ストーリー・解説
聖人イエスとブッダが東京・立川で過ごす日常を描いた中村光の人気ギャグ漫画をアニメーション映画化。世紀末も無事に超えることができたブッダとイエスは、バカンスとして下界に降臨。立川のアパートで共同生活を送っていた。素性がばれないようにと注意しながらも、事あるごとに小さな奇跡を起こしてしまう日々。それでも2人の人間味あふれる行いに、人々の間に心地よいつながりが芽生えていく。俳優の森山未來がイエス役、ミュージシャンの星野源がブッダ役で声優に初挑戦。アニメーション制作は「黒執事」「青の祓魔師」などで人気のA-1 Pictures。
2013年製作/89分/G/日本
配給:東宝映像事業部
劇場公開日:2013年5月10日
引用元:https://eiga.com/movie/77548/
笑う角に“ネ申”きたる!?“笑い”でも世界を救う!ダジャレやお笑いをこよなく愛し、新しいモノ好きな浪費家イエスと、自分とお金に厳しく、シルクスクリーンでTシャツを作るのが大好きなブッダ。世紀末を無事に超えた二人は、東京・立川のアパートをシェアし、日本の四季を堪能しながら下界でバカンスを過ごしていた。二人はマイペースに日常生活をエンジョイしているが、ついつい神パワーを発揮し、あちこちでセイントな奇跡を起こしてしまう。 ©中村光・講談社/SYM製作委員会 [コメディ/ギャグ][日常/ほのぼの]
登場人物・キャスト
主要人物
- ブッダ
- 声 - 星野源 / 演 - 染谷将太
- 本作の主人公で目覚めた人。世紀末を乗り越えたことから、しばらく有休をとってバカンスとして人間界に降り、イエスと共同生活を送る。
- 螺髪、額の白毫、長い耳たぶが特徴の青年。螺髪及び白毫は神通力で毛を1本ずつ丸めた物で、元に戻すと周囲が暗闇に包まれるほどの相当な長さになる[注 3]。耳たぶは丸めて耳に詰めることで耳栓になる他、夏は冷たい手触り。小学生(天敵と言われている)や酔っ払いから白毫を「ボタン」として押されたり、イエスに耳たぶで涼を取られたりと、何かと身体的特徴をネタにされる。これらは天部衆による身体改造の結果で、彼自身は「16本に増やされた親知らず」だけは消化の助けになると喜んでいる[注 4]。
- 下界の生活では家事全般を担当。菜食主義者[注 5] のため肉料理は基本的に作らない。修行時代の苦行経験から倹約家となり、特売セールや広告などには敏感で数百円使うのにも厳格。天界から振り込まれる給料が「2人合わせて26万円[5][注 6]」ということもあって無駄遣いしやすいイエスをたしなめることが多い。家電製品が大好きで、節約して貯めたお金で最新型の炊飯器を買い求めたり、誕生日にイエスから石釜スチームオーブンを贈られた時はすごく喜んでいた。
- 普段は大人しく温厚。徳のある言葉を言ったり、逆に怒っても頭が発光する(後光)。4度怒らせるととても危険なことになるらしい(「仏の顔も三度まで」)。喜びなどの感情が高まると奇跡を起こし、触れたものを凛々しいデザインに変えたり、芽が出たばかりの植物を花が咲くほど成長させたりする。六神通を始め様々な神通力に通じ、座禅を組んで浮遊したり、アンテナ無しでデジタル放送をテレビに映すことが出来る。
- シルクスクリーンを趣味にしており、2人が普段着るプリントTシャツは、三割が彼のお手製である。このことはイエスには秘密にして「どのTシャツを一番気に入っているか」を「Tシャツ聖戦(バトル)」と呼び、チェックしている。どんなことも苦行にするところがあり、イエスに注意される(「苦行スイッチ」)他、他人にやたらと出家を勧める癖がある。悟りを開き解脱すれば幸せなのは当然だが、自身が修行のために現世の幸せ(家族)を放棄したことは気にしており、松田さんや静子さんの言葉にグサリと来ることも多い。
- 元々運動(乗馬など[注 7])が趣味だったこともあり、「ガンジス河のランブルフィッシュ」の異名をとるほど泳ぎが上手く関節も柔らかい。本人は痩せていたいらしいが、天部は「ブッダははんぺん系(太っている)がいい」と考えているらしく、毎回ダイエットしたい彼自身とあの手この手で栄養補給(食べないなら毛穴から直接流し込む)をさせる天部という熾烈な争いが繰り広げられている。究極の三日坊主で大抵のことは三日もやれば極めてしまい、特に自身の肉体改造はお手の物。
