概要
1979年に製作・公開されたアニメ「ルパン三世」劇場用映画のシリーズ第2弾で、宮崎駿監督の劇場初監督作品として知られる名作。
盗み出した大金がゴート札と呼ばれる偽札であることに気づいたルパンと次元は、ゴート札の秘密を探るため、カリオストロ公国へやってくる。そこで謎の男たちに追われていた少女クラリスを助けたルパンたちだったが……。
クラリス役は、「風の谷のナウシカ」のナウシカ役でも知られる島本須美。2014年5月にデジタルリマスター版が公開されて以降、幾度もリバイバル公開されており、2017年1月にはMX4D版、2019年11月には「MX4D」「4DX」の2タイプの体感上映システムに対応した4D版がそれぞれ公開。2021年10月には「ルパン三世」アニメ化50周年を記念して4K映像+7.1chサラウンドの特別仕様で公開(短編「ルパンは今も燃えているか?」と2本立て)。2024年11月には劇場公開45周年を記念して、初のIMAX上映を含めてリバイバル公開。
1979年製作/100分/G/日本
配給:TOHO NEXT
劇場公開日:2024年11月29日
その他の公開日:1979年12月15日(日本初公開)、2014年5月9日、2017年1月20日、2019年11月8日、2021年10月1日
引用元:https://eiga.com/movie/32052/
登場人物・キャスト
メインキャラクター
- ルパン三世
- 声 - 山田康雄
- かの名高き怪盗アルセーヌ・ルパンの孫で、自らも世界的な大怪盗かつ変装の達人。
- ゴート札の出処と疑われているカリオストロ公国へ入国した際に追われていたクラリスを見かけ、助けるために追っ手を撃退するが、彼女は別の追っ手に連れ去られてしまう。クラリスが残した指輪を見て、彼女が昔自分を助けてくれた幼女であったことに気づき、恩に報いるためにも行動する。
- 次元大介
- 声 - 小林清志
- コンバットマグナムを使う射撃の名手でルパンの相棒。
- ルパンと共にカリオストロ公国の城に水中から潜入するもはぐれてしまい、その後は五ェ門と共に重傷を負ったルパンを匿ったり、対戦車ライフルによる射撃で援護したりした。クラリスの事を「お姫さん」と呼び、健気な彼女を良い娘と評している。
- 石川五ェ門
- 声 - 井上真樹夫
- 古の大泥棒・石川五ェ門の十三代目。最強の刀「斬鉄剣」を使う居合い抜きの達人。
- ルパン達と合流した際、ルパンがわざと銭形をカリオストロに呼んだ意図を見抜く等持ち前の勘の鋭さを見せた。
- クラリスの真摯な立ち振る舞いに触れて、思わず「可憐だ」と漏らし、その後の戦闘では普段以上の冴えを見せた。
- 峰不二子
- 声 - 増山江威子
- ルパン一味の紅一点で、付かず離れずの存在。時にはルパン達を利用したり、裏切ったりすることも多い。
- カリオストロ城の秘密を探るため、ルパンたちより先に単独で「クラリスの召し使い」として城内に潜入していた。今作ではルパン一味との関わりは少ないものの[注 3]、ルパンや銭形に情報を流して陰ながらにサポートをしている。
- 銭形警部
- 声 - 納谷悟朗
- ルパン一味を追うICPOの捜査官。ルパン専任捜査官であるため、ルパンに関係する事件なら世界中どこでも捜査権が認められている。
- ルパンの情報を聞きつけて埼玉県警機動隊[注 4]を率いてカリオストロ公国に駆け付け、伯爵城の外周警備を行うが、カリオストロ伯爵の裏工作でインターポールから帰還命令が出る。納得できずに伯爵に掛け合おうとするが、床に仕掛けられた罠により城の地下牢獄に落とされ、途方に暮れているところを同じく落とされたルパンと合流。ゴート札の秘密を知りルパンと一時休戦して共に地下から脱出。インターポールにニセ札製造の実態を訴えるも歴史の暗部に深く噛む事案であるがゆえに歯牙にもかけられなかったため、一時は落胆して任務から退く。
