ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 ドラマ/スリラー 『ROOM』「はじめまして、【世界】。」

f:id:WhiteVanilla:20220416220555p:plain

引用元:Filmarks

 世に監禁もの、脱出ものは数あれど、そのほとんどがフィクションですが、この『ROOM』は実話らしいです……(;´Д`) ジャックという5歳の子供が、ジョイ・ニューサムという名の母親と二人、六畳ほどの部屋に閉じ込められているんですね……。

 

 窓は小さな天窓一つで、部屋の中はいつも薄暗いのですよ……。そんな部屋に何年も監禁されたら……( ;∀;) 考えただけで気が狂いそうになってしまいます(;´・ω・) 事の始まりはジョイが17歳のとき、オールド・ニックと自らを呼ぶ男に、誘拐されることから始まってしまいました。

 

 今ネットで簡単に調べただけですが、日本でも年間に8万人強の人が行方不明になっていて、統計が残る昭和31年(1956年)から比べると毎年増えているらしいです。この8万人という数字は捜索願いが出されたり、行方不明と判明した人だけしかカウントされていないので、実際にはもっともっといると思っても間違いないと思います(´-ω-`)

 

 その中には色々な理由で行方不明になってしまう人がいますが、年間行方不明者数の数千人、あるいは数万人は誘拐によって行方不明になっているのです(>_<) そう考えると他人事ではないんですね……。 

 

 で、ジャックが5歳なのを考えると、監禁されてから2年目にジャックを身ごもったのでしょう。それから7年もの間、監禁されてジャックが5歳になったとき、ジョイはある脱出計画を決意します。

 

 きっと自分は殺されても、ジャックだけは助かって欲しいと思って考えついた計画なのだと思います( ;∀;) 母は強し。ですが、ジョイは殺されず、ジャックと一緒に助けられたのです! 

 

 脱出は成功し、普通の映画なら、そこでめでたしめでたしとなるはずですが、この『ROOM』は脱出成功するのが、ちょうど物語の半分ぐらいで、後半からは脱出したその後が描かれている二部構成になっていることが、この映画をアカデミー賞4部門にノミネートされた理由だと思います。

 

 もし、脱出までの一部を2時間の映画にしていたら、辛すぎて観ていられなかったかもしれない……と思うほど、辛かったです。脱出に成功して、やっと自由になり救われたと思った矢先、ジョイはマスコミからの必要な取材や、人々の心ない言葉、野次馬根性を丸出しにする人々、そして事件の精神的ショックなどなど、色々な要因が重なって、自殺未遂をしてしまうという……(T_T)

 

 辛くて、辛くて……。何とか薬を吐いて一命はとりとめますが、事件が終わった後も、被害者の精神的ショックがどれほど酷いものかを、痛々しいくらいうまく撮影しています。

 

 事件の関係者や被害者、あるいは加害者の環境や事件に至るまでの事情を何も知らないのに、誹謗中傷や心無い言葉をつぶやくのはどうかと思いますね(´-ω-`) ですが、報じることすべてが悪いことだと言えないのも事実で、難しいです(>_<)

 

 この映画だって、親子の人生を言ってしまえば食い物にしているようなものですし……。だからこそ、この映画は二重の原罪が含まれていると思います。報じる側のモラルと、その報道を見る側のモラルの問題なんですよね……。

 

 そして、ジャックですが、ジャックの精神的ショックもはかり知れません。五歳まで、狭い部屋に閉じ込められ、世界から隔離され、救い出されたあとも母親の自殺未遂に、マスコミの追求、世間の好奇な目。

 

 まだ頭が柔らかいから大丈夫かもしれませんが、幼少時に受けた精神的ショックや、環境は精神に大きな悪影響を引き起こしますから……。二人には、これから幸せになって欲しいと強く思います(´-ω-`)

www.youtube.com