19世紀、アメリカ合衆国・ニューヨーク市に実在した町ファイブ・ポインツには、ビル・ザ・ブッチャーをリーダーとするアメリカ生まれのネイティブ・アメリカンズを名乗るギャング組織と、ヴァロン神父をリーダーとするアイルランド系移民らによって組織されたデッド・ラビッツの抗争が続いていた。
1846年、ネイティブ・アメリカンズとデッド・ラビッツの抗争は熾烈を極め、ネイティブ・アメリカンズとデッド・ラビッツは武器を手に取り、ファイブ・ポインツの覇権をかけた最終決戦が行われることとなった。
戦いは双方のリーダーの一騎打ちにより、ビル・ザ・ブッチャーの勝利で幕を下ろす。それから16年の月日が流れ、デッド・ラビッツのリーダーであったヴァロン神父の息子、アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)はビルへ復讐のために、ファイブ・ポインツに舞い戻る――。
ハーバート・アズベリーが1928年に出版した同名小説から着想を得て、総製作費100億円以上を投じて制作されたのが本作『ギャング・オブ・ニューヨーク』らしです。もし、映画が失敗してしまったら、借金返済だけで破産ですよ( ̄▽ ̄)。
映画は成功して何とか元は取れたようですが製作費100億円Σ(゚Д゚)って……。目ん玉飛び出る金額です(^▽^;) それだけの大金を投じただけあり、舞台セットや衣装など重厚感があり、まるでミュージカル映画の『レ・ミゼラブル』ような雰囲気があります。
ストーリーは単調で捻りが足りない気もしますが、キャラクターや世界観が良いと思います。特に主演男優賞にノミネートされたというだけあって、ダニエル・デイ=ルイス演じるビルのキャラクターは良かったですね。
ビルは卑怯なマネや、悪事も平気で行える悪党ではありますが、敵であっても敬意を払うその姿勢や、たまに見せる弱さのギャップに惚れてしまいます( ̄▽ ̄)
アムステルダムの正体が、デッド・ラビッツのリーダーだったヴァロン神父の息子だと知ったビルは、いつでもアムステルダムを始末することができたはずなのに「生き恥をさらさせる」という理由で殺さず逃がしてやるんです。
確かに、生き恥をさらす方が死ぬよりも辛いと感じる人もいますから、様々な解釈ができますが、アムステルダムは自分を殺そうとしているわけで、それなのに逃がすというのは、アムステルダムと再び戦うためであり、粋な計らいだったと思うんですよね( ̄▽ ̄)
ちょうど今放送している『ヴィンランド・サガ』という漫画のアシェラッド
というキャラを彷彿とさせられるんですよ。アシェラッドも最初こそ残虐非道なキャラという印象でしたが、物語が進むにつれて、ストックホルム症候群ではあるんでしょうが、好きになってしまうキャラなんですよね(^▽^;)
ビルもそれと似ていて、酷い人間ではあるんですが、「そこにシビれる! あこがれるゥ!」というのも変ですが、憎めないキャラになってます。当然、他の俳優陣も豪華なんですが、この映画はビルあってこそなんだなって思いました('◇')ゞ