- その後、不二子からルパンが伯爵の結婚式に乱入する気であることを知らされる。これ幸いと、ルパン逮捕を口実にニセ札の製造現場とその実態を世界に暴露するべく自らも再び機動隊を指揮して現場に赴く。ルパンの大暴れによる騒ぎの中、城に機動隊を率いて突入し、レポーターに変装して潜入した不二子と共に地下の偽札工場を偶然発見した振りをして世界中に中継することで、インターポールの鼻を明かした。相変わらずルパンを逮捕できなかったが今回の事件に関しては色々と理解を示していた。
- ルパン曰く「昭和一桁生まれ」とのこと。
- 他の作品と違い、手錠や拳銃を取り出す場面が無く、十手を振るうか徒手格闘のみである。
ゲストキャラクター
- クラリス・ド・カリオストロ
- 声 - 島本須美
- 本作のヒロインにしてキーパーソン。カリオストロ公国の公女で、大公家最後の姫君。大公家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。
- 7年前に起きた大公の館の大火事[注 5]で両親を亡くして以来、永らく修道院に入っていたが、両家を統一し国を手中に収めようとするカリオストロ伯爵との政略結婚を強いられる。非道な行為を続ける伯爵に反発し、婚礼衣装の仮縫いの隙を突いて脱走する。伯爵の差し向けた追手から逃げている途中でルパンと再会し、一時は助けられるが、再び捕らわれる。
- 終盤では薬物により意識を奪われた状態で結婚式を挙げさせられていたが、三たび城に潜入したルパン一味に助けられ、逃亡中に次元と五ェ門にも感謝の言葉を述べた。
- 幼少期、若き日のルパンがゴート札を狙って忍び込んだ伯爵の城から脱出中に負傷し行き倒れていたところを介抱していた。クラリス本人はその時のことを覚えていないが、エピローグでは「ずっと昔にあの方(ルパン)に会ったような気がするの。……ルパン……。きっとまた会えるわ」と呟く。
- ラザール・ド・カリオストロ伯爵
- 声 - 石田太郎[注 6]
- カリオストロ公国の摂政を務める事実上の統治者。本作の悪役。
- 伯爵家当主(代数は不明)で、大公夫妻の死後、摂政として公国の実権を握っている。表向きは傲岸不遜ながらも紳士的だが、本性は強欲かつ残虐非道な人物。伯爵家の一族を「大公家の影としてカリオストロ家の暗部を一手に担ってきた」と自認しているように、裏では本物以上と評された偽札「ゴート札」の密造をも受け継いでおり、世界各国の闇の部分と深く繋がっている。
- 伯爵家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者であり、対となる「銀の山羊の指輪」を持つクラリスとの政略結婚によってカリオストロの正当な後継者としての地位と、2つの指輪に秘められたゴートの秘宝を手に入れようと目論む。
- 劇中ではほぼ一貫して「伯爵」と呼ばれ、ファーストネームは劇中では呼ばれない[注 7]。
- 結婚式をぶち壊しにしたルパンと湖の時計塔で対峙する。ルパンとはぐれたクラリスを追い詰めて殺そうとするが、駆けつけてきたルパンから持ち掛けられた指輪と人質の交換条件を呑む振りをしてルパンを殺そうとし、それを止めようとして飛びかかってきたクラリスをも蹴落とす。ルパンに教わった通りに両指輪を時計の盤面の1時方向にあるレリーフにはめ込むが、指輪が時計塔のスイッチだとは知らなかったため、仕掛けが起動した瞬間に長針と短針に挟まれて苦しみもがく。最後は暗闇で両針が12時を指し、断末魔の叫びをあげると共に死亡した(その際、圧死又は斬首を思わせる軽い音をたてた)[要検証 ]。
- ジョドー
- 声 - 永井一郎
- カリオストロ伯爵に仕える有能な執事。裏の顔として、各国の情報機関からも恐れられる公国の特殊部隊「カゲ」の長官も兼任している。
