ストーリー
地球上の全ての人間の記憶は記録・検閲され、個人のプライバシーも匿名性も失われた近未来。「秘密」はもはや過去の遺物となり、犯罪さえも消滅していた。しかし、起こるはずのない殺人事件が発生。捜査上で頼りになるのは、一切の「記録がない女」 (ANON=匿名)だった。事件は何かの始まりを示唆するかのように、次々と発生し……
引用元:https://filmarks.com/movies/55193
「ガタカ」「TIME タイム」のアンドリュー・ニコル監督が描いた近未来SFサスペンス。出演は「トゥモロー・ワールド」のクライブ・オーウェンと、「TIME タイム」でもニコル監督とタッグを組んだアマンダ・セイフライド。地球上の全ての人間の記憶が記録・検閲されるようになった近未来。犯罪が不可能になった代わりに個人のプライバシーも匿名性も失われたこの世界で、起こるはずのない殺人事件が発生する。やがて捜査線上に、個人を特定されずにいる「記録のない女」の存在が浮上。しかし事件は何かの始まりを示唆するかのように繰り返されていく。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。
引用元:https://eiga.com/movie/90237/
登場人物・キャスト
※括弧内は日本語吹替
- サル・フリーラン: クライヴ・オーウェン(木下浩之)
- 匿名の女(ANON): アマンダ・サイフリッド(豊口めぐみ)
- チャールズ・ガッティス: コルム・フィオール(吉富英治)
- カール・ニーダーマイアー: デビット・ストーチ
- サイラス: マーク・オブライエン
- クリステン: ソーニャ・ヴァルゲル
- レスター・ハーゲン: ジョー・ピング
- ジョセフ・ケニック: イド・ゴールドバーグ
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ANON_アノン
感想
究極の監視社会を描いた物語です。
近年は犯罪抑止のためや防犯上の観点から至る所に監視カメラが取り付けられていますよね。
国によって国民の行動・閲覧・発言・評価などの様々な履歴が監視されていると聞きます(日本も同じかもしれませんが( ̄▽ ̄))。
それほどまでではないにしろ、日本人の性質上シャーデン・フロイデが強く、裏切り者検出モジュールの感度、つまり集団的模範意識の高い性質上相互監視社会であると言えなくもありませんが(;^∀^)
世界が監視社会化していっている中、犯罪抑止になっている良い面もある反面、悪い面もあって、生き辛さを感じる人も少なくないと思います。
以前にもたびたび話しているのですが、バニラは伊藤計劃さんの『ハーモニー』という小説が好きなのですが、『ハーモニー』の世界ではすべての人間の評価点が可視化され、健康やその他もろもろすべてのことがウォッチミーという体に埋め込まれたチップで管理されるようになっていました。
岡田斗司夫さんという人は今の社会、これからの社会は評価経済社会になる、もしくはなっていると言っています。
詳しくは調べて欲しいのですが、評価経済社会とは評価によって社会が廻るという文字通りの意味ですね。
現代はまさに、評価経済社会です。
話がそれましたが、要するにこの映画の世界では、人間一人一人が監視カメラということなのですΣ(゚Д゚)
でも、超監視社会になっても犯罪がなくなることは恐らくありませんからね。
この映画では、ちゃんと警察機構は存在しており、本作の主人公は刑事なのです。
ほとんどの犯罪はクラウドに保存された視覚映像で解決できる社会になっていましたが、ある日、映像が改ざんされている事件に遭遇します。
捜査を進めていくうちに、ANONと呼ばれるハッカーがデータ改ざんの仕事をしていることがわかるのです。
データ社会になっても、抜け道はいくらでもあるということですね。
『攻殻機動隊』でも描かれていた記憶がありますが、相手の視覚をハッキングして目を奪うのです。
ANONはハッキングスキルを使って、監視社会に一石を投じることになるのです。
もし、ちょっとした悪事を働いたとき、映像データを改ざんしてくれる人があらわれたら、利用したくなりますよね( ̄▽ ̄)
需要は多そうです。
そんなことをされた日には、見た目は子供、頭脳は大人、犯人泣かせの名探偵も解決不可能ではないでしょうか。
いや、あの人のことだから、解決してしまう気もしますが……。
犯人の立場に立つと、名探偵を敵に回してしまったときの絶望感ってヤバいでしょうね(;^ω^)