ゆる文

ゆる~くアニメだとか、映画の感想文

映画 ドラマ 『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』「椅子取りゲーム」

引用元:U-NEXT

 世界問題でもある、不法移民・不法滞在・労働問題を取り上げた社会派ドラマです(´-ω-`) 一言、言わせてください――――――この映画すごいですよ(^▽^;) フィクションではありますが、ほぼノンフィクションです、たぶん。9・11以降ますます複雑化、深刻化している不法移民たちの過酷な現実をハリソン・フォード出演で描く群像劇なのですよ(;´・ω・)

 

 本当に色々な人たちがいて、不法移民・不法滞在で労働しているシングルマザーの女性や、9・11テロを過激ではったけど一つの問題提議の方法と考えている少女、不良グループに無理やり引きずり込まれた中国人の少年、移民税関捜査官の職員たち、グリーンカードを手に入れるために体を売る女性、みんな色々な問題を抱えているのです(-_-;)

 

 そんな人たちが、複雑に絡み合ってストーリーが進行していきます。日本でも移民を受け入れるべきや、技能実習生さんたちへの対応などが問題視されますから他人ごとではないのですよね……。世界中の国々が自国ファーストに舵を切り始めている現在……( ;∀;) 

 

 移民を受け入れ多様性に富んでいたからこそ成長することができた某国では現在、国境を勝手に超えて来たら射殺も辞さないみたいなことがいわれていたとかいないとか……(;^ω^) どこの国も移民の受け入れには慎重になっています……。日本も少子化、労働者不足などと言われているのに、移民の受け入れには消極的ですよね(。´・ω・)? 

 

 移民は厳しくても、一時的に技能実習生として受け入れたら受け入れたで、技能実習生の人たちへの当たりが酷いなんていう話もよく聞きますし、合法な奴隷制だと言われているとかいないとか……(;一_一) 安い賃金で働いてくれる移民が入ってくれば、自国民のようなコストのかかる労働者は……(^▽^;) 

 

 そうなったら、移民を受け入れるべきか、という問題にどうしてもぶつかってしまいます。労働者不足、少子高齢化などと言われていますが、実際のところ仕事を椅子取りゲームのように取り合ってるのが現実ですし……。これからさらに、仕事の奪い合いが激しくなって、失業者や仕事にありつけない人たちが増えるのは確実でしょうから……(~_~;) 

 

 経済が上昇し続けるなんて不可能なのですよね。社会が発展すればするほど、少子化が進むのは必然で負のスパイラルです。格差が酷くなるのは必然なんですかね……ホント、椅子取りゲームです……(ノД`)・゜・。 そんな『正義のゆくえ』というタイトルは皮肉めいていて、色々考えさせられます。

 

 不法移民の人たちも、貧困、戦争、恐怖政治、など色々な致し方ない理由でアメリカにやってきているのだから、「ちょっとくらい見逃してやれよ」と部外者は思うでしょうが、移民税関捜査官の人たちも自国の国民、自国の平和を守るために移民たちを取り締まらなければならない……。一人を許すと、他の人に面子が立たない……。正義のゆくえはどこにある……( ;∀;) 

 

 いや、もう日本の経済やこれからのことを書いてしまうと、どうしても重くなってしまいますね……(´・ω・`)  そんな、色々な問題がありますが、晴れてアメリカへの永住権を手に入れた人々の顔は希望に満ち溢れていました(*'ω'*) 過酷な現実を見るのは辛いですが、ちゃんと知らなければいけないのでしょうね('◇')ゞ

www.youtube.com

 

アニメ ラブコメディー 『とらドラ!』「恋は甘くて苦いもの( ̄▽ ̄)」

f:id:WhiteVanilla:20220225145704p:plain

引用元:dアニメストア

 言わずもがな、ラブコメのおすすめアニメを聞くと高確率で名前が上がるのが『とらドラ!』ですよね(。-`ω-) 一般小説より移り変わりの激しいライトノベル業界で15年以上も知名度を維持し続けられるのは並大抵のことではありません( ̄▽ ̄) そして、アニメ放送が2008年10月らしいので、アニメもあれからかれこれ14年になろうとしています。

 

