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映画 ドラマ/ファンタジー/ホラー 『ブルーマインド』「恐ろしくも美しく、狂おしく淫らな、カミング・オブ・エイジ・ホラー」

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引用元:Amazon

恐ろしくも美しく、狂おしくも淫らな、カミング・オブ・エイジ・ホラー」というのはこの映画のキャッチコピーです( ̄▽ ̄) 確かに恐ろしくも美しく、狂おしい物語ですわ(´・ω・`) だけど淫らというほど淫らではなかったですよ。思春期ならこれくらいあるだろうって程度です。ドラッグとかそういうのが出てくるのですが、向こうの不良中高生ってやっぱりドラッグとか普通にやっているのでしょうか? 公になっていないだけで、結構日本の高校とかでも、大麻やドラッグのやり取りがされているそうなので、別に珍しいってわけではないと思いますが……(。´・ω・)? 

 

 民族性や文化の違いは色々なところに現れるのですね。物語はとてもメタファー的で、考察のし甲斐があります。この感想をちょっと書くに当たり、ネタバレというか内容には絶対に触れずにはいられないので言ってしまいますが、ミアという一人の少女が人魚になってしまうまでの物語が描かれているのですよ。「少女が人魚になる?」と聞いて「なんじゃそりゃっ!」と思った方もいるでしょう。バニラも「何じゃごりゃっ――――!」と人魚に吠えました(≧▽≦) 

 

 人魚と言ったら、アンデルセン童話で知られる『人魚姫』が真っ先に浮かびますが、人魚姫と関係しているのか? 人魚姫は最後泡となって消えてしまいますが、ミアは最後悲しくはありますが、人間の暮らしを捨てて広大な海で生きていくことを決めるという、旅立ちのメッセージも込められているように思うので、考えようによってはハッピーエンドだと言えます。人魚というのは何らかのメタファーだったのか? それとも本当に少女は人魚になってしまったのか? 観た人によって見解が分かれるでしょうけど。

 

 両親の仕事の都合で新しい学校に転校して間もなく、ミアはいわゆるイケてるグループに入るために、ちょっと無理している感じで色々と努力するのです。その甲斐あって、ミアはイケてるグループの一員になることができるのですが、その話と並行して自分の体に普通ではない変化が起こっていることがわかります。

 

 脚にうろこができたり、足の指が水かきのようにくっついたり、魚を無性に食べたくなったりと、そのことを誰かに相談したいと思うのですが、ミアは自分でもその変化が一般的な思春期による体の変化ではないことはわかっているので、両親にも相談できずにいました。

 

 けれど、一人だけそのイケてるグループのリーダー格の女子、ジアンナにだけは打ち明けるのですよ。初めはパシりに使われたり、万引きや買春の強要など色々といじめのようなことをしていてどうなんだ~……と思っていましたが、そのジアンナにも家庭の事情など色々とあって、最終的にはミアと心を通わせるまでになるのですよ(´・ω・`) 驚きです。

 

 そして、ミアとジアンナは友情を深めるのです。百合っぽいですが、また百合とは違うのかなと思います。百合と友情の違いって意外とわかりずらいですよね(。´・ω・)? プラトニックな百合もあるでしょうし……、結局観た人がどう感じるかってことなのだと思います。

 

『私の男』や『砂糖菓子の弾丸はうち抜けない』『少女七竈と七人の可愛そう大人』『荒野』などで知られるジュブナイル小説を得意とされている桜庭一樹さんの話が好きな人にはハマると思います。何を隠そう、バニラも桜庭さんの作品好きなので、この作品謎が多いですが不思議と食い入るように見入ってしまいました。以前観た『ぼくのエリ 200歳の少女』と似ている雰囲気があって、ハマる人にはハマる映画です、が観るのが辛い人もいると思います(´-ω-`)

 

 この年頃の子を主人公にしたいわゆる青春物とか、ジュブナイル物ってどうしてこうも痛々しいのでしょうね……。大人になるにつれて、捨ててしまった”もの”を輝かしいくらいに見せつけられるからなのか、昔を思い出して感傷的になってしまうからなのか('◇')ゞ