- 財宝を手に入れようとする伯爵を献身的にサポートし、一度はMG34を用いてルパンに瀕死の重傷を負わせる。伯爵への忠義心は厚く、伯爵が最期を迎えた際は「これでカリオストロも終わりだ。斬れ。」と嘆き、五ェ門に自らを介錯するよう求めた。しかし五ェ門は「無益な殺生はせぬ。」とこれを断った。
- 園丁(庭師の老人)
- 声 - 宮内幸平
- 大公家公邸の庭師。自分の職務に誇りを持っており、大公家の没落後も焼失した公邸跡の庭園を管理し続けている。
- クラリスのことは誕生当時から見守っており、彼女から愛犬のカールを託されている。無愛想だが根は親切で、伯爵との戦いに敗走したルパンたちを匿った。
- グスタフ
- 声 - 常泉忠通[注 8]
- 主に城内の警備とカリオストロ伯爵の身辺警護を務める、衛士隊長。融通の利かない堅物気質。
- 機動隊
- 声 - 松田重治[注 9]
- 銭形が支援部隊として日本から引率してきた埼玉県警察の機動隊。
- パトカーと2台の幌付きトラックに分乗し、ジュラルミン製の大盾と木製警棒を装備している。拳銃を収納するホルスターも装備しているが、拳銃を構えたり発砲したりする描写はない。
- 負傷者を出しながらも、サーベルで武装した衛士隊と激しく渡り合った。ラストではルパンを追う銭形とともにカリオストロ公国を離れ、クラリスたちに手を振る。
- カール
- 庭師の老人が面倒を見ている老犬。大の大人を押し倒すほどの力がある大型犬。犬種は不明。
- 元はクラリスの飼い犬であり、大公夫妻の没後にクラリスが修道院へ入る際、老人へと預けられた。彼女がまだ幼かった頃、カリオストロ城からの逃亡中に負傷して行き倒れていた若き日のルパンを最初に発見していた。
- クラリス以外には懐かないというが、ルパンについたクラリスの匂いにより、彼の傍を離れようとしなかった。
- 大司教
- 声 - 梓欽造
- バチカンのカトリック教会大司教。
- カリオストロ伯爵とクラリスの婚礼の司祭を請われてカリオストロ公国へ向かうが、城への道中で渋滞に巻き込まれる。その隙に地元の人間に変装した次元が、「近道」と称して城とは違う田舎の方向を案内することで婚礼に間に合わなくさせ、その間にルパンが大司教に変装してクラリスを救出するべく城に入った。
- 衛士隊
- カリオストロ公国の治安部隊。
- カリオストロ伯爵は「我が国にも警察はある」と同隊を紹介していたが、その活動範囲は国境の検問を除けば城外にまでは至らないような描写がなされている。古風な軍服と鉄帽、サーベルを腰に下げた前時代的なスタイルが特徴。拳銃のホルスターも装備するが、使用の描写はない。
- 水兵
- カリオストロ公国水軍の兵士。内火艇に乗艦して短機関銃で武装し水兵服を着用している。
- 終盤の時計塔ではルパンと直接対峙するが、塔内に突入した折、1人が歯車に巻き込まれるという壮絶な死を遂げた。
- カゲ
- ジョドー率いるカリオストロ公国の特殊部隊。ルパン曰く「暗殺のプロ」。
- 全身に衝撃吸収を兼ねた防弾仕様の頑丈な鎧を纏っており、籠手の鋭い爪と前腕に仕込まれた鋭い刃が特徴。この鎧は次元のマグナム銃の接射も効かず、対戦車ライフルでも吹き飛ばされるのみで原型は保っており、五ェ門の斬鉄剣でようやく斬り落とされるという極めて高い防御性能を誇る。このほか、主に水中任務に特化した軽装、通称「水カゲ」も存在する。正体はカリオストロ公国の召使い達であるが、衛士に比べると年齢層が高いように描写されている。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ルパン三世_カリオストロの城
ストーリー
世界的な怪盗であるルパン三世は、仲間の次元大介、石川五ェ門[注 2]とともに、モナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出す。しかし、その正体は真券同然の精巧さで知られる幻の偽札「ゴート札」であった。ルパン家の家訓の一つ「偽物に手を出すなかれ」に従い、偽札を車から撒き散らして捨てたルパンと次元は、ゴート札を次の標的に定め、その出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国へ向かう。