 ときの流れはF1カーが過ぎ去る並みに早いですね~。気が付いたときには棺桶の中という言葉を何かで聞いた覚えがありますが、正にジェット機が通過するように火葬場を通過しますね~(´-ω-`)(そこまで早くはねえだろ( ̄д ̄))。そんな、10年以上も残る作品をやっと視聴したわけですが、絵柄や、古いだとかそういう理由で避けている人は、騙されたつもりで12話くらいまでみてください。

 

 12話ってもう半分いってんじゃねえか( `ー´)ノ 12話までみたら、もう引き返すことはできないでしょう、ウッヒッヒ(゚∀゚)(そんな理由(; ・`д・´))違いますよ、もう先が気になって引き返せないということです( *´艸`)

 

 家族関係や恋愛関係、友人関係、青春の葛藤などのストーリーはちょっと重いところもありますが、これくらいならライトな重さなので、気軽に観ることができますよ。確かに今現在観るとストーリーはベタなのですが、ベタは面白いからベタになるわけで、少年漫画の友情・努力・勝利と同じ法則です(^▽^;) 主人公は高須竜児という父親譲りの眼つきの悪さをコンプレックスにもつ高校生。

 

 竜児は父親譲りの眼つきの悪さから、不良と間違われたり、人には避けられるし色々と苦労してきたようです(´・ω・`) 人は見た目で判断するなと分かってはいますが、人間は本能的に第一印象、つまり見た目で判断してしまう生き物なのでやっぱり偏見はなくならないのですよね(´-ω-`)

 

 そのことで、竜児は高校に進学したとき偏見を晴らすのに苦労して、やっとクラスメイトと打ち解けることができたのですが、二年に進級したことでクラスの顔ぶれがガラッと変わってしまって、また誤解を晴らすところから始めなければならなかったのです(1年、同じ学校にいれば、誤解も解けそうな気がしますけどね(。´・ω・)?)。

 

 が、天は竜児を見放してはいませんでした。以前から好意を寄せていた櫛枝実乃梨(きしえだ みのり)という元気はつらつな少女と、親友である北村祐作(きたむら ゆうさく)というメガネ天然男子、そして北村や櫛枝だけではなく、タイトルのとらの文字になっている、逢坂大河(あいさか たいが)という小さくて可愛らしい、けれどその気性の荒さから小さな虎という意味で手乗りタイガーと恐れられている少女とも同じクラスになるのでした。

 

 竜児はその日の放課後、教室で挙動不審にしている大河とひと悶着あった末の夜、大河は竜児の家に押しかけてきて木刀で竜児を殺そうと大暴れして家の襖に穴をあけるのでした(^▽^;) 家宅侵入罪や暴行・殺人未遂罪、器物破損、危険物所持などなどいくつもの犯罪に当たりますが、そこは常識で考えてはいけません( ̄▽ ̄) 

 

 何とか竜児は命拾いして、どうして自分を殺そうとしていたのかを聞くと、何でも大河は天然メガネで、ボケの新八でおなじみの北村のことが好きらしく、北村宛の手紙を間違って竜児のカバンに入れてしまったらしいのです。大河は北村が好き、竜児は櫛枝が好きということがわかり、二人は「お互いの恋を応援する共同戦線」ということで協力関係になるのでした。

 

 ですが、ラブコメである以上そう簡単に恋が実るはずもなく、北村は狩野すみれという生徒会長に好意を寄せていて、櫛枝は元気はつらつひょうきんな感じですが、彼女も彼女なりに考えていてそいういう恋愛関係を避けている様子(~_~;) 果たして大河は北村に、竜児は櫛枝に想いを伝えることができるのか! 

 

 恋愛に年齢は関係ないようで、高校生であろうと相関図として観てみるとライトなドロドロになっています。けれど重すぎることはないので軽く観られました。そんな軽い昼ドラを挟みながら、家族や友人関係の問題も絡めているのでこの話に深みを与えています。大河は家族の都合で竜児の隣のマンションで(第1話で竜児の家に侵入できたのは、マンションが隣だったからです)一人暮らしをしていて、家族関係に問題を抱えているのですよ(´-ω-`)

 