- 漫画喫茶で手塚治虫が描いた自分の人生の物語(『ブッダ』)を読んで感動し、手塚ファンとなって全巻を買い揃えた。砂絵で漫画を描いたことがあるなど元々絵には関心があり、イエスに貰った漫画家入門セットを機に本格的に漫画を描き始めた。著作の「悟れ!アナンダ!」は天界で単行本化を果たしており、この作品のギャラを生活の足しにしている。
- 写真を撮ったり撮られたりするのが苦手で、成仏したいと近づいてくる幽霊が写ってしまうので、それを避けるために変なアングルになったり、顔を撮ろうとすると、緊張して変顔になってしまう。
- 生まれながら動植物に好かれる。油断すると動物達に囲まれたり、窮状を助けようと動物がどこからともなく現れ、特に病気で体力が低いときなどは自ら食材になろうとさえする。そのため、一度で良いから動物達から嫌われたいと思っている。また、動物だけなく植物からも好かれていて、イエスが観葉植物を買ってきた時には畳のイグサや寺院の菩提樹などを巻き込んだ大騒動を引き起こしている。座禅を組んでいるとお年寄りなどから供え物をされることもある。また、本人が操作するゲームキャラにも周囲のプレイヤーからアイテムをプレゼント(お供え)されている。
- イエス
- 声 - 森山未來 / 演 - 松山ケンイチ
- 本作のもう1人の主人公で神の子。世紀末を乗り越えたことから、しばらく有休をとってバカンスとして人間界に降り、ブッダと2人暮らし中。
- 普段はブッダの事は「ブッダ」と呼んでいるが、一度だけ、「シッダールタ」と本名で呼んでいた(イエス本人は、「思わず本名で呼んじゃったよ」と言っていた)。
- ロン毛、髭面で、頭に茨の冠を着けた青年。ジョニー・デップに似ていると言われることがあり、本人も意識している。茨の冠にはGPSとブザーが内蔵されており、ブザーを鳴らすと5秒で天使が飛んでくる。濡れると茨に葉が生い茂る(シャンプーハット)。
- ブッダとは対照的にやや子供っぽくてノリが良く、何事も形から入るタイプ。天然ボケなところもある。小学生からその道の人(勘違いされた結果ではあるが)まで様々な人と打ち解けている。基本はブッダを引っ張り回す役で、浪費家ゆえにしばしばブッダを怒らせる。
- 額の聖痕は極度のストレスや恐怖を感じると出血し、その際には迫害を危惧した天界の住人(天使)が迎えに来ることもある。ジャンプしたり高い所に上がった場合にも(天に帰りたがっていると勘違いした)天使が来ることがある。
- 嬉しいことがあったりお笑いでツボに入ったネタがあると奇跡を起こし、石や食器をパンに、水を葡萄酒に変えたり、病人を治療したりすることができる。逆に世界の貧困や戦争など悲しいことを考えると、パンが器や石になる(逆奇跡)。彼の血には万病を治療・予防する加護があり、彼の血に触れた器物は片っ端から聖遺物になり、その使用者も芝居がかった(ブッダ曰く「完全にイエスの」)キャラになる。彼の血を吸った蚊は「意識の高い蚊」となり、かゆみ成分を分泌しなくなるため刺されると痛い。彼が近づくだけで病人はほぼ勝手に治ってしまうため、まともな看病をしたことが無い(ただしブッダの風邪は治らなかった。本人曰く「聖人相手だと難しい」とのこと)。温泉をぶどう味のジュースに変える奇蹟を起こし「私の血はぶどう味なら何でも良いのか」と悩んだことがある。
- ブッダが師弟関係に厳格であるのと対照的に弟子に対してもかなりフランク。笑いの沸点がかなり低く、自分をネタにした弟子のジョークにすら大ウケし、自分を売ったユダとも良好な関係。あまりの無警戒さにむしろブッダや天界の住人に心配されるほど(復活前にラファエルのカウンセリングを3日間受けるなど、弟子の不信行為自体には傷ついている)。
- 普段は部屋でゴロゴロしていることが多く、かなりの暇人。乗り物に弱く、すぐ酔う。水嫌いで、苦手なあまり洗礼の手法を変えてもらったり、波を起こす海に怒って波を止めさせてしまったり、やむを得ない時には水上を歩くなど、自然現象に対してはかなり強気。「ベツレヘムの流れ星」を自称しているが、スポーツは得意ではなく、ブッダと一緒にランニングした際、すぐに息切れを起こしている。だが、唯一得意なスポーツとして卓球を挙げ、極楽サイドの伝統スポーツ「ショムジョ」においては、ブッダと組んで名を馳せたプレーヤーでもある。ボウリングに関しても超越した力を持っているが、彼自身はスポーツと思っておらず、ボウリングの起源である悪魔祓いの儀式として行っている。このように、自分の好きなことや得意なことには素早い動きを見せ、ブッダからは「こんな時だけはベツレヘムの流れ星なんだから」と思われている。
