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ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

アニメ アクション/ドラマ『チェンソーマン』「俺は俺の事を好きな人が好きだ」

引用元:Nアニメ‐ニコニコ動画

 最初『チェンソーマン』を知ったとき、「なぜにチェーンソー(。´・ω・)?」と発想の奇抜さに驚かされました。主人公のデンジという少年が、ポチタ

引用元:『チェンソーマン』公式サイト


という、ギロンのような悪魔から心臓をもらったことで、チェンソーマンに変身し悪魔たちと戦うバトルアクション漫画です。Wikipediaの情報によると、どうしてチェーンソーなのかという問いに、作者の藤本タツキさんが『悪魔のいけにえ』から最も影響を受けたからと語っているそうですね。

 

 確かにチェーンソーは欧米のB級スプラッター映画ではよく登場しそうなイメージです(^▽^;) 『悪魔のいけにえ』以外にも恐らくですが永井豪さんの『デビルマン』からも少なからず影響を受けているのではないでしょうか。

 

デビルマン』の主人公は悪魔の体に人間の心を宿していましたが、『チェンソーマン』のデンジは悪魔の体に悪魔の心を宿している、悪魔より悪魔らしい性格してるんですね( ̄▽ ̄) 

 

 悪魔より悪魔らしい様を象徴する代表的なエピソードに、第6~7話で登場する永遠の悪魔の討伐方法が挙げられます。永遠の悪魔は対象者を脱出不可能な亜空間領域に閉じ込めることができる悪魔です。

 

 閉じ込められたが最後、いかなる方法をもってしても内部からは永遠の悪魔を倒すことができません。けれど、デンジは悪魔よりも悪魔らしいとんでもない方法で永遠の悪魔を自滅に追い込んでしまうのです(^▽^;)

 

「だったらよお~。アイツが死にたくなるまで痛めつけて、自殺させりゃいい!」といって、デンジは永遠の悪魔が降参するまで、チェーンソーで何日も切り刻みまくるんですよ(゚Д゚;)

 

 デンジはどれだけダメージを受けていても血を飲めば回復するので、永遠の悪魔を切ったときに出る血を飲んで、「永久機関が完成しちまったなァァ~!! これでノーベル賞は俺んモンだぜ~!!」と何日も休まず切り続けることができたわけです。

 

 どうです? 理屈はわかっていても、普通できることじゃありませんよね(^▽^;) どうしてデンジに悪魔のような人格が形成されたのか? 生まれ持った資質もあるでしょうけど、デンジは亡くなった父親が作った借金を返済するために、ヤクザの雑用を押し付けられていたんですよ……。

 

 そんな環境下で育ったことで最大多数の倫理道徳からズレた人格が形成され、ポチタと契約し悪魔になったことで、悪魔より悪魔らしい人格が奇跡的に出来上がったのではないでしょうか( ̄▽ ̄)

 

 デンジの置かれた状況を踏まえたうえで山田玲司さんが完璧な1話だと評した導入部がすごいんです。「木ィ切って、月収6万だろ~。この間売った腎臓が……120万。右目が……30万。金玉片方売って……いくらで売れたっけ? 残りの借金がぁ……3804万円」ですよ……(T_T)

 

 なに、その始まり方……。これあの友情・努力・勝利を謳っているジャンプの作品ですか……! 百歩譲って読者層がジャンプより高いマガジンでしょ。こんな夢も希望もない始まり方がありますか? 

 

『ワンピース』や『ナルト』の主人公の境遇ですら、もう少し夢や希望がありましたよ……( ;∀;) デンジはチェンソーマンになったことで売った体も元通りになりますが、それまでは借金返済のために地獄を見てきたのです。

 

 金のためなら何だってします。靴だって平気で舐めます。そんな環境でヤクザにこき使われていたんです……。そんなある日、ヤクザが悪魔になり危機的状況に陥ったとき、デンジはポチタと契約してチェンソーマンに変身するのです。

 

 チェンソーマンに変身したデンジは今まで抑えていたフラストレーションを爆発させるように、理性もなく周りの悪魔たちをチェーンソーで切り刻み力尽きるのでした。

 

 その現場に到着した公安の悪魔専門の部署「公安対悪特異4課」のマキマという輪廻眼のような目をした女性が目覚めたデンジに「キミの選択肢は二つ、悪魔として私に殺されるか。人として私に飼われるか」と契約を持ち掛けるんですね。

 

 どっちにしても地獄? 飼い主がヤクザよりもヤバい人に代わるだけ( ;∀;) デンジはパンにジャムやバターを塗って食べられるという理由でマキマに飼われることを決めるのです。

 

 確かに衣食住の心配はなくなりましたが……恐らくヤクザ時代よりもヤバい仕事を押し付けられています(^▽^;) それから、デンジは様々な悪魔を倒し、それらの悪魔から採取される銃の悪魔の肉片を集め、銃の悪魔という強大な悪魔を倒すことになるのです。

 

『ワンピース』のルフィや『ナルト』のナルトが能動的に夢を追求するのに対して、『チェンソーマン』のデンジはマキマさんの為、マキマさんが命令するからという受動的な理由で行動します。

 

「海賊王になる」や「火影になる」という大きな夢を掲げるのではなく、デンジは地獄を経験してきたからこそ、「普通に生きられるのが一番幸せ」という悟りの境地に達しているんですね(*´▽`*) これも夢を語ることが難しくなってきた時代の変化が関係しているのか? 

 

 夢や希望を語っていたあのジャンプも、時代の変化でそろそろ変わり始めているのかも知れませんね(^▽^;) 毎度のことながら、面白い時代背景的考察を『山田玲司ヤングサンデー』というYouTubeのチャンネルで山田玲司さんが語っているのでご興味があったらご覧ください↓

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