 そして、竜児は竜児で父親のいない母子家庭な上に、母親がたぶん家出同然で家を出て竜児を出産しているため、身内関係がない孤独な状態かつ金銭的な問題などを抱えています。けれど、竜児の母は愛情だけは人一倍竜児に注いで育ててきたのですね。色々と大変だろうに、弱音を吐くのは悪いわけではありませんが弱音を吐かず、いつも明るく、夜の商売で一生懸命働いて竜児を育て上げた(´-ω-`) 

 

 竜児の母親が『とらドラ!』の登場人物の中でバニラは一番好きかもしれません。バニラは絶対ハッピーエンドじゃなきゃ駄目だという、ハッピーエンド主義者ではありませんが、それでも映画でもアニメでも観ていると登場人物に感情移入をそれなりにはしますので、やっぱり登場人物たちには最後幸せになって欲しいと思うのです(*'ω'*)

 

 フィクションなんだから、、多少の無理があってもご都合主義という神(作者)の見えざる手で奇跡を起こしても良いと思っていますし( ̄▽ ̄) すべての生きとし生けるものは幸せになるために生きているのですから。『とらドラ!』も右往左往、悩み苦しみ藻掻きますが、最後はハッピーエンドなので安心して観てください――。

 

PS 大河もツンデレというのでしょうか(。´・ω・)? 竜児と大河の関係は協力関係というより、主人と奴隷の関係に見えてしまいます( *´艸`) ツンデレの域を超えて、ボウデレ(暴デレ)という方が合っている気がしたのでした――。

映画 歴史/ドラマ 『それでも夜は明ける』「私たちは、決して刹那主義ではないけれども」

引用元:Filmarks

 人間の残酷性が赤裸々にえぐり出されます(;´・ω・) 人間はここまで残酷になれるのか……。怖い、バニラはバニラが怖い;つД`) とまあ、こんなこと言ったら、厨二だなんだと言われてしまう現代ですが、実際人間には残酷性がデフォルトで備わっていることは否定してはいけません……。人間の歴史は争いの歴史であり、奴隷制や差別などは現在でもあることなのですから。

 

 現代でも人種差別が行われていますし……人間から差別をなくすことはできないのです(>_<) 差別には『悪意ある差別』と『無意識の差別』の二種類があるとバニラは考えています。悪意ある差別をするつもりはなくても、人間知らなければ誰でも無意識の差別はしてしまうのです。あなたもバニラも無意識のうちに差別してますよ(・ω・) 

 

 時代や環境によって誰でも差別主義者になるし、ヒトラーのような独裁者にだってなるのです。色々やらせ疑惑はあるものの、スタンフォード監獄実験という実験が人間の凡庸な悪を浮き彫りにしているので、気になった方は調べてください。「自分はならないね」と思っているあなた(≧◇≦) あえて言おう「なる」と! 人間は誰だって邪悪を内に秘めているのですから。そのことを認めなければならないのです。

 

 だから、悪意ある差別は人間の悪意から起こることなのでなくすことはできませんが、無意識の差別は学ぶことでなくすことができるのですよ('ω')ノ この『それでも夜は明ける』は、そんな無意識による差別をなくすためにも、観なければいけない映画の一つだと思います。しかもフィクションではなく、ソロモン・ノーサップという方が実際に体験した事実を『12イヤーズ ア スレーブ』という本にまとめたノンフィクションなのです!。

 

 現実はこの映画で表面だけ描かれるものより、数百倍も残酷極まりなかったと考えるべきでしょう。ソロモン・ノーサップは解放奴隷の父と自由有色人種の母の間に生まれた自由黒人という地位の人で、プロのヴァイオリニストをしていました。そんな彼は音楽ツアーに誘われ、ワシントンD.Cに向かったのですが、当時のワシントンD.Cでは奴隷制度が合法だったらしく、そのワシントンD.Cで薬を飲まされ誘拐されてしまったのです(>_<) 

 

 その後、船に乗せられニューオリンズに連れていかれ、アボイルズ郡を中心にしてルイジアナ州のレッド川流域のプランテーションで12年間の奴隷生活を強制させられました。12年間を二時間程度の映画にまとめているので、描き切れなかった残酷な現実も数えきれないほどあったでしょうが、その二時間だけですでに地獄でした(;´・ω・) 奴隷制という大義名分を得るとここまで人間は残酷になれるのです。

 

