペットの猿にベニーという名前を付けて飼うことになる。
家庭は常にギクシャクしている上、サミーは転校した先の学校でローガンとチャドからユダヤ人であることを理由に酷いいじめを受ける始末。
だが、そんな状況でも少しいいことが、同級生のモニカ・シャーウッドとユダヤ人であることがきっかけで付き合うことになるのだった。
しかし、家庭の方は限界に達し、ミッツィーはベニーと暮らしたいといい、バートとミッツィーは離婚、妹たちは母、サミーは父に付き家族は離れ離れになってしまう。
そんなとき、高校で学年最後に開かれるダンスパーティー(プロム)で海岸遠足のときに撮影した「おサボリ日」の上映をしたことで、いじめっ子のローガンと分かり合うことができるのだった。
それから、1年後、映画監督になるために大学を中退したサミーはハリウッドでの就職活動に励み、テレビ映画製作の下っ端の仕事にありつく。
サミーの熱心な姿勢が評価され、サミーは巨匠ジョン・フォード監督と面会するチャンスを得て、面白い映画を撮るための極意を教わり、希望を胸に前半生は終わる。
この映画を観るまでと観た後ではスピルバーグ監督に対するイメージが少し変わりました。
観る以前は、貴族の出身かなんかで、才能や環境にも恵まれて、親族に映画関係者や有力者がいて、なるべくして映画監督になったものと思っていたのですが、そんなことはなくて、ごく普通の家庭に生まれ(裕福な方ではあるが)、『地上最大のショー』を観たことを機に映画を撮り続け、夢を捨てずに努力したことで熱意が認められてハリウッドに自力で受かることができたのです。
どこまでが真実で、どこまでが嘘なのかは定かではないのですが、もしこの映画のような前半生を歩んで映画監督になられたのなら努力の人で好感が持てますよね。
この前半生を経て『ジョーズ』『E.T』『未知との遭遇』『ジュラシックパーク』などの名作を次々に生み出したと思うと、感慨深い気持ちになりました( ̄▽ ̄)ゝ