- パソコンやネットを嗜む。最新型のパソコン等には敏感で秋葉原を聖地と思っている。弟子と共にオンラインゲームに興じたり、「いえっさのドラマンダラ」というテレビドラマ感想ブログでランキング1位を取るほどの有力ブロガーとなっている。ハンドルネームは統一して「いえっさ」。
- コスプレも好む。特に新選組のコスプレが好みで新選組参謀・伊東甲子太郎のファンらしい。
- お笑い好きでネタ帳を作っており、ひょんなことからブッダとお笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成。ゆくゆくはM-1グランプリ優勝を目標としているが出来は微妙で、ネタの見解の相違からブッダを怒らせかけることも。
- 「シュワッキマッセーリ」をロシア語か何かの歌だと勘違いしていた(後にカラオケで賛美歌として歌っている)。聖書に蛇がアダムに知恵の実(リンゴ)を食べるよう唆した描写があるため、蛇が全体的に苦手。そのためムチリンダや弁才天の蛇も敬遠しているが、ブッダが風邪をひいて発熱した際は普通に「ヘビ呼ぶ?」とも言っている。リンゴやリンゴの入った食べ物を食べたりリンゴのマークのOA機器に触れると、リンゴが体外に出されるか手放すまで、宗教の開祖らしい性格(ブッダ曰く「絡み辛い」)に豹変する。他にも磔刑にされた経験から、スプラッタなども苦手。
- 彼の所有物を本人に内緒で所持・使用すると、地獄の最下層「コキュートス」への道が開く。一度経験したブッダは恐怖の余り「無」になった。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/聖☆おにいさん
感想
『月刊モーニングtwo』にて2006年一月号より連載中。
宝島社「このマンガがすごい!2009」オトコ編1位、2009年、手塚治虫文化賞短編賞受賞。
2019年時点の発行部数は1600万部、2024年現在1700万部突破の大ヒット漫画。
世紀末を無事乗り越えたブッダとイエスが、有休をとって下界でのバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート「松田ハイツ」の一室で「聖」(せい)という名字でルームシェアして暮らすという設定で描かれる日常コメディ。
なんと、主人公は仏教の教祖であるシッダールタことブッダと、キリスト教の教祖イエスです。
仏教のブッダならまだしも、キリスト教のイエスを作中に登場させたのはすごく衝撃でした。
日本が宗教に寛容といっても、宗教関連のことはデリケートなことが多いので、規制している出版社も多いのですが、講談社は平然と登場させています。
それも、この漫画の独特の雰囲気がなせる技なのかもしれません。
ブッダとイエスが東京都立川市で、同居生活するというユニークの設定により、独特な雰囲気の作品に仕上がっているんですよね( *´艸`)
とにかく「ゆる~い」作品です。
大きな事件が起きるわけでもなく、大きなストーリーがあるわけでもなく、ただただ、ブッダとイエスが日常の些細を幸せを見つけて、下界でのバカンスを楽しむ作品です。
ブッダとイエスが主人公ですが、宗教色はほとんどなく、例えるなら日本にやって来た外国人の同居生活を見ている感じなんですよね。
外国人が慣れない日本の文化や、人々と触れ合いながら、わちゃわちゃ生活している構図ですね。
普通に考えたら、おじさん? おにいさん? たちの同居生活を観ているだけなのですが、すごく癒されるんですよ(n*´ω`*n)
二人とも優しくて、おおらかで、ほっこりした気持ちになります。
そんな「ゆる~い」雰囲気が良いんですね。
本作は劇場版ですが、どちらかというと30分アニメで、一エピソードずつ描いた方が、キリもいいし、日常系なので観やすいと思いました。
日常系作品が好きな人、何も考えず気楽に観れる作品を探している人にはオススメです( ̄▽ ̄)ゝ