 もしバニラがその時代のアメリカで白人として生まれていたら、こんな酷い差別をしていたと思うと自分が怖くなります……( ;∀;) いうことを聞かなければ、鞭で肉がズタズタに引き裂かれ、つま先が着くギリギリのところで首をくくられ何時間も放置され、食事を何日も抜かれ、無理難題を言い渡され、過酷な労働を強制され、気に入らなければ拷問の末殺したって罪にはならない。現実はもっともっともっと酷かったでしょう(ノД`)・゜・。

 

 そんな過酷な環境においてもソロモンは「それでも夜は明ける」と信じて12年を耐えるのですよ。中には耐えることができず自ら命を断った人も大勢いたでしょう。本作に登場するパッツィーという黒人女性がいるのですが、パッツィーはプランテーションのオーナーであるエドウィン・エップスから性的暴行や虐待を受けていて、彼女はソロモンに自分を殺してくれるように頼むシーンは印象的でした( ;∀;)

 

 芥川龍之介が『侏儒の言葉』や『或阿呆の一生』の中で「人生は地獄よりも地獄的である」という言葉を残していまが、本当に生きるってことは地獄的です……。地獄は死後の世界にあるのではなく、人生の中にあるものなのですよ(´・ω・`) 死ぬ以上に怖いこと嫌なことなんて人生の中にはいっぱいあるのです。人生が地獄の人からすれば、死ぬことは怖くなくて逆に救いなのですよね(´-ω-`)

 

 生と死を論じているこの手の映画を観ていると、パッツィーの考えを否定することなんてバニラにはできません……( ;∀;) またも文学作品の言葉を引用しますが、太宰治の『女生徒』という作品の中にこのような一文があったのですが、正にいつ明けるかわからない夜の苦しみが的確に文章にされていると思います。

 

私たちは、決して刹那主義ではなけれども、あんまり遠くの山を指さして、あそこまで行けば見はらしがいい、と、それは、きっとその通りで、みじんもうそのないことは、わかっているのだけれど、現在こんな烈しい腹痛を起しているのに、その腹痛に対しては、見て見ぬふりをして、ただ、さあさあ、もう少しのがまんだ、あの山の山頂まで行けば、しめたものだ、とただ、そのことばかり教えている。きっと、誰かが間違っている。わるいのは、あなただ。 太宰治『女生徒』引用

 

 この文章が表す通りですよね(´-ω-`) きっといつか夜は明けるでしょう。けれどいつ明けるかなんてわからない。いつ明けるかわからない夜を耐え忍ぶのはとてつもない苦しみで、その苦しみに耐えきれなくて自殺してしまった人たちは沢山いるのに、そんな人たちは見て見ぬふりして、「さあさあ、もう少しのがまんだ、あの山の山頂まで行けば、しめたものだ、とただ、そのことばかりを教えている」根性論を押し付けてる、悪いのは誰なんだって話です……( ;∀;) 

 

 もう少しの我慢だ、あの山の山頂まで行けばしめたものだと言ったって、苦しんでいる人は今まで我慢して烈しい腹痛を耐えてきたのです……。だから夜が明けるのを待てなかった人を否定できません(´-ω-`) そんな烈しい腹痛に耐えて、ソロモンは隙を見計らって書いた手紙が知人に届いて、何とか助け出されたのですが、パッツィーのその後はわかりません(´・ω・`) 

 

 もしかすると、ソロモンが助け出された腹いせに、殺されている可能性もありますし……。でも、ソロモンが助け出されたことで、ソロモンは黒人奴隷解放運動家として活動を始めるので、奴隷として苦しんでいる黒人奴隷たちの希望になったでしょう。「それでも夜は明ける」いつ明けるかわからない夜を耐えられるかが強さなのでしょうか(T_T)

www.youtube.com

www.youtube.com

アニメ ホラー/ミステリー『Another』「Anotherなら死んでた……(;^ω^)」

引用元:Amazon

 原作はあの『十角館の殺人』などの館シリーズをはじめ、数々の傑作ミステリを世に送り出したミステリ界の重鎮綾辻行人(あやつじ ゆきと)さんのホラー・ミステリ『Another』です(´▽`*) 綾辻行人さんの作品は『十角館の殺人』と『黒猫館の殺人』くらいしか読んだことがありませんが、どちらもトリックが素晴らしく、犯人がわかった瞬間脳内でドーパミンが大量に分泌されて、全身に鳥肌が立ったくらいです(≧▽≦)