カリオストロ公国に入国したルパンたちは、猛スピードで車を走らせるウェディングドレス姿の少女と彼女を追う男達を見かけ、訳もわからぬまま少女を助けようとする。少女はこの国の亡き大公の娘クラリスだった。クラリスは、大公夫妻の死後に摂政としてこの国を治めているカリオストロ伯爵に結婚を迫られ、逃げ出したのであった。ルパンたちは追っ手を撃退したものの、ルパンはクラリス共々崖から落ち、さらに落ちてきた枯れ木に頭を直撃され気絶する。その間に別の追っ手が迫り、クラリスはルパンに累が及ばないよう単身その場を離れ、連れ去られてしまう。意識を取り戻したルパンは、クラリスが残していった手袋の中に指輪を見つけ、幼い頃の彼女に出逢ったことを思い出す。かつてルパンがゴート札を狙って公国に忍び込んだものの、迎撃を食らい重傷を負わされたとき、介抱してくれた幼女がクラリスであった。一方、捕らえたクラリスが指輪を付けていないことに気づいた伯爵は、クラリスの逃亡を手助けしたルパンらに暗殺集団を差し向ける。伯爵は、自身の持つ金の指輪とクラリスの銀の指輪を合わせることで手に入れることができるという「ゴートの秘宝」を狙っていた。
夜半、宿に現れた暗殺集団の手から逃れたルパンは、伯爵にクラリス奪取を予告。五ェ門を呼び寄せるとともに、ルパンの逮捕に執念を燃やす国際警察(ICPO/インターポール)の銭形警部に情報をリークし、クラリスが監禁されている伯爵の城へ来るように仕向ける。銭形は埼玉県警の警察官を多数率いて城へと赴くが、衛士たちに邪魔されて思うように捜査ができない。
ルパンはローマ帝国時代に築かれた水道橋を伝って城内に潜入すると、銭形に変装して衛士隊を欺き、騒ぎを起こしてその隙にさらに奥へと入り込む。クラリスの身の周りの世話をする使用人として城に潜入していた峰不二子から、クラリスの居場所を聞き出したルパンは彼女と対面して指輪を返し、しばし心を通わせるが、伯爵に見つかり、地下へと通じる穴に落とされてしまう。地下は巨大な牢獄になっており、権謀術数の犠牲者やゴート紙幣の謎をつかもうとして伯爵家に捕らえられた者たちの骨や遺品が散らばっていた。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ルパン三世_カリオストロの城
感想
たぶん、なんやかんやで少なくとも2回くらい以前も観たことあるのですが、当時はまだ子供だったので「とんでもないものを盗んでいきました」という名シーンだけ憶えて、その他のストーリーはまったく憶えていませんでした(^▽^;)
結構、『ルパン三世』の物語って政治や歴史の話が多くて、子供には難しいイメージがありませか?
本作『カリオストロの城』も、バニラの理解力がなかったのではなく、政治色、歴史色が強いので、子供時代の自分が憶えていないのもうなずけますよね('ω')
だから、ほぼ初見の状態で改めて観ましたが、「こんな話だったのか」と、感動しています。
説明するまでもないと思いますが、本作は宮崎駿監督の初長編作品で、ここからジブリの歴史が始まったと言っても過言ではないくらい、日本アニメ史を語る上では外せない作品となっています。
一般的に初期の作品って方向性が定まっていないとか、発展途上な場合が多いと思いますが、『カリオストロの城』の時点で後の宮崎ジブリ作品の特徴がすでに完成されているように感じました。
新しいジブリ作品も当然素晴らしいですが、昔の『風の谷のナウシカ』とか『天空の城ラピュタ』とか『となりのトトロ』とか『魔女の宅急便』とか『紅の豚』などの古いジブリ作品の温かみのある絵柄はいいですよね(●´ω`●)