概要
今世紀初頭、近代化したとは言え、列強諸国に比べ遅れをとる日本が、超大国ロシアに何故戦争を挑んだのか。そして、その戦争を背景に、政府、軍、民間といった様々な階級の人々がいかに生きたかを描く。脚本は「仁義なき戦い」シリーズの笠原和夫、監督は「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士」の舛田利雄、撮影は「トラック野郎 突撃一番星」の飯村雅彦がそれぞれ担当。
1980年製作/185分/日本
原題または英題:Port Arthur
配給:東映
劇場公開日:1980年8月2日
引用元:https://eiga.com/movie/38463/
登場人物・キャスト
記載順、漢字表記はエンディングクレジットに準じる[注釈 3]。なお、本作では配役は示されておらず、俳優名のみとなっている。
太字の人物は、単独クレジットになっている俳優である[注釈 4]。
第三軍関係
- 仲代達矢(乃木希典)
- あおい輝彦(小賀武志)
- 新沼謙治(木下九市)
- 湯原昌幸(梅谷喜久松)
- 佐藤允(牛若寅太郎)
- 永島敏行(乃木保典)
- 長谷川明男(米川乙吉)
- 稲葉義男(伊地知幸介)
- 新克利(相野田是三)
- 矢吹二朗(久司大尉)
- 船戸順(白井二郎)
- 浜田寅彦(大迫尚敏)
- 近藤宏(大島久直)
- 伊沢一郎(友安治延)
- 玉川伊佐男(松村務本)
- 名和広(中村覚)
- 横森久(土屋光春)
- 武藤章生(竹下少佐)
- 浜田晃(大庭二郎)
- 三南道郎(金平又八)
- 北村晃一(寺島大尉)
- 木村四郎(津野田是重)
- 中田博久(奈良少佐)
- 南廣(軍曹)
- 河原崎次郎(ガレ場の日本兵)
- 市川好朗(志水実)
- 山田光一
- 磯村健治(仁杉万吉)[注釈 5]
- 相馬剛三(豊島陽蔵)
- 高月忠
- 亀山達也
- 清水照夫
- 桐原信介
- 達純一
- 原田君事
- 三島新太郎
- 原田力
- 久地明
- 沢田浩二
- 清水健祐
- 村山竜平
- 山浦栄
- 五野上力
- 松本泰郎
- 添田聡司
- 勝光徳
- 大島博樹
- 村添豊徳
- 高野晃大
- 佐々森勇二
- 青木茂
- 小島光二
- 碓氷明
- 中村高夫
- 佐藤達郎
- 秋山敏
- 金子吉延
政府関係
- 大本宮関係
- 民間人関係
- ロシア軍関係
- 満州軍関係
※制作当初は、伊吹吾郎(上泉徳弥)、長門勇(高橋是清)らもキャスティングされていた。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/二百三高地#映画
ストーリー
十九世紀末。
ロシアの南下政策は満州からさらに朝鮮にまで及び、朝鮮半島の支配権を目指す誕生間もない明治維新新政府の意図と真っ向から衝突した。
開戦か外交による妥協か、国内では激論がうずまいていた。
軍事力、経済力ともに弱小な日本にとってロシアは敵にするには強大すぎた。
しかし、幾度となく開かれる元老閣僚会議で、次第に開戦論がたかまっていくがロシアの強大さを熟知している伊藤博文は戦争回避を主張していた。
巷でも、開戦論で民衆を扇動する壮士グループと、戦争反対を叫ぶ平民社とが対立。
ある日、開戦論に興奮した民衆が平民社の若い女、佐知に殴りかかろうとしているところを、通りがかった小賀が救った。
その頃、伊藤は参謀本部次長の児玉源太郎と会見、対露戦の勝算を問うていた。
児玉は早いうちにロシアに打撃を与え、講和に持ち込むしか勝つ道はないと訴えた。
明治三十七年二月四日、御前会議で明治天皇は開戦の決議に裁可を下した。
ここに日露戦争の幕が切っておとされた。
日本軍は陸と海で破竹の進撃を開始した。
伊藤は前法相の金子堅太郎をよび、アメリカのルーズベルト大統領に講和の調停役を引き受けるように説得を要請する。
