ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 ファンタジー 『パンズ・ラビリンス』「だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した」

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引用元:Amazon

※ 一応注意しておきますが、おっそろしい、見るだけで夢に出て来そうな画像が貼られていますので、ここから先に進む人はしばらく悪夢を見る覚悟がある猛者だけにしてください(゚∀゚)

 

 話しには聞いて覚悟はしていたつもりですが、まあ、なかなかにダークでした……(>_<) 幼い子供には見しちゃ駄目、絶対(-_-メ) ポスターだけ見たら、普通のファンタジーっぽいですが、ファンタジーではなく現実的過ぎました(; ・`д・´) それに、色々考察できそうな作品で、観る人によって意見が分かれること必然でしょう。

 

 この作品を観るにはまずスペイン内戦をちょっと理解しなければなりません。スペイン内戦とは

スペイン内戦(スペインないせん、スペイン語:Guerra Civil Española、英語:Spanish Civil War)は、1936年から1939年まで第二共和政期のスペインで発生した内戦マヌエル・アサーニャ率いる左派人民戦線政府(共和国派、ロイヤリスト派)と、フランシスコ・フランコを中心とした右派の反乱軍(ナショナリスト派)とが争った。反ファシズム陣営である人民戦線をソビエト連邦メキシコが支援し、欧米市民知識人らも数多く義勇軍として参戦、フランコファシズム陣営のドイツイタリアポルトガルが支持・直接参戦するなどした。 (Wikipedia 引用)

のことで、舞台は荒れに荒れたスペインです。主人公はオフィーリアという少女で、オフィーリアは母親の再婚によって、よりによって独裁政権軍陸軍のビダル大尉の元に引き取られることになったのですね。ビダル大尉はオフィーリアにきつく当たり、そんなある日、虫のような妖精がオフィーリアの前に現れて、ある迷宮に導きます。

 

 その迷宮では、オフィーリアのことを王女様と呼ぶ、パンと名乗る

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引用元:Amazon

山羊のような怪物なのか、妖精なのか、悪魔なのかわからないやつに、三つの試練を言い渡されるのです。一つ目の試練は、大蛙の口に魔法の石を投げ込んで、黄金の鍵をとってくること、二つ目はペイルマン

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引用元:THA RIVER

という、この怪物が住まう宮殿から、第一の試練で手に入れた黄金の鍵を使って剣を入手すること。そして、最後の試練、すべて達成することができれば、晴れてオフィーリアは王女様になれるのだとか。この作品を複雑にしている要因は、不思議の国のアリスのファンタジーの世界に行ったきり帰れま10ではなく、現実とファンタジーの世界が交錯しているからなのです(;´・ω・)

 

 これは、オフィーリアが辛すぎる現実から心を守るために作り出した空想なのか? それとも本当の話なのかわからないのですね。そして、ラビリンスの番人パンですが、パンは悪魔なのか? 妖精なのか? パンという神がギリシャ神話に存在するのですよ。父親が泥棒の神として知られるヘルメスで、パンが誕生したとき、その姿の醜く恐ろしいことから人々は大混乱を起こして、それがパニックの語源になったそうです。

 

 姿も同じなので、間違いなくパンズ・ラビリンスのパンはこのギリシャ神話のパンから取られたものでしょう。けれど、悪魔やサタンの姿もこの山羊の姿で描かれることがあります。だから、パンが神なのか、妖精なのか、悪魔なのかわからないのですよ、最後まで。そのような謎が作品内の随所に見られ、この物語に深みを持たせているのですね。

 

  オフィーリアという名前もシェイクスピアの『ハムレット』に登場する悲劇のヒロインの名前を意識せざるを得ませんし。

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引用元:Wikipedia

 そして、試練も調べてみると、試練一つ一つに意味があるらしいのです。あるサイトでは、第一の蛙の試練は「勇気」が第二のペイルマンの試練では「不服従」が試されているのだとか。そしてペイルマンはビダル大尉を象徴しているらしいのです。調べれば調べるほど、奥が深い映画ですよ。トラウマになる人はなるかも知れませんが、名作と呼ばれるだけあって、確かに観て損はない映画だと思いました。

 

PS ペイルマンのインパクトが凄すぎる……(;´・ω・)