 

 この『Another』は今までの綾辻行人さんの、ロジックで固められた作風とはまたちょっと違った怪奇的な面白さがあります。始まりは1998年、夜見山という架空の町を舞台に、夜見山に引っ越して来た主人公榊原恒一(さかきばら こういち)くんは、古くから続く3年3組の厄災に巻き込まれてしまいます。榊原くんが通うことになる夜見山北中学では死者が出て(この死者というのは、怪奇的な存在です)、その死者が出た年は多くの人たちが死ぬことになるというのです(>_<)

 

 死の呪いの始まりは26年前、誰からも好かれていた生徒の一人が亡くなってしまい、クラスメイトは深い悲しみに沈んでいました。ですがある日、クラスメイトの一人が「○○さんは死んでいない!」ということを言い出したのです。その嘘にクラスメイトみんなが便乗して「○○さんは生きている」「○○さんは死んでない」などと口を合わせだしたせいで、それからというもの3年3組は死者の世界と生者の世界の境界が曖昧になってしまい、3年3組と関わる人々は死ぬようになってしまったのです(; ・`д・´)

 

 そのような話しですから、放送当時「Anotherなら死んでた」という言葉が生まれるほど突拍子もない方法で人が死にます(;^ω^) 人の死を絶対に笑ってはいけませんが、「そんな方法で死ぬか!」と突っ込みたくなる方法で死んでしまうのですね(^▽^;)

 

 例えば階段から足を滑らせて持っていた傘に刺さって死亡、老朽化したエレベーターのケーブルが切れて死亡、伏線はあったものの突然心臓発作を起こして死亡、包丁で自分の喉を突き刺し死亡、脳挫傷後に海水浴に行きボートのスクリューに巻き込まれて死亡、落石に巻き込まれて死亡、クレーン車が部屋に突っ込んできて死亡、落雷で死亡、そして最後なんてまるで、「借の都合上無理やり殺されたんちゃうか?」って思いたくなるほど都合よく人が死んでしまいます(^▽^;)

 

 終始シリアスでコメディー要素なんて全然ないのに、ここまで吹いてしまう作品は他にありませんよ。映画などで見るようなホラーっぽい演出がされていますが、絵柄が美少女系の絵柄なので怖さよりも萌えさの方が強くて、恐怖感はないです。だけど、第一話から最終回までの緊張感の持たせ方と、先が気になる引きの構成は圧巻で一気見必見です。原作は綾辻行人さんということで、伏線の貼り方も秀逸ですし、ツッコミどころは満載ですがスリルがあって面白い物語だと思います。

 

 この『Another』と似た作品で貴志祐介さんの『悪の教典』とかスティーブン・キングの『呪われた町小野不由美さんの『屍鬼』などと近しいものを感じました。それらの作品が好きな人、あるいは『Another』が好きな人はそれらの作品も好きだと思うのでお勧めします('◇')ゞ

www.youtube.com

www.youtube.com

アニメ SF『ぼくらの』「死を考えることがないから、生を考えることもない」

引用元:GYAO!-yahoo! JAPAN

 鬱漫画・鬱アニメとして不動の地位を築いている『ぼくらの』という作品をご存知でしょうか! OPの『アインストール』とタイトルは以前から知っていて、観てみたいと思っていましたが、今回やっと視聴しました(´艸`*) めっちゃ面白かった(≧▽≦) 確かに勝っても負けても絶望的で、人も多く死ぬし、終始シリアスでみんな幸せ、ハッピーなENDとは言えない作品ですが、バニラは鬱アニメ・鬱漫画と安易にレッテルを貼って、カテゴライズするのはあまり好きではないのです。

 

 だって幸福なんて相対的なものですし、登場人物が死ぬことがバッドエンドなら、幸福に生きて天寿を全うしようが、逆ピークエンドの法則とでもいいましょうか、終わり悪けりゃすべて悪いということで人間みんな最期は死ぬのですからバッドエンドってことですよ(´・ω・`) 極端な例えだとは思いますが、それはそれで嫌ですよね……。語弊を招いてしまう言い方ですが、登場人物の生き様、どう生きたかでバッドエンド・ハッピーエンドは決まると思うのです。まあカテゴライズすることで、ちゃんと心の準備ができるのはよきことですが(。-`ω-) 