そうしたなかでも、神田のニコライ堂ではロシア人司祭によるロシア語の講座が細々と続けられ、出席していた小賀は、そこで偶然にも佐知に出会った。
思いがけぬ再会に、二人の間に愛が芽生えた。
やがて、金沢の小学校教師である小賀も出征することになり、彼を慕って金沢までやって来た佐知と愛を確かめあう。
小賀の小隊には、豆腐屋の九市、ヤクザの牛若、その他梅谷や米川たちがいた。
戦況は次第に厳しさを増し、海軍はロシア東洋艦隊に手こずり、陸軍は新たに第三軍を編成、司令官に乃木希典を命じた。
旅順の陥落が乃木にかせられた任務だったが、ロシアはここに世界一という大要塞を築いていた。
ロシア軍の機関銃の前に、日本軍は屍体の山を築いていく。
絶望的な戦いの中で、小賀と部下たちの間に人間的な絆が生まれていた。
しかし、戦いで部下を失った小賀の胸には戦争への怒りと、ロシア人への憎しみが燃え上がっていた。
十一月二十七日、司令部は二百三高地攻撃を決定した。
その日、小賀は捕虜の通訳を命じられたが、「兵には国家も司令官もない、焦熱地獄に焼かれてゆく苦痛があるだけ」と拒否、その言葉は激しく乃木の胸を打った。
十二月六日、乃木に代わって指揮をとった児玉のもと、二百三高地攻撃が開始された。
戦闘は激烈を極め、乃木は鬼と化していた。
そして、三一五〇名の戦死者と、六八五〇名の負傷者という尊い犠牲を払い、二百三高地はおちた。
しかし、小賀たちの一隊は、ロシアの少年兵との激闘の末、戦死してしまう。
一ヵ月後、旅順は陥落、これが翌三十八年三月の奉天大会戦の勝利、さらには日本海大海戦の勝利へとつながった。
翌三十九年一月十四日、乃木は天皇はじめ皇族、元老が居ならぶ前で軍状報告を行ったが、復命書を読み進むうちに、小賀や多くの兵のことが心をよぎり、落涙を禁じえなかった。
引用元:https://eiga.com/movie/38463/
感想
総製作費15億円、準備から撮影完了まで3年の歳月をかけて製作された歴史超大作です!
当時1980年代の15億円ということは、現在ではもう少し高い計算になると思います。
世の中には戦争映画と呼ばれるジャンルが存在し、戦争映画の傑作と評される作品は多くありますが、その多くは海外の作品です。
しかし、日本にも海外の戦争映画に負けない、傑作と評されるべき戦争映画が多くあるのです。
その一つが本作『二百三高地』でしょう。
扱うテーマがテーマだけに「すごい」というのは憚られるかもしれませんが、バニラの中で戦争映画ベスト10に入るほど、素晴らしい映画だと思いました。
撮影の規模も圧巻なのですが、人間ドラマが素晴らしいです。
本作に主人公は恐らく存在していなくて、乃木希典や小賀をはじめとする軍関係視点、伊藤博文などを始めとする政府関係視点、小賀の恋人の佐知などを始めとする民間人視点、ロシア人視点、明治天皇視点などが複雑に交錯しながら描かれる群像劇になっています。
戦争とは正義と正義のぶつかり合いですが、それぞれの視点でそれぞれの正義が描かれるんですよ(/_;)
乃木希典は自分の命令で多くの兵士たちを死に追いやってしまったことに負い目を感じていますが、心を鬼にして国家のために戦うのです。
自分の息子たちも戦争で死んでしまいますが、名誉の戦死だと喜ぶのです。
ですが、心中は息子たちを失った悲しみに打ち震えているんですね……。
一方の小賀も、最初こそロシアを親愛していましたが、多くの戦友をロシア兵に殺され、終盤からはロシア人を憎むようになっていくのです。
作中で小賀が上官に逆らってまで「兵には国家も司令官もない。焦熱地獄に焼かれてゆく苦しみがあるだけだ」というシーンが印象に残りますが、戦争によって翻弄されるそれぞれの心の動きがとても丁寧に描かれ、最後に乃木希典の落涙で幕を閉じるという、勝者があっても勝者のいない戦争の虚しさをこれでもかと感じました。
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