ストーリー
室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。「ここから始まるんだ俺たちは!」壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語
引用元:https://filmarks.com/movies/84764
南北朝~室町期に活躍した実在の能楽師・犬王をモデルにした古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」を、「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明監督が映像化した長編ミュージカルアニメ。京の都・近江猿楽の比叡座の家に、1人の子どもが誕生した。その子どもこそが後に民衆を熱狂させる能楽師・犬王だったが、その姿はあまりに奇怪で、大人たちは犬王の全身を衣服で包み、顔には面を被せた。ある日、犬王は盲目の琵琶法師の少年・友魚(ともな)と出会う。世を生き抜くためのビジネスパートナーとして固い友情で結ばれた2人は、互いの才能を開花させてヒット曲を連発。舞台で観客を魅了するようになった犬王は、演じるたびに身体の一部を解き、唯一無二の美を獲得していく。湯浅監督がかつてアニメ化した「ピンポン」の漫画家・松本大洋がキャラクター原案を手がけ、「アイアムアヒーロー」の野木亜紀子が脚本を担当。
引用元:https://eiga.com/movie/91393/
登場人物・キャスト
犬王(いぬおう)
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/犬王_(アニメ映画)
感想
主人公・友魚(ともな)は壇ノ浦で引き上げられた「草薙の剣」の呪いによって父を失い、友魚自身も視力を失う。復讐のために旅立った友魚は盲目の琵琶法師・谷一に出会い、琵琶法師としての人生を歩み始める。
一方、異形の姿で産まれたため名前を与えられず、両親からも愛されず、犬のような扱いを受けていた異形の子は、父の指導する猿楽の稽古を盗み見て、独学で舞を覚える。成長した異形の子は友魚と出会い自らを「犬王」と名乗り、共に「友有座」を設立し路上で奇抜な踊りを披露することになるのだった。
予備知識なしの状態で見たので、始まってしばらくは重厚な歴史と思っていたら、開始35分あたりから、想像の斜め上を突き抜ける展開に発展して意表を突かれました(^▽^;)
犬王は実際に存在した人物で、当時絶大な人気があったらしいのですよ。でも現代には犬王の活動記録がほとんど残されていないらしいんです。不思議ですよね(。´・ω・)? この映画はその犬王の失われたミッシングリンクを埋める構成になっていて、「本当にこんなことがあったのかもしれない!」と思えることができるのです( *´艸`)
皆さんが思い描く琵琶演奏や猿楽ってどんなですか? 恐らく半数以上の人は、敷居の高い、優美で厳格なものを想像されるでしょうが、友有座の琵琶演奏と猿楽はロックとダンスです(≧▽≦)
いわゆる和楽器ヴィジュアル系バンドなんですよ。開始35分あたりを見てもらいたいですが、凄いです。35分からはミュージカル調で展開されて、ノリノリで楽しいです(∩´∀`)∩ ロックフェスのように、観客も一体になって盛り上がって熱いです。
話しが進むにつれて衣装やメイクもどんどん奇抜になって行って、時代背景との違和感が半端じゃないんですね( *´艸`)
中には「こんなの琵琶演奏でも猿楽でもねえ!」と賛否分かれると思いますが、本来、猿楽・能・歌舞伎などできた当時は今より自由で、より良いものを創ろうと試行錯誤を続けていたはずです。
そして時代が経つにつれて神聖化され格式だとか所作が定められ難しくなっていったんですよ。猿楽や琵琶演奏も芸能であり、本来観客や朝廷を楽しませるために始まったのです。
友魚が行ったロックも、犬王の行ったダンスも観客を楽しませるという点において違いありませんよ( ̄▽ ̄) だから、大目に見てください(^▽^;) 美男美女は登場せず、萌え絵なども一切なく、癖の強いこびない作品ですが、独創性があって、バニラはすごく面白いと思いました('◇')ゞ