ストーリー
“それ”は、ある日突然現れる。
一見、平和で静かな田舎町を突如、恐怖が覆い尽くす。相次ぐ児童失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、自分を責めるビルの前に、突如“それ”は現れる。
“それ”を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。不良少年たちにイジメの標的にされている子どもたちも“それ”に遭遇していた。自分の部屋、地下室、バスルーム、学校、図書館、そして町の中……何かに恐怖を感じる度に“それ”は、どこへでも姿を現す。ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ”に立ち向かうことを決意するのだが…。
真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた―。
引用元:https://filmarks.com/movies/68060
スティーブン・キングの代表作の1つで、1990年にはテレビドラマ化された「IT」を、「MAMA」で注目を集めた新鋭アンディ・ムスキエティのメガホンにより映画化。静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。
2017年製作/135分/R15+/アメリカ
原題:It
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2017年11月3日
引用元:https://eiga.com/movie/86213/
登場人物・キャスト
- 吃音の少年。「負け犬(LOSERS)クラブ」のリーダー。
- ベン・ハンスコム - ジェレミー・レイ・テイラー(田村睦心)
- 転校してきたばかりの太めの少年。街の秘密を調べている。
- ビルの親友である眼鏡の少年。好きなゲームはストリートファイター。
- いじめを受けている大人びた少女。父親から性的暴行を受けている事が示唆されている。
- マイク・ハンロン - チョーズン・ジェイコブス(渡辺拓海)
- エディ・カスプブラク - ジャック・ディラン・グレイザー(小林由美子)
- 喘息持ちの少年。過干渉の母親に行動を縛られている。
- 子供たちにしか見えない不気味なピエロ。
- ビルの幼い弟。雨の日に行方不明となる。
- ヘンリー・バワーズ - ニコラス・ハミルトン(平井貴大)
- ベンやマイクらに執拗な暴行を加えている不良グループのリーダー。警官の息子。
- 不良グループのメンバーの一人。
- パトリック・ホックステッター - オーウェン・ティーグ(白石兼斗)
- 不良グループのメンバーの一人。暴行中に隙をついて逃亡したベンを探して下水管に入り、そのまま行方不明になる。
- ビクター・クリス - ローガン・トンプソン(榎木淳弥)
- 不良グループのメンバーの一人。
- グレッタ - メーガン・シャルパンティエ(森千晃)
- ベンのクラスメイト。
- ミスター・マーシュ - ステファン・ボガルト(田中正彦)
- べバリーの父親。べバリーに暴力を振るっている。
- ビルの母親。
- ザック・デンブロウ - ジェフリー・ポウンセット(志賀麻登佳)
- ビルの父親。
- ラビ・ユリス - アリ・コーエン
- スタンリーの父親。
- スタンリーの母 - ジャネット・ポーター
- リロイ・ハンロン - スティーヴン・ウィリアムズ
- マイクの祖父。
- ソニア・カスプブラグ - モリー・アトキンソン(恒松あゆみ)
- エディの母親。
- バワーズ警察官 - スチュアート・ヒューズ(さかき孝輔)
- ヘンリーの父親。
- キーン - ジョー・ボスティック(飛田展男)
- グレッタの父親。
- デリー図書館(児童図書館)の担当。
- ホーボー - ハビエル・ボテット
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/IT/イット_“それ”が見えたら、終わり。
感想
”それ”はある日、突然現れる。
一見、平和なそうに見える田舎町では、数十年の周期で多くの子供が行方不明になる児童失踪事件が続いていた。
そんな不可解な失踪事件の原因は、ピエロの姿をしたペニーワイズと名乗る”それ”が現れて子供たちを攫ってしまうからだ。
そして、再びペニーワイズが子供たちの前に現れ……子供たちを恐怖に陥れる。
最初のうちは恐怖から逃げることしかできなかった子供たちだが、団結することで恐怖(トラウマ)に立ち向かう勇気を得る……が……――。
『シャイニング』『ショーシャンクの空に』『スタンド・バイ・ミー』『グリーンマイル』『キャリー』『ミザリー』などなど、多くの名作映画の原作者・ホラーの帝王の異名を持つスティーブン・キング原作の『IT/イット ”それ”が見えたら、終わり。』。
スティーブン・キング原作ということもあり、スティーブン・キングの得意とする少年期の陰鬱とした雰囲気と、友人関係、トラウマ、大人になるための通過儀礼などなど、主要登場人物の子供たちの要素が、『スタンド・バイ・ミー』との共通点が多く見受けられます。
まるで、ペニーワイズが現れた別世界線の『スタンド・バイ・ミー』と言ってもいいくらいです。
『スタンド・バイ・ミー』同様、子供たちは様々なトラウマと悩みを抱えており、トラウマに立ち向かっていく成長物語でもありました。
主人公のビル・デンブロウは吃音症(言葉をスムーズに発することができない障害)の悩みと、弟をペニーワイズに殺され助けることができなかった後悔を持っているし、
転校してきたばかりの太めの少年ベン・ハンスコムは町の不良少年グループからいじめられています。
リッチー・トージアという眼鏡の少年は、口は達者ですが、ピエロ恐怖症で、
ベバリー・マーシュという大人びた少女は、学校で少女達からのいじめと、父親からの性的虐待? を受けています。
スタンリー・ユリスというラビの少年は、ラビとしてのあり方に悩み、モディリアーニの絵画のような女を恐れています?
マイク・ハンロンというアフリカ系の少年は、家業である屠殺業と、過去に遭った火事のトラウマに悩まされており、
エディ・カスプブラグは喘息もちで、過保護な母親に悩まされ、母親の影響で潔癖症になり、感染症や汚いものが苦手になっています。
そんな子供たちの悩みやトラウマに付け込んで、まるで『ハリーポッター』の「まね妖怪」のように、子供たちが恐怖する姿で現れるんですね。
バニラ、ひねくれているのでホラー作品を観ても、どのタイミングで脅かしに来るか、ある程度わかってしまう体になってしまったのですが、本作では、脅かすタイミングがわかっていても、力でごり押しして来るので、ビクッとさせられました(^▽^;)
日本のJホラーは、突然現れても一瞬で消える演出が多いですが、欧米のホラー、特に本作『イット』では、突然現れて、そのまま消えるのではなく、異形の姿で襲って来るんですね( ̄▽ ̄)
一瞬の脅かし耐性があっても、物理的に襲ってこられたら普通に怖いです(^▽^;
その異形のクリーチャーのビジュアルがよくて、とくに本作の人気の要因の約6割はペニーワイズのキャラデザによるところが大きいと思います。
このフリーザ様最終形態のようなシンプルなデザインでありながら、this manのように不思議と記憶に残るデザイン。
限りなく人間に近いデザインなのですが、一目見ただけで人間ではない異形の存在だとわかる絶妙なデザインをしているんですね。
例えば『エイリアン』がヒットしたのはあのエイリアンのデザインがよかったからだと思いますし、『プレデター』がヒットしたのもプレデターのデザインがよかったからだと思います。
『バクマン。』という漫画でも語られていますが、例えばヒットする漫画の主要登場人物のデザインはシルエットやパーツの一部を切り取っただけでもわかるほど、特徴があるそうです。
それと同様、ペニーワイズのデザインは今後も語り継がれるであろう光るものが感じられる素晴らしいデザインだと思うんですね。
ペニーワイズを観るだけでも『IT/イット ”それ”が見えたら、終わり。』は観る価値がある映画ではないでしょうか( ̄▽ ̄)ゝ