 

 バニラは闇属性なので、意外と重い作品でも平気で観れてしまうのですが、重い物語が得意でない光属性の方は本当にお気を付けください。視聴後に命や善と悪などの正解のない問いを考えてしまいますので……(´・ω・`) だけど、アニメ史・漫画史に残る傑作だと思うので、観て損はないです、はい。タイトルだけではどのような話かわかりませんが、『ザ・ムーン』『エヴァンゲリオン』『GANTZ』『魔法少女まどか☆マギカ』『進撃の巨人』すべてを足して2で割った感じの作品です。

 

 むむむ……どれも突飛な設定で、余計わけわからないですよね……( ̄д ̄) 更に噛み砕いて説明すると、「子供たちが地球を救うために、命をかけて謎のロボットたちと闘う話」です。いわゆる個人の問題が世界問題とリンクする世界系と呼ばれる作品で、色々ツッコミどころ満載ですが大筋は間違っていません( ̄▽ ̄) 謎の超巨大ロボットが襲ってきて強制的に闘わせられる話が面白くないわけがない(≧▽≦) 

 

エヴァ』しかり『進撃の巨人』しかり、ハリウッドの映画や、古今東西共通する面白い作品の共通点は、謎の存在が突然襲ってきて戦う作品だと思うのです。ほぼ毎回主要登場が死んでしまうのですが、ちゃんと一人一人の人生が掘り下げられて、自分の生まれて来た意味と運命を受け入れて闘う姿は、ハッピーとは言わないまでも、自分の生まれて来た意味を肯定できた時点でバッドエンドではないと思います……(T_T) 

 

 だって、ほとんどの人が自分の生まれて来た意味もわからないまま死んで逝くのですから(´-ω-`) 自分の生まれて来た意味を見つけられた人は本当に幸せだとバニラは思うのです。話しは変わり、物語の登場人物を人間が一度に覚えられる数は7人ほどだと言われているのですが、この作品は第一話目から十人以上の少年少女が登場して、始めは「こんなに登場人物出して、掘り下げられるのか……」と心配していたのは大きなお世話でした( *´艸`)

 

 陰のヒーローに憧れる少年ワクや、強欲の権化のような父親を尊敬している少年コダマ、教師と不適切な関係を持ってしまったチズ、両親がいない三人の弟妹の面倒を見ているダイチ、何故か妹に強く当たってしまう兄ウシロ、そんな兄を慕うウシロの妹カナ、口数は少ないけれど物事をよく観察するキリエ、常に規範的であろうとする優等生ナカマ、などなどちゃんと一人一人の人生や、関わって来た人々との交友がみんな丁寧に掘り下げられて、命の尊さや儚さを考えさせられます(´-ω-`)

 

 漫画版とアニメ版では後半からかなりストーリーが違うらしいので、漫画版も読んでみようかな……(≧▽≦) 闇耐性を持っていて、哲学的作品が好きな人なら、本当にオススメできる作品です('◇')ゞ

www.youtube.com

アニメーション映画 ドラマ/ミステリー『ブラック・ジャック 劇場版』「超人類!」

引用元:Amazon

 スポーツの世界記録は年々更新されています。陸上100メートル走の世界記録はウサイン・ボルトさんが記録した9秒58――棒高跳びではアルマンド・デュプランティスさんが記録した6.21m――競泳50メートル自由形ではセーザル・シエロさんの20秒91です。人間は体を壊さないために身体機能にリミッターをかけているというのはよく知られた話ですが、では人間はどれほどの潜在能力を秘めているのか? 人間が秘めている潜在能力を極限まで引き出す人々がアスリートたちです。

 

 本作『ブラック・ジャック 劇場版』では20世紀のアトランタオリンピックで世界記録を大幅に更新する記録が各競技で続けて出ることになりました。その出来事はスポーツだけにとどまらず芸術や科学などの様々な分野でもみられ、いつしか彼らは超人類と呼ばれるようになります。超人類の出現から2年が過ぎ、ブラック・ジャック先生はある少女リサの治療に当たっていました。何とリサの体を検査してみると、内臓は90歳の老人の内臓と同じほど衰えていたのですΣ(゚Д゚)

 

 結局リサを治療することができなかったブラック・ジャック先生ですが、リサの両親からお礼にリサが描いた絵画をもらうことになりました(;´Д`) 絵をもらったブラック・ジャック先生の元に画商の男たちが現れて、リサの描いた絵が高額な値で取引されていることを知らされ、リサも超人類であったことを知るのですΣ(・ω・ノ)ノ! なんと超人類は人類の進化した状態ではなく、病気が引き起こす作用であることがわかるのですよΣ(゚Д゚) 

 

 そんなとき超人類の治療をしている機関の女性キャロルブラック・ジャック先生に協力を頼みます。治療法の研究をする中で、超人類はウイルスが引き起こしていることがわかります(;´・ω・) ウイルスに感染した患者はエンドルフィンというモルヒネの数十倍の鎮痛作用があり、多幸感をもたらす脳内麻薬を過剰に分泌していることを突き止めます。詳しいことはわかりませんが、ウイルスに感染した患者をサーモグラフィで見ると通常より体温が高いような描写があります。

 

 恐らく心拍数も高いでしょう。『ゾウの時間 ネズミの時間』という本川達雄さんの学術書では、生物のサイズによって生きている体感時間が違うと説かれています。どういうことか簡単に説明すると、生物が一生のうちに打つ心拍数の数は一定なのだそうです。つまり心拍数が遅いほど長生きで、早いほど寿命が短いということですね。そうなると、生物によっては体感時間が違うことになりますよね。心拍数が速い動物から見たら、心拍数が遅い動物の動きはスローモーションに見えていることでしょうし、その逆もしかりです。

 

 では、今回の話と病気の話に何の関係があるのか(。´・ω・)? 超人類はエンドルフィンの分泌による鎮静効果でリミッターを解除して、ノルアドレナリンとアドレナリンの分泌で筋力を増強し、身体能力を向上させていると思われるのです(。-`ω-) 『ワンピース』の主人公ルフィの必殺技にギアセカンドという、心拍数を高め血液の流れを速くすることで身体能力を高める技があるのですが、ようは超人類とはギアセカンド状態だといえるのですよ(*´▽`*) 

 

 ギアセカンドで実感がわかなければ『ドラゴンボール』の悟空が使う界王拳も、ノルアドレナリンとアドレナリンを分泌させて、心拍数を高め使用していると思われます( ̄▽ ̄) ルフィや悟空は自由自在にギアセカンドや界王拳をコントロールできますが、超人類の人々はウイルス感染によって強制的にギアセカンド状態になっているので肉体への負担は相当なものでしょう(;´・ω・)

 

 スポーツの世界ではドーピング問題が深刻ですが、そもそもこれからの時代ドーピングを防ぐことができるのか? どれだけ厳重にドーピング検査をしても、ドーピング検査に引っかからない薬物が日々開発されているのが現状でいたちごっこです(´-ω-`) その他にも科学技術で身体能力を強化することは容易ですよ。脳に電極を埋め込んだり、埋め込みはしなくても、試合前に脳のエンドルフィンやノルアドレナリン、アドレナリンを分泌する部位を電気で刺激すれば、一時的に限界を超えた能力を発揮できるし、薬物ではなく電気刺激なので証拠も残りません(´・ω・`)

 

 そもそも、これからの時代はDNAを操作したデザイナーベイビーなどが作れるので、人間の能力を根本から強化できる時代です。現在では倫理的な問題からデザイナーベイビーは禁止されていますが、表上は禁止しても極秘裏にデザイナーベイビーを作ることは難しいことではないでしょう。それがオリンピックや世界大会などで国の威信を背負うのですから、国家ぐるみで超人を生み出すことも可能です。

 

 もしかすると、もうすでにデザインされた人々が世界で活躍しているかも(゚∀゚) 信じるか信じないかはあなた次第です( *´艸`) と、陰謀論的な話になってしまいましたが、ブラック・ジャック先生はウイルスの謎を突き止めることができるのか! やっぱり出崎統監督の演出は迫力がありますね(*´▽`*)

映画 ドラマ/ミステリー『ブラック・ジャック FINAL』「医者はなんのためにあるんだ!」

引用元:U-NEXT

 漫画の神様と称えられ多くの傑作を世に送り出した手塚治虫の『火の鳥』と並び最高傑作と呼び声も高い、元祖群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、無免許医のライセンスと叩き上げのスキルを武器にした一匹狼『ブラック・ジャック』を原作にしたOVA作品のファイナル、カルテ11~12話です(≧▽≦) いや~さすがブラックジャックです。ドラマが濃い。ブラック・ジャックの何が凄いって、1973年代に漫画で医学を扱ったことですよね。

 

 当時は現在のようにインターネットなどは普及しておらず、何を調べるにしても今より時間がかかるし、専門的な分野になると調べようがないので医療ドラマを描くことは難しかったと思いますが、医者になるか漫画家になるかで悩んでいた手塚治虫さんだからこそ描けた作品です( *´艸`) 「天は二物を与えず」なんて言いますが、ありゃ嘘ですよ( ̄▽ ̄) 才能ある人っていくつもの才能を持っていたりするのですから。全然ひがんでなんていませんよ( ;∀;) そのおかげで素晴らしい漫画が後世に残された訳ですし、手塚治虫先生がいなければ現在の日本アニメーションは存在しなかったといっても過言ではないのですから(≧◇≦)

 

 少数の天才によって、人類は進化してきたわけですから、才能の集中化は仕方のないことです。と、手塚治虫先生の話を長々してきましたが、バニラは漫画版のブラックジャックを読んだことがないのですが(>_<) 読んだことなくても、ストーリーを知っているって本当にすごい漫画の証拠ですよね。神の手を持つ無免許医が法外な金と引き換えに難病、奇病の治療を行うという話です。医者は普通、専門以外の治療は難しいと思いますが、ブラック・ジャック先生はどんな箇所の治療でも行ってしまうのだから、まさに万能の天才です。

 

 そんなブラックジャック先生が、カルテ11『おとずれた思い出』で、かつてピノコを体内に取り込んでいた双子の姉である西園寺ゆりえを再び治療することになります。西園寺家は代々双子が生まれる家系であり、本当だったら生まれるときどちらか片方が亡くなるはずだったのですが、ブラック・ジャック先生が執刀しピノコを救い出した過去があるそうですが、時が経ち再び西園寺家の呪いが発動してしまい、今度はピノコとゆりえ双方の命が脅かされてしまうことになるのです。果たして、ブラック・ジャック先生は謎の奇病を治療し、ピノコとゆりえを救い出すことができるのか!

 

 そしてカルテ12『美しき復讐者』ではアンリョン王国という、ちょっと北朝鮮をモデルにしたような国の独裁者を治療するために飛行機で移動中拉致されてしまうところから始まります(>_<) ですが、国王を治療するのを阻止しようとするある勢力が、ブラック・ジャック先生の暗殺に乗り出し、何度も命を狙われてしまうことに……。ここまで命を狙われる医者もいないでしょう( ̄▽ ̄) 暗殺を乗り越え、どうにか国王を治療したブラック・ジャック先生ですが、生まれてはじめて患者を治療したことを後悔する出来事が起こるのでした。

 

 ブラック・ジャック先生が言った医者の存在理由の名言がありますよね。医者が自然の理に反して、患者を治療することで環境破壊や食糧危機などの弊害が起き助けた命よりも多くの人が亡くなる多産多死状態と似たようなことになる。なら、患者を治療せず、自然の理に任せて治療しない方がいいのか? でもそういう弱い人、苦しんでいる人を見捨てず共に生きて来たから人類はここまで発展できたのですから、病気で苦しんでいる人を見捨てるような社会は破滅すると思うのです。

 

 自分の立場になって考えてみてください。もし、自分が病気になって治療しなければ死んでしまう状況になったら、自然の理に運命をゆだねることができる強い人などどれほどいるでしょうか? 恐らく少数だと思います。だから、廻りまわって自分のために、どんなことがあっても患者を助けるために医者は必要です。この問題に正解などなく、生きている限り考え続けアップデートし続けなければいけない問題なのです( ̄